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これからの観光について〜北上特任教授最終講義と静岡ファクトリー博覧会から考える

2/28、3/1に、観光を勉強する機会があった。

2/28 北上特任教授の最終講義の副題は、「持続的な観光産業の発展に向けて」であった。
・レベニューマネジメントとして、ホテルの価格設定を科学的(経営情報的)に行った。
・イールドマネジメントをもとにしたダイナミックプライシングがある。
・日本旅館の月間売り上げ予測モデルを構築するのに、マクロ数値として日銀短観を利用できないかと考えた。
・観光業界は景気の影響が大きいので、景気の先行きを予測できる説明変数として、日銀短観の全業種の値を利用したとのこと。(とくに、製造業の値が相関があるのは、縁を感じてしまう)
・その他、ラックレート理論モデルの構築など分析を行い、価格設定の戦略の方向性を定めた。最終的に、大型連休の最終日前日や三連休最終日の前日の対策は、「単価を下げる」「連泊プランの導入」などを行ったらしい。また儲かるところに力を入れることで、相対的に休むべきところで休めるようになり、働き方改革にもつながったという。
・サービス産業における3つのマーケティングタイプとして、企業ー顧客間はエクスターナルマーケティング(4P)、企業ー従業員間はインターナルマーケティング、従業員ー顧客間はインターアクティブマーケティングがある。
・マイクロツーリズムからグランピング、ソロキャンプ、アウトドアアクティビティ、ワーケーション、バーチャルツアー、ヒューマンツーリズムなど、新しい観光スタイルが出現している。
また、コロナ前と比べて、with/postコロナでは、域外にいるツーリストやデジタルツーリズム、対価を支払ってでも衛生面を確保したいと考える(安全安心)、感染防止などで拒否できる(客よりホテルが強い)、などの変化がある。
・そして数から質への転換として、現地での体験に関心が高いことや地元の良質な品々を購入すること。質(クオリティ)重視型の観光が始まっているエリアは、ハワイ、ブータン、インドネシア、ウガンダ、ルワンダ。「はずし旅(ずらし旅)」というものがあり、土地の本来持っている「隠れた資産」を発見し磨き上げることが重要だ。
・サービス品質の概念モデルとして、ギャップ分析モデル(5つのギャップ)がある。
・観光はマーケティング(=消費者目線)そのものである。狙うべきターゲット(=優良顧客)とその対策(=マーケティング戦略)を立てることが重要である。

私が興味深かったのは、観光客数予測の変数に、日銀短観を使っていた点だ。
最後に述べたのうに、観光業としては、観光はマーケティング的であると結論づける。

対して3/1 オープンファクトリーは
「燕三条工場(こうば)の祭典に学ぶ、ものづくり産業の活性化」と題した講演では、世界観は作り上げる人次第と言った。やっていることが変わらないのに増えた理由は、エリアの発信力が変わった、つまりいつでも工場にいらっしゃいという企業が増えた。
・工場の祭典のはじまりは、バスツアー形式と三条鍛治まつり(ワークショップを中心とした、体験レベルの出し物)だった。その二つがマンネリ化し、後継者育成塾と合わさった結果、工場の祭典ができた。それは、価値をわかってもらうためには、現場のこだわりを客に来てもらってわかったもらいたいという考えがあったという。
・まず、コンセプトと5ヶ条憲法を作ったという。
五感で体験してもらうことで、BtoBの企業の人も身近に感じられた。
・現代では、一人一人がメディアなので、知らなかった人にもリーチできる。
「成功」は、来客者数ではなく、
①移住(リクルート)が増え、子どもに職人のカッコ良さが伝わること
②設備投資して、開いた工場がある地域が生まれて観光の資源になること
③『現場の人の気づき(一人一人の行動の変化)の積み重ねが起こること』

・工場側のメリットとして、地域の人と仲良くなる。
・これからの観光は、体験がものを言う。伝統とは灰を崇拝することではなく、炎を絶やさないことである。
・静岡ファクトリー博覧会(ファクハク)は、協力してくれる人を募集中!

理念
人とまちと工場が出会い、ワクワクする未来をつくる
行動指針
・私たちは、ものづくりへの熱い情熱を燃やし続けます。
・社員とその家族の幸せを何より大切にします。
・地域の人々に工場を開くことにより、ものづくりの魅力を伝えていきます。
・静岡の、未来のものづくりを担う人を育てます。

2023/3/1 静岡オープンファクトリーキックオフセミナーより


二つの「観光」を比較してみると、観光業界はマーケティング(消費者目線)なのに対し、製造業界では製造者目線だという点が気になった。私が思うに、観光業の現代化前後の違いなのではないかと思う。現代化はマーケティング的要素を取り込んでいる。前だから後だからと言って善悪はない。祭りの段階でマーケティングだなんだといっても始まらないので、これからだろう。

今回の新しいこと
・観光に興味をもった
・ものづくりを新しい形で発信することを担う覚悟を決めた


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