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私はこれでクビになりました

私はコレでクビになりました

 昨年、ある専門学校で非常勤講師をしていたら生徒から質問が出た。
「先生、ノーパンしゃぶしゃぶ事件って何ですか?」
 ※東京都新宿区歌舞伎町の高級ノーパンしゃぶしゃぶ店『楼蘭(ローラン)』が、大蔵省接待汚職事件で大蔵官僚接待の舞台の一つとなっていたことが発覚したことから、1998年(平成10年)に話題となった。
 私は上記のような一般的な解説をしておいた。すると、翌週に上司に呼び出され
「授業中に“ノーパンしゃぶしゃぶ”という言葉を使いましたね」
 と、注意を受けて非常勤講師をクビになりました。一発アウトだそうです。

 セクハラだそうです。ある女子生徒がチクったらしい。今や先生たちはコンプライアンスのため、何も口に出来ない状態。怒鳴ろうものなら、すぐクレーム。クレームを鎮静化させるためにはなぜかこちらが謝ることも。

「親うるさい」「低学力」といった生徒の個人情報記載の資料が札幌の市立中学から流出して大炎上。学校の先生たちも同じ状況。現役の教師たちは
「どこの学校でも作っている」
 と言ってもますが、実際そうですよ。専門学校でも
「あの子は親がアホだからどうしようもない」
「いいじゃん、どうせ“お客さん”だし」
※“お客さん”というのは講師同士で「授業料さえ払ってもらえたらいい生徒」という意味。

 多くの塾、予備校、学校では学力別クラスの最下層の子や“お客さん”の指導は新人講師かダメ講師(または、非常勤講師)が担当します。そして、問題が起こるのを待っている。トラブルが起こったら、生徒と講師丸ごと学校から追い出せるので好都合なんですよ。今や、塾や予備校(学校も)は学生アルバイトばかりだからクビにするのは簡単。学校も非常勤講師は簡単に切り捨てます。

 生徒も保護者もそういう事情をよく知っているので、以下のような事件も起きるのです。

動画は教師と生徒が口論しているところから始まるのですが、動画の最初に「Twitterで炎上させようぜ!」と言っていることから、生徒たちがわざと先生を挑発して暴力をふるう動画を撮影しようとしていたことが想像できます。

 塾、予備校、学校では、もはや「叱る」ことが出来ません。叱れば保護者からクレームがくる。上司はクビにしようと待ってます。教室内でも、カスタマーハラスメントに怯えるしかありません。こんな腐った生徒、上司、保護者のために自分の職を失うリスクを負う講師はいません。
「勝手にFランに行って地べたを這いずり回れ!」
 と、見捨てるしかありません。

 学校が崩壊してから、マトモな生徒は日本に絶望して脱出し始めました。頭脳の流出はもちろん、アスリートも芸術家も一流の人はみんな日本を出てゆくのです。

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 もちろん、生徒だけではありません。講師にも問題が多い。塾なんて、山ほどありますが有能な講師が山ほどいるわけがありません。教員採用試験の倍率が2倍を切ってしまい、本来教師になってはいけない人も教壇に立つ時代。教師の不祥事も珍しくない時代。

 現実は、ドラマのようにはいきません。もはや、カオスと言ってもいい状況。まともなのは、各地区のトップ校くらいでしょうか。カオスの社会に出てゆくのだから、これでいいのかもしれませんけどね。

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