下顎呼吸は「かがくこきゅう」と読む。 臨終が近づき、口をパクパクしてあえぐようにする呼吸のことだ。陸に揚げられた魚の口に似ている。 母の下顎呼吸が始まってから、…
髙木 ナオミ
2019年2月20日 20:30
下顎呼吸は「かがくこきゅう」と読む。臨終が近づき、口をパクパクしてあえぐようにする呼吸のことだ。陸に揚げられた魚の口に似ている。母の下顎呼吸が始まってから、5時間が経過した。呼吸の回数が減ったため、鼻に酸素チューブが装着された。途端。呼気、吸気がなくなった。口はパックン、パックンと動いているのに。「息をして」「お母さん」「息を吸って、吐いて」母の口は、開いたまま止まってしま