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[dual] #4 永遠

死よりも永遠が怖い。
生に対する嫌悪は、死を超え永遠への恐怖を生み出した。

死んだところで、魂が残るだとか、生まれ変わるだとか、天国でへ行くだとか、そういうのは死生観において何を信仰するか、でしかない。
確実な答えは誰も知らないからこそ、信じる者は救われるのだろう。
私は何も信じられない。
無であってほしいと願いつつも、完全に信じることはできないのだ。
信じるという行為は、とても強力で絶対的な力を持っている。
私はその力が欲しくて欲しくてたまらない。
そして永遠を恐れ、無を願いながら、日々永遠を求めている。
朝目を覚まし、ベッドから出て、ご飯を食べる。
全ての行為は死を避けるための行為であり、死を避けるということは、永遠を望んでいるようなものだろう。
ましてや幸福を感じると、この時間が続いてほしいと、永遠そのものを願ってしまうことすらある。

永遠を乞うことも恐ることも、同時に可能であるというのだろうか。
気づかぬ間に、盲目になっているだけだろうか。

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