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【北海道の田舎者視点のベストコンサート-国内編 2/5】 ーブルックナーへの扉を開いてくれたのは小澤征爾さんだったー


前回、私が小学校2年の時に小澤征爾さんや私の両親がクラシック音楽に目覚めるきっかけを作ってくれたことをお話しさせていただきましたが、その小澤征爾さんが新たなクラシック音楽への扉を開いてくださったことを今回は取り上げます。
1999年、私が22歳のときですが、とうとう生 小澤征爾を見る機会がおとづれます。仕事で東京に行くことになりましたが、ちょうどその時に小澤さんが振る新日本フィルの演奏会があることを知り、血眼になって電話をかけまくって(当時はまだネットでチケットを買う時代ではなかったので)やっとのとこでチケットをげっと!でも演目がブルックナーの2番・・・。その時の私のブルックナーの印象は朝比奈隆さんで、本当に申し訳ないのですが「激しい演奏に疲れたお年寄りが好んで聞くもの」というものでした。(今考えれば本当に失礼。)本当は小澤さんのブラームスを聴きたかったのですが、しょうがありません。食わず嫌いのブルックナーのCDを、当時私の地元である北海道帯広市にあった玉光堂というレコード店で買いました。ジュリーニ×ウィーン響のCDです。初めて通してブルックナーを聴いて、「なんじゃこりゃ!」となり、すっかりハマってしまいました。
演奏会当日、当時会場のオーチャードホールの周りにはダフ屋が結構いて、「小澤征爾あるよ〜」と言いながらチケットをチラつかせ法外な値段で売っていました。「都会は怖いなぁ」と思いながら、とうとうコンサート開始。小学校2年からのファンの小澤征爾さんが目の前にいる!本物だ!そんな感動にうるうるしがら、例の小澤さんの息遣いがピンと張り詰めた空気を貫きます。ブルックナーは地鳴りが鳴るほどの迫力と、一瞬たりとも気を緩めることを許さない妥協のない演奏で、私はすっかり腰抜けに。ずいぶん後になって知るのですが、小澤さんはブルックナーの1番とか2番といった初期の作品がお得意だったんですよね。
あれ以来です。ブルックナーにすっかりハマったのは!誰だ?「年寄りの音楽」なんて言って馬鹿にしていたのは!当時の自分を戒めたいです。
小澤征爾さんがいなければ、ブルックナーにも出会えなかった。ゾッとします(笑)

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