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眉の歴史と経済史

歴史は繰り返されるというが、化粧はどうだろう?化粧のトレンドを振り返ってみると時代背景と連動する共通なことはないだろうか?

そんなことを深堀してみた。

太眉、細眉というトレンドワードがあるが、今は徐々に細眉に移行してきている。細い眉が流行る時は XXX、と太い眉が流行る時はXXXなどと言われるがメイクの理論からいうと、

細眉のイメージは繊細で、女性らしく、華やかで、少し寂しげで、か弱い

太眉のイメージは健康的、意志ある、エネルギッシュ、元気、強そう、

などの一般的な印象を持たれる。

この細眉が流行る時代を遡ってみると、ある共通点が見え隠れする。

それは何か、時代が不安定な時、不景気な時だ。

これはよく耳にすることかもしれませんが、なぜ細眉が流行る時には不景気なのか?

これはなかなか記載されていないので深堀してみました。

まず、アムロちゃんの細眉がトレンドになった90年代後半から2000年初頭にかけて、バブル崩壊後に訪れた平成時代の不況の総集編とも言われる時代である。

さらに遡る細眉時代

1970年代の細眉時代 オイルショック、

さらに遡り

1920年代 細眉時代 世界恐慌

1700年代後半(こちらは特権階級、貴族階級の化粧にはなりますが)細眉、これは1900年代の細眉というよりも、色白に見せるといった効果で細眉にしてました。

<眉の移り変わり>

上:古代 〜 1930 中:1930−1970 下:1980−2020

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このような大きな流れの中でも繰り返し細眉トレンドが出てくるのはなぜか?

これは心理的不安要素から細眉になったと言われていますが、

一方で、経済的自立が困難な場合庇護してもらいたい、そんな心理的欲求が働くのも自然です。

化粧とは戦略的表現ツールでもあります。

他者への表現として、か弱い、はかなげさを、守ってあげたくなる、などの相手への心理的印象効果もあるのではないかと考えています。

自然と男性心理としては、そんな女性達を見て庇護したくなったりしたのでしょうか。

実際女性が経済的自立ができるようになったのは、ほんの近年の事。日本では男女雇用機会均等法が制定されてから30年。まだまだ最近のこと。

実走して世間に行き渡るまでにさらに時間を要しているのが現実。

なので女性が無意識に、か弱い、庇護される、儚げさを化粧で施すという無意識心理を文化人類学的検知からも推測したいものだ。

1929年に起こった世界恐慌で世の中は混沌とした。あの時代に人気が出たマスコットはベティちゃん。細い眉と少し下がった眉(困り顔)に大きな目。長いまつ毛をパチパチさせて、ボディラインがはっきりしたベティちゃんは当時の女性をモチーフとした、いわばアイコニックなキャラ。見方によっては媚びたようにも見えるベティちゃん(私はベティちゃんは好きですよ)女性の美トレンドは少し排他的でか弱いものが良しとされた。

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時は中世、貴婦人たちはパーティーに出席する際は、肌を真っ白に鉛で仕上げ、そのうえ、静脈を描き、気絶する香りを小瓶に忍ばせ、意中の相手の前では倒れて見せる(気絶する)演出までしていたそう。それを抱きかかえる紳士、という設定。元気である健康であるというよりもか弱く、儚げが美であるという時代が一定の周期であるというのは面白い。

では現在、時代は太眉から細眉に移行している。感度の高い10代から20代の子は細眉にしている。しかも剃ってはいけない部分、眉弓筋の上にある眉も剃り、困り眉にしている。。

涙袋の巨大化も進んでいるし、少し困ったお人形のようなメイクに。

もしくは地雷系メイク。どちらにしても健康的な太眉からシフトしているのだ。経済の不安定さと同行するかのように。

もちろん、女の子たちはそれを認識してメイクをしているとは思えない。でも無意識の高度なアンテナが働いているとしたら?

まだまだ若く、経済的な自立が難しい若者はヒナのような立場。無意識のアンテナがトレンドとして細眉方向に流れていくのはそれはそれで納得してしまう。良い悪いの話ではなく、それはあるよね!?っていう俯瞰した見解です。

健康的なメイク、儚げなメイクどちらも交互にトレンドがやってくる。歴史的背景からしてもそう。

ちなみに古代ギリシアでは自然は化粧がトレンドでした。

化粧とはその時々の社会文化を反映し変化していくもの。そんな俯瞰をしながら化粧の移り変わりを見ると、次の経済傾向も見えたりするのかな?

メイクのトレンドから予測しても細眉はしばらく続きそうです。

Makeup is fun/Beauty is power







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