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短編小説の夜【ただの日記】

 地元の新聞の短編小説賞に応募する作品が、やっと書き上がった。
 ずっと通勤のバスの中でスマホに書いていたので、Wordに起こさなくてはならない。しかし、家にパソコンはあるが、Wordがない。
 そこで近くの快活CLUBに行くことにしたが、いかんせん子どもがいる身なので、自由に動くことはままならない。そこで、子どもが寝てから夫に留守を預けて行くことにした。

 まず難儀したのが、ページ設定である。
20×20だと間隔が開きすぎて読みづらい。適切なフォントサイズと空白にして、読みやすいページを作るのに1時間かかってしまった。普段会社で事務員としてOfficeを酷使しているのに、由々しき事態である。
次に苦しんだのが、文章量を削る事だ。
規定では「原稿用紙13枚分」で、それだけを考えて5200文字を目安に書いていたが、Wordに起こすと16枚分にもなってしまった。
 焦って文章を削る削る。「この文を消したら分かりづらいかも」「この表現は気に入っていたけど、いらないっちゃいらないな……」唸りながら原稿を作り、結局3時間パック終了10分前に投稿を終えた。
 ネカフェに来たというのに、飲み物を一杯しか飲んでこなかったな……と反省する根っからの貧乏人気質である。ともあれ、投稿出来て一安心だ。
 短編小説は書くのが難しい。
この応募規定の文章量だと、一つか二つの場面で構成されるぐらいがちょうどいいのだろう。しかし出来上がった小説は、その少ない量の中、四回場面転換する。そういう構成しか思い浮かばなかったのは、まだまだ修行が足りないのだと思う。でも、書きたかったテーマだったのでよしとしよう。

夜の道はとても空いていて、日中15分前かかるところを5分弱で帰宅した。夫は寝そべりながらナイトスクープを見ている。平和だね。
私も寝転んで、出来た原稿をもう一度スマホで読み返していると、寝ているこどもが泣いて起きてきた。
 どうやら鼻が詰まって「いずい」らしい。
 いずい、とは東北や北海道で話される方言で、標準語にすると「違和感がある、変な感じ」といった感じだろうか。でも「いずい」は「いずい」だ。それ以外に言いようがない。
 玉ねぎを切って枕元に置くと、硫化アリルの効果で鼻の通りが良くなる。実際に今まで何度も枕玉ねぎに助けられてきたが、夫は「それほんとに効いてんの?」と半信半疑だ。どうやら、寝室が玉ねぎ臭くなるのが嫌らしい。でも、息子の安眠のためには折れて下さいませ。

 そんな訳で、今これを玉ねぎ臭い寝室で書いている。
夫が隣の部屋でフォートナイトをしている音と、息子のズビズビという鼻息の音のせいで、私はしばらく眠れそうにない。
 とりあえず一次選考通りますように。南無三!

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