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来年1月にタカハ劇団の公演やりたいんだけど、どうしたらいいと思う?①

はじめに

タイトルの通りです。
来年1月にタカハ劇団の公演をやりたいんだけどどうしていいのか分からない私、高羽彩の軌跡を記す連載を始めます。
この連載では、公演企画にまつわる様々な事を、なるべく包み隠さずお話しできたらと思っています。

劇場押さえてあるけど、どうする?

タカハ劇団は来年、2021年1月13日~25日まで、都内の某小劇場を押さえている。
正確に言うと、正式契約には至っておらず、まだ仮押さえの状態。
なぜ仮押さえなのかというとコロナ禍とは全然関係なくて、私がただただだらしなく「あ~使用申請書にサインしたやつ送らなきゃあ~(鼻ホジー)」とボンヤリしているうちに、世界が大変な事になってしまった。
それだけのことである。
もちろん、このような状況になってしまったので劇場側からも連絡が来る。
「来年1月どうしますか?」
「延期を検討されるという事でしたら相談に応じますよ」
申請書もちゃんと提出できてない私に、なんという優しいお言葉だろう。
本当にありがたい。
このあたりの劇場とのやりとり(キャンセル料や中止判断基準等)については、また改めて記事にしたいと思う。
が、とにかく、
「1月公演どうする?」これを考えなければならない。

現時点での私の考えは、
「公演中止になる可能性を大いに孕みながら、企画を進める」
という事だ。

公演中止を視野に入れながら企画を進める

この結論に至ったのは、私の性格に寄るところが大きい。
出来るか出来ないか分からないなら、出来る方にかけたいのだ。
それにまあ、「出来なさそうなので、はい、やめます」となってしまえば、二度と演劇なぞ出来ないような気がしてしまうからでもある。

あともう一つ。
これはあまり、大きな声では言えないんだけれども
正直……
正直な話……
リモート演劇全然頑張れないのだ……。

「リモート演劇全然頑張れない」問題

あ、頑張れない、というのは私の話ね。
主語は、私、高羽彩。
高羽彩の問題。
リモート演劇に取り組んでいる人たちを、揶揄したり、批判する意図は一切ない。
それどころか、ものすごく尊敬している。
「これを機に、新しい演劇の可能性を探りたい」
「表現でみんなに元気を届けたい」
「いても立ってもいられないくらい、表現欲が有り余っている」
等等等等等々……。
リモート演劇に取り組んでいる皆さんの意図は、様々あるだろう。
すごい……。
えらいよ……。
なにか、「正しい演劇人」を目の当たりにしている気がする。
「時代を作る才能」っていうのは、こういうときに生まれる気がする。
ブレイクスルーが起きているような気がする。
乗り遅れたらこのまま世間に忘れられていく気がする。
自分の演劇に対する熱意さえ、リモート演劇に取り組んでいる人たちと比べて霞んで見える。
やばい。
焦る。
頑張んなきゃ。
勉強しなきゃ。
見なきゃ。
わかってる。
わかってるんだけど。
全然その気が起きない。
リモートでなんかやってやろうという気が全然起きない。
人がやっている事をただ見る、それだけの気力も沸いてこない。

「創作意欲が足りないんだよお前は」
といわれればその通りだ。
「演劇人として意識が低いんだよ」
それもそうかもしれない。
「フットワークの重い奴はなにやってもダメだ」
社会の真理だと思う。
「だからお前という作家はいつまでたっても売れないし、オールナイトニッポンのパーソナリティも出来ないんだよ」
うんうん、まじそれな。ホントもう、その通りですよ。

でもしょうがないじゃん。
やる気、出ないんだもん。
やる気出ない事は、出来ないんですよ。
意識低いし、フットワークも重いんで。

そもそもなんで「演劇」なんだ

私、高羽彩の肩書きは、
「脚本家・演出家・役者」
となっている。
役者はほとんど出来てない。
脚本・演出とセットで現場に呼ばれる事はあるが、演出家のみの仕事はあまり経験がない。
私の生活を支えているのは「脚本を書く仕事」なのである。
私は、演劇の脚本以外に、アニメ、ドラマ、ゲームの脚本を書いている。
収入の大半を、「演劇以外」の脚本の執筆で得ている。
それでも私は、自分のホームは、演劇だと思っている。

理由はめちゃめちゃ単純で、
演劇の現場が一番楽しいからだ。
ギャラ安くてもまあべつにいいや~(よくない)と思えるくらい(とてもよくない)、演劇の仕事は楽しいのである。
アニメ、ドラマ、ゲームの仕事にも楽しさはあるし、もちろんその業界が一番楽しい!と思って働いている人たちのことを否定するつもりはない。
あくまでも私にとって、演劇の水があうという話である。

演劇の仕事の魅力は、何よりも「現場の近さ」だ。
キャストも、スタッフも、みんながひとつの現場に集まって、作品を作る。
そして、お客さんまでもが、同じ空間に、「現場」に現れる。
演劇の現場は小さい。
小さいから、すごく近い。
「ああしてみよう」がすぐ出来る。
「こうしてみたら?」がすぐ言える。
「おもしろいかな?」には、お客さんが目の前で答えてくれる。
頭の中で考えた事が、目の前でどんどん形になっていく。
それが面白い。
すごく楽しい。

私は稽古場が好きで、劇場が好きで、稽古が好きで、仕込みが好きで、本番が好きで、バラしが好きで、飲み会が好き。
だから演劇が一番好きで、演劇が一番やりたいのだ。

残念だけど、いまは、私の好きなものが全部、なくなってしまった。

リモート稽古も意義がある。
リモート呑みだって楽しい。
でもやっぱり今は、リモート演劇の為に頑張れないのだ。

とりあえず、話を進めてみよう

長々と書いてきたが、ようは
「どうせ頑張るなら、劇場でやる演劇の為に頑張りたい」
ということである。
中止になる可能性がすごく高かったとしても、劇場公演のためなら頑張れるのだから、頑張ってみようと思う。

ハードルはすごく高いと思う。
「コロナ後の世界」で演劇をやるという事がどういうことなのか、これから骨身に染みると思う。
お金もかかる。
リスクも「コロナ前」と比べものにならないくらいある。
人も集まるか分からん。
そういう障壁の一つ一つを、ここで記事にしていこうと思う。

「来年1月にタカハ劇団の公演やりたいんだけどどうしたらいいと思う?」

この問いに、どんな答えが出るんだろう。
読者の皆様のご意見も、いただけたら嬉しいです。

次回予告

次回は来年1月にやる予定の、新作のタイトルを発表します。


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