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「のはらうた」への返歌(自選歌集)

鼻風邪のノラネコの頬をくすぐればくしゃみひとつする霜月の午後

南天の実を揺さぶって北風よ吹きゆけ一目散に春まで

ウチらにはニャンニャンニャン(2月22日)もニャンサン(23日)もおニャじいちにち 爪をとぐニャり

白菜を割ればつぼみが顔を出し春の香りがしてくるような

寒桜の枝から枝へ飛び回るあなたはメジロ?それともウグイス?

線路脇の菜の花揺らし汽車はゆく私の心も揺れながらゆく

春の田の耕されるを待ちわびてみどりのうぶ毛さわわと揺らす

裏庭の土掘れば小さき世界ありピーマンの苗おじゃましますね

土手沿いに我も我もと手を挙げてそうだねみんなきれいね菜の花


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中学1年生の国語で習った、工藤直子さんの「のはらうた」

先生が、クラスのみんなを、実際に学校の外へ散策に連れ出してくれたのが、

とても印象に残っている。

つい1ヶ月前まで小学生だった私たちの、集中力の短さへの配慮もあったのかもしれない。

今でも暗唱できるのは、

たんぽぽ はるか の『ねがいごと』

習った時期とこの詩のイメージの強さで、

毎年春になると思い出す。


日課の短歌を詠みながら思い出していたのだけど、

実際に並べてみると思ってたのと違う。

工藤直子さんの詩は、徹底的に、

のはらの生き物たちの目線だった。

あまりにも見ている世界が違う。ただただ憧れる。

季節一巡り分詠み溜めてから、

リベンジしたい。


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