一人娘を失った母の悲しみ(和歌)①

 心不全で救急病院に入院していた義母が4月23日に退院し、自宅マンションに戻って準備を整え、義母の強い希望通り郷里の秩父市の特定施設(秩父駅からタクシーで約20分の山に囲まれ、三峰神社の小さな社もある施設)に入所した。面会時間は1日20分と少ないが、毎週面会して支え続けたい。特定施設への入所希望者が多く、退院と共にスムースに入所できたことは関係者の並々ならぬご尽力の賜物であり、深く感謝したい。
 救急病院の主治医による「CT検査」レポートによれば、肺炎、腸炎、腫瘍性病変が疑われるとのことであったが、血圧は高い状態が続いているものの、容体が落ち着いてきたので、4種類の薬を飲み続け、治療と介護を継続する必要があるという所見が特定施設の担当医師に文書で伝えられた。
 私自身は自宅マンションで介護するつもりであったが、義母の希望を優先して郷里に帰ることになった。退院した日に妹が自宅マンションに泊まってくれ、下着その他のこまごまとした準備を手伝ってくれた。私一人ではとても準備できなかったので、本当に助かった。心から感謝している。
 4月21日付本稿で義母の和歌の一部を紹介したが、既に和歌創作は百首を越えた。字余りや字足らずなど形式が整っていないものも散見されるが、あふれ出る思いをただ書き連ねているだけだと母は言う。4月20日に綴ったものの一部を紹介したい。一人娘を失った義母の悲しみはあまりにも深い。

夢夢と見ゆれど 夢ならぬ 吾子の姿の見えざる時よ
名を呼びてかけよる吾子の姿見え ただ夢の中
帰りゆく我が児の姿 なつかしきも心に残り 眠られぬ夜
吾子吾子と生き来し母の悲しみは いずこの人もわからじと思う
わが児いぬ世界に生きる空しさよ 残されし悲しみのみを残したる
陽は沈む わが児はあちらと心にきかす 淋しさに流れる涙とめどなく
声あげられぬ ふとんおおいて あちらではさぞや楽しく祈るなりと 心にきかせ涙する夜
涙涙涙 泣き声立てずただ涙する 親しき吾子の友の声聞きて わきいずる涙
子のありて生きし我が身をなげきたり 神はいかにと我を導くか
淋しさに声にもならずふとんかけ 声はりあげて子の名を呼べり
雲の上に丸い太陽われを照らす
子を守り子をいつくしみ生きし母 神は今何を思うか 
子のために生きこし年は九十五歳 神々我に何を求むる
神々と子子とすごし九十五歳 さかれし心身おきどころなし
名を呼びて目覚めし朝の 空しさは 体験無き人にはわからず
名を呼びてランチを楽しみし日々は 遠きものとなりにけり
名を呼びてランチ楽しみ過ごせしは 神の与えし時でありしか


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