脳内旅行をもう一度

僕の頭の中の旅。
過去を懐かしみ、反芻する。

今日はベトナム中部のあの村だ。

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砂の鳴き声を聞いた。
足を踏む度にキュッキュと鳴くんだ。

ここはベトナムのダナンから40分程度バイクを走らせたところにある、ランコービーチ。
砂の粒子があまりに細かくて、踏みしめると砂が軋みあって音を出す。
いわゆる鳴き砂というやつだ。
履いていたサンダルを脱いで裸足で歩くと、砂の軋みが皮膚を通り過ぎ骨に響く。

シーズンじゃないからなのか、広いビーチに数人の欧米人の家族がいるだけだ。

海の青さ、砂の白さは沖縄に勝ることはないが、この広さの砂浜を贅沢に堪能できるのは沖縄ではもう味わえない。

ダナンに入って以来、何度めだろうか。
海を眺めて物思いに耽る。

旅の思い出とこれから、
将来のこと、
見送ってくれた人たち、
待ってくれている人たち、
旅中に出会った人たち、、、

頭の中をいろんな絵が行き交ったのも束の間、いつの間にか絵面はぼんやり朧いでいく。
余計なことは考えない。
海があって、砂浜があって、僕が居て。
それだけになる。

僕はこの感じが好きだ。
幾度となくこの感覚を言葉で表現しようとしたけれど諦めた。
言葉にした瞬間からつまらないモノになってしまうから。

感情なんてそんなモノ。
誰に共有する必要のないモノは僕の胸の中だけにしまっておこう。

でも…
果たして、この優しい感情は、僕の中に、蓄積されているのだろうか。
雪のように地上に降り立った瞬間に溶けてしまうような。
時間が経てば消えて無くなってしまうんじゃなか。
忘れてしまうんじゃないか…

それもいい。
ならば尚更この儚い瞬間と感情を愛おしまないと。

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物思いに耽ながら、物思いに耽ていた日を思い出す。
なんだかんだ平和な一日だ。