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待ち人に手を振るように柔らかく橋に結ばれているストール/帆立みく

2022年4月23日(土)のうたの日7時部屋の題「橋」の短歌。

橋のたもとか橋の上で、落とされてしまったストール。そのストールを橋の通行人が拾った。ご丁寧に、橋の欄干かどこかにストールを結んでくれた。その結び方は柔らかいもので、引っ張ればすぐ解けるくらいだ。そのストールが風になびいているのだが、それが取りに戻ってくるであろう持ち主(待ち人)に「ここだよ」と手を振っているように見える。

第三句の「柔らかく」は、その「手」の振り方を説明しているとも取れる。ストールの色も柔らかなものかもしれない。

「振る」、「柔らかく」、「結ばれている」、「ストール」とラ行音が五音あることで、ストールが風になびいているさまを思わせる韻律となっている。

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