トスエクン・ドラゴをクリアした2
ブラーニュシュバルクの町
ムートダラ城から伸びる長い橋をわたるとそこは、ブラーニュシュバルクの町があった。遥か昔にローラ王女が連れ去られた、ブラーニュシュバルク城の一部だったのが地形の変化によって、取り残されたのである。とは言っても現在はその歴史が忘れさられ、単純にムートダラの町と呼ばれるようになった。
時を重ねるにつれて魔物たちは巨大化し、狡猾さを増すようになった。わたしもまずはこの町でこの先の戦いに備えていかなかければならない。歩いていると武具を売っているお店を見つけた。 武器は棒のようなものと、鋭くはないが鉄製の刃が伸びる武器があり、そいつは棒状のものよりも3倍の価格で売られているが、あの目がギョロっとしていて青い魔物と戦っていても、買えそうにないので、今は棒のやつを買っておこう。
防具は動物か何かの皮で作られた鎧が売られている。これも買っておく。同じような皮をトネリコの木に貼り付けている盾もある。それも装備した方が良さそうだ。あとはめぼしい物はないから、南に作られた防壁に向かって歩く。
小さな池の真ん中に別のお店があった。ハーブのような葉と、木の枝を削ったような商品が置かれている。
『店主、これはあの店にあった棒と同じなのか?』
カウンターの奥の男が答えた。『あれは棍棒で、ここにあるのは松明っす。暗いところで勝手に火がつく仕組みなんです』
えっ、勝手に火がつく⁉︎そんなわけないだろう、と思いつつ試しに一本買ってみる。やっぱり平和な世界とは違う法則があるのだと、そのとき考え始めていた。その証拠にドラゴンの鱗、と書かれたアイテムも売られている。まさかドラゴンと言ったら恐ろしい目つき、大きな口から見える歯はどれも鋭く尖り、巨大なビルみたいな体躯、まるで伝説の恐竜みたいな存在感、圧倒的な火炎放射をする魔物!その身体から削り取ったかのような鱗⁉︎
『それはりゅうのうろこと言いまして、魔物からの攻撃を和らげてくれますよ』
その話もいまいち納得がいかないが、ゴールドを払って、りゅうのうろこを首から下げてみると、少し強くなった気になった。不思議なものだ。
それから、魔物が嫌うという聖水も何本が買う為に、魔物と戦ってゴールドを貯めるのだ。
町民の話だと、ここから北西に半日歩くと、イラガという宮廷に仕えた経験を活かして、平和の尊さを訴え続けた詩人が住むという町があるらしい。その努力も虚しくエスペランザによって捕らえられたというのだ。どうやらわたしは、そのお方を助けなければいけないようだ。ローランサ王女についての情報が得られるかも知れない。
武具のお店にあった、どうのつるぎは高額だが、それを手にすれば安心だ。イラガの町へ行こう。
第2章おわり
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