春風が水面に集めた花びらで完成させてゆく点描画/飛和

2022年4月15日(金)のうたの日17時部屋の題「春風」の短歌。

「春風」が「集めた」という動きのある出だしだが、「点描画」という静止として収めている一首だ。

お堀や池などの水面に桜の花びらが散って集まっている情景が思い浮かぶ。「点描画」となるには、川や湖では難しいだろう。

桜には限らないが、木に咲く花々が想像しやすい。春風で花が散るわけだが、花びらを水面まで運んでくれるのもまた春風だ。時の経過とともに水面の花びらの量は増え、集まる場所とそうでない場所とに分かれる。

ある程度花びらが集まったところを遠くから眺めると何かの模様をなしているように見える。しかし、よく見ると「点描画」であることがわかる。花びらの色と水面に映る木の影、空の色などが織りなす絵となる。

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