琴の爪一妻の詩(124)

琴の爪

とても体がだるい日
琴を弾いた後
思わず横になる
必死で出かけて戻ると
琴の爪が見当たらない
いつもの場所にはないし
どこかに ぽんと置いてしまったのだろう

弾こうと思っても
爪ひとつないと弾けない

何かと 何かで ひとつのことが成り立つとき
どれひとつなくてもできない
誰かと 誰かで 何かをするときも
誰一人欠けても成り立たない

本が読みたくても買えない人の多かった時代
勉強したくてもする状況にない時代や環境

琴の爪ひとつを揃えられる有難さ

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