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それぞれの家を出てきた主題歌がサビのところで合う通学路/六厩めれう

2022年4月9日(土)のうたの日11時部屋の題「題」の短歌。

スマホなどで音楽を聴きながらの登校だとすると、高校だろうか。もしくは、高等教育機関への通学の場面か。

それぞれの生徒・学生が朝に家を出る。そのときにかける曲というのは、その日の気分にあった一曲だろう。初めての登校なら春らしい明るい曲、試験に向かうときは奮い立つようなハイテンポの曲、悲しいときは寄り添ってくれるような曲。

その日の1曲目に聴く曲は、その日のテーマに沿っている。そのため、その日の主題歌と言える。

一、二分ほど経ってサビに入る。そのとき、他の生徒・学生たちのそれぞれの曲でも同じようにサビに入っている。この歌では、「主題歌」が家を出てきたという表現になっていて、比喩の一種の換喩が用いられているところが肝だ。

生徒・学生たちが道端で「会う」ことを、主題歌がサビで「合う」と表現している。主題歌で始まるテレビドラマのようなそれぞれの生徒・学生たちの一日が始まる。

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