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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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映画「イミテーション・ゲーム」プロット抽象化 プロット制作に使えます

●全体の特徴

・額縁系の構成。

・主人公の動機づけの紹介が二幕に入ってちょっとしてからある。

・物語が大きく動く前の緩急が上手い。
(対立or失敗。うまく行かない、タイムリミット近し→問答中のヒント。ちょっとした仲間との団らん、そこにヒントを見出す→PP。緊急で仕事へ戻る)66%辺り。

出し惜しみしない。謎や割と尾を引けそうな伏線もすぐに回収。

・偽のクライマックス(セントラルクエッション達成)のあとにさらに大きな感情的な問題(ヒーローの選択)。

・シェイプシフターがいる(支援者→敵)

・細かく分けすぎた感ありますが、サブプロット7個くらいで考えてみました。

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※メインプロットは●、サブプロットはSやSH(ヒロイン)、S過去、と表記
※コミックリリーフはCと略

●プロローグ
 S0【死の臭い】
・現在の主人公。絶望した様子で、取調室で刑事へ、過去を語ろうとしている。

●掴み(ここから話のメインになる過去へ)
・主人公の家に強盗が入る。警察が入ると、主人公は強盗などどうでもよく夢中で何かしている。隣人が通報したと会話でわかる。
主人公は皮肉を言って警察、刑事を苛つかせる。

 S2【冒険の誘い】
刑事は追い出されるが、盗まれたのに何も言わない主人公を不審がる。
※面白そうな謎で掴み

5%

●セットアップ1
・戦争の日常。子供を疎開させている大人たち。主人公は疎開する子供たちを同じ電車に乗っている。どこかへ向かう。
 S1【冒険に行く】
・部屋で待っているとお偉いさん(面接官、中佐)が現れ、会話で就職の面接が行われていると分かる。なんの面接かもわかる。(戦争中の軍の面接)が、全く適してない。

 S1【食らいつく】
・話にならなくて追い出されそうになるが、相手の欲しいものを答える(エニグマの解読)自分なら力になれると訴える。面接官(中佐)は主人公を一応受け入れる。
※冗談が挟まれながらの会話なので見ていられる。

10%

●インサイティングイベント
・主人公以外にも有能な人物が集められている。問題がどれだけ難解か、面接官(中佐)から説明がある。
・主人公と同じような有能さを見せつけるライバルもいる。しかもそいつがリーダー。主人公はチームではなく一人でやりたいと反発。

 S1【プロットポイント1】
・チームでやれないなら辞めてもらうと言われ、仕方なく条件を呑む。
・ここに支援者(MI6)もいて、初邂逅。


●問答、準備
・問題(エニグマ)の難解さを再び紹介。
・チームとなじめず対立してしまう。主人公に反抗的なつもりはないが、口は悪いし人付き合いが下手で、輪に入れない。主人公は気にせず孤独に仕事を続ける。

18%

 S2【食らいつく】
・冒頭の警察(刑事)が、主人公の事を調べている。機密事項が多く、ますます刑事は主人公が気になって調べていく。

●門番
 S1【ピンチポイント1】
・なにかに急いでいる主人公。上司(中佐)の元へ。チームが自分の要求を却下すると苦情。チームは主人公の苦情先に正当な方法で行っている。主人公だけの秘策で中佐に問題解決案を提示(ぶっとんでいるもの)。
突き返されてしまう。中佐は冗談で解決案を出す(絶対に無理だが、もっと上の人物に掛け合えばいい。)

 S1【ミッドポイント】
・主人公は冗談だと思わず強硬手段を取る。支援者に相談。すると上に人物がOKをだし、まさかの承認。主人公はチームのリーダーとなる。
主人公は気に入らないメンバーをすぐさまクビにする。非難を浴びまくるが、意志は曲げない。
C:(冷酷なことをしたあとなのに)「学校で人気者だったろ?」

 S過去【セットアップ】
(主人公の過去回想)※前のコミックリリーフが導入になっている。
・不憫な主人公。性格のせいでいじめられている。物語の問題解決に取り組む動機づけにもなっている。助けてくれた人物が一人だけいたことを紹介。
(回想終わり)

25% プロットポイント1 幕転換
☆セントラルクエッション……主人公(達)は敵の暗号を解くことができるか

●セットアップ2、お楽しみパート
 SH【セットアップ、冒険の誘い】
・人員不足で主人公へ文句を言うメンバー。なら集めよう、と奇抜な方法で集め出す(難しいクロスワードを求人広告に載せる)
・奇抜な方法に色々な人がそれに挑んでいるシーンと、その最中に空襲が来ているシーンを同時に見せる。
・空襲が開けるシーン。奇抜な方法で何人か集まる。主人公は第二の試験を課す。

 SH【食らいつく】
・一人遅れて登場(ヒロイン)。揉めるが、主人公が試験を許可する。試練は主人公ですら難しいものだと側近と話しているが、ヒロインは解いてしまう。
 SH【インサイティングイベント】
・合格者は2名。何をするのか伝える。仕事について一切口外してはならないことも。

30%

 S過去【セットアップ】(過去回想)
・友人と話していて、主人公が今の問題に興味を持つきっかけを紹介。(君に向いてると思う、と暗号に関する本を借りた)主人公はこれに大変興味を持つし、うれしくも思う。
※動機づけ
(回想終わり)

 SH【問答】
・主人公の秘密兵器の準備が進み、試験に合格した新しい人員も来る。しかしヒロインがいない。主人公はヒロインを迎えに行く。
C:主人公はヒロインにしか興味がない

 SH【プロットポイント1】
・ヒロインは家にいない。C:勝手に上がり親と話している。
ヒロインは採用を断る。主人公は彼女が有能なので、なんとか誘い落す。(家族に嘘の職業を紹介しつつ)
〇リアクション
・「何故そんなに自分を?」と尋ねる彼女へ、友人に言われて背中を押された言葉を投げかける。(※ラストでヒロインからこれを言われる、伏線)

 S2【プロットポイント1】
・刑事のシーン
どんどん調べ上げていて、主人公が敵のスパイではないか、と勘違いで疑い始める。その納得いく理由も上司に報告。上司は刑事の背中を押す。

 SH【セットアップ2】
・ヒロインが主人公の元へやってくる。表向きは親に紹介した嘘の職業で(機密なので)。チームの仲間達も知らない。

〇次のシーンの直前伏線
・主人公達の問題の大きさをまた紹介(食料危機)

 S3【インサイティングイベント】
全く作戦はうまく行かず、元リーダーがうんざりしてキレ散らかす。手伝わない主人公も、主人公が作っている秘策(解読機械)も壊そうとする。まだ冷静な仲間が止めるが、その仲間からも主人公のせいで自分たちは成果が出せないと非難。それでも主人公は秘策に固執する。激しく対立

 SH【お楽しみパート】
・主人公は深夜、秘密裏に仕事を持ち出しヒロインの元へ。
※国家機密で持ち出し不可なので、ばれるかばれないかのサスペンス
ヒロインに助けを求めつつ、自分の夢も少し語る。過去回想に関するもの(万能機械を作る)
秘策の機械に名前を付けている(ラストの伏線)

●ピンチポイント1
・仕事場に戻ると、荒らされている。上層部(中佐)が主人公がスパイかどうか疑っている。証拠は何もないが、これまでの態度がすべて裏目に出ている。(家族も友人もいない)
※味方にスパイがいる伏線

40%

 S3【問答】
・ヒロインと会う。主人公の孤立している噂を聞いている。二人でいる時にチームにあう。彼らに協力を得た方がいいとアドバイスする(ヒロインの身の上を絡めて、説得力あるように)。
 S3【作戦】
・主人公は不器用ながら、チームへ近づこうと努力する。プレゼントをして仲良くなろうとするところを見せる。

 S過去【アイテムを得る】
・友人が現在取り組んでいる問題に関する手紙をくれる(暗号文)。それを解く。なんてことない内容だが、主人公は友人への想いと問題解決(暗号を解く)への喜びを高める。
(回想終わり)

 S3【プロットポイント1】
・ヒロインといる所、元リーダーがヒントを持ってやってきてくれる。
C:徐々に仲良くなっている
・それを秘策に試してみる。しかしうまく行かない(時間がかかる)

〇S3のリアクション。次のシーンの直前伏線。
・敵が迫っているシーン。(ドイツの進軍)
・うまく行かなくてうなだれる主人公(リアクション

 S3【ピンチポイント1】
・上層部(中佐と部下)がしびれを切らしてやってくる。結果を出せないので秘策を途中で止められる。主人公は必死で反論するが、成果を一つも挙げられていないことを責められて何も言えない。主人公はクビを言い渡され、絶体絶命。
チームの仲間が止める。手伝った秘策に可能性を感じていて、期限付きでなんとか主人公のクビを守る。(半年で成果を出せなかったらクビでどうですか→一か月で出せ。出せなかったら全員クビ)

 S3【ミッドポイント】
最後に冗談も交え、仲間と酒も飲む。上層部が云う、主人公がスパイだということも信じていない。それは疑われた時のエピソードで確信している。
※スパイ発見の伏線
ここで仲間と完全に腹を割る。

52% ミッドポイント 二幕後半へ

●忍び寄る悪者
 S2【アイテムを得る】
・警察側が主人公を別の小さな罪状で逮捕できることになる(同性愛者、バイ?に近い。当時のイギリスでは違法)。
※この罪状は主人公の秘密であり、ここで視聴者に知らせる。
・しかし刑事は主人公がもっと大きなことに関わっていると確信しているので真実を知りたい。そんなことで逮捕したくない。刑事は上司に頼み、二人で尋問させてもらえることに。

 SH【ピンチポイント1】
・ヒロインが家庭の事情で仕事を止めるという。それを止める術と、主人公の気持ちが一致していて背中を押される形になり、二人は結ばれる(独身だから帰ってきて旦那を探すように言われていたので、夫が居れば仕事をやめないですむ)
・結婚を打ち明け、ヒロインと仲間で食事を楽しんでいる中、主人公は浮かない顔。仲間がそれに気づき、主人公の問題も知っていたと言い当てる(同性愛者でもある)。
隠すかどうか相談。仲間は違法な事でもあるし、隠しておいた方がいいという。主人公は本気でヒロインの事も好きなので、悩む。

60%

 S過去【ピンチポイント1】
・親友に告白しようとしていた主人公。しかし親友は現れない。

 S0【闇夜を彷徨う魂】
・現在のシーン(ここは冒頭のシーン、物語の題名回収にもなっている)
刑事につかまって、尋問を受けるシーン。刑事は主人公を調べ上げているので、事件もそうだが才能についても興味を持っている。主人公は才能に関係した方法で尋問に答えていく。(チューリングテスト)
主人公は刑事の知りたいことを話しだす。(内容は見せない)

●ピンチポイント2
 S4【問答、デス】
・主人公とチームの仕事シーン。タイムリミットが迫っているがうまく行っていない。一度全員で食事へ。そこにヒロインの同僚もいて、仲間が口説く。その同僚は暗号に関係している仕事をしている(通信士)
C:主人公、空気が読めない

 S4【準備】
・口説いている最中に出てきた冗談に、ヒントを見出す(会話に矛盾を発見し、ドイツ軍の通信に法則性を見出す)
・主人公は急いで仕事場へ。チームの仲間も急いで追う。

●偽のクライマックス(セントラルクエッションの達成)
 S4【プロットポイント1】
・ヒントをもとに続々と的確な作戦が思い浮かぶ、それを秘策(機械)で試す。
・問題の解決(エニグマ解読に成功する)
※主人公にしかわからないもので、成功するかしないかの緊迫したシーン。

72%

●死の臭い(※良い事の後は悪い事)
・作戦成功(解読)により、犠牲が出ることを予知できる。しかしそれを救ってしまうと、これまで頑張ってきた秘策が台無しになる。
・「英雄の選択」展開。(数十分後に旅客船が襲われることを知る主人公達。助けることができるが、ドイツ軍にばれて今後秘密兵器が使えなくなる)
・仲間の一人の家族に、犠牲になるものがいる。連絡するようにチームへ頼むが、苦渋の決断で連絡はせず、仲間の家族を見殺しにする。

75%

●闇夜を彷徨う魂
・この犠牲により、深く沈む環境(イギリス)。
・その中、どこかへ向かっている主人公とヒロイン。支援者(MI6)に会う。秘策の精度を上げるためにはもっと時間が必要なので、バレないように情報統制をたのむ。上官(軍部)は主人公をクビにしたいので、変に動けない。支援者は少し問答するが、了承する。

 S5【忍び寄る悪者】
・仕事中、主人公は家族を殺された仲間と不穏。その最中、秘密を握っている仲間(同性愛者)の、秘密をふとした時に知る。
・主人公がスパイを疑われたときの証拠がその仲間から見つかり、その仲間が二重スパイだと知ってしまう。「バラせば主人公の秘密もばらす」と脅され、主人公は問答。

80%

 S5【ピンチポイント2】
・どうしたものか憂いながら家に帰ると、支援者がいる。ヒロインにスパイ容疑がかけられていて(過去に仕事を渡していたので)、主人公は本当のスパイを知っていると話す。しかし支援者はスパイを知っていて利用していた。支援者は主人公がスパイだと怪しんでいて、身辺を探っている。

 S5【死の臭い】
・主人公は支援者が信用できずヒロインを逃がそうとする。遠くへ行かせるために、自分の問題も打ち明ける(同性愛)。仕事のために必要で、好きでもないと嘘をつく。ヒロインと喧嘩するが、それでもヒロインは出ていかないことを宣言する。恋人関係は終わるが、仕事は続けてくれる。

86% 3幕へ

●クライマックスの準備
・現在の語り口で、その後も酷い選択をしながら、今は戦争が終わったことを語る(エニグマ解読に犠牲を払わなければならなかった)
・問題が片付き環境は平和に(戦争が終わり喜ぶ国民)。
・任務達成で主人公とチームは仕事が終わり、集められている。支援者からこれまでの資料や機械、記録を全て破棄し、二度と関わり合わないことを誓わされ、チームは解散(極秘事項なので)。

 S0【プロットポイント2】
・前のシーンまでのことを現在の主人公が刑事に語っている。刑事に自分の判決をせまるが、重すぎて刑事には判断できない。ノックが鳴る。

90%

 S過去【ミッドポイント】
・ノックして校長室に入る学生の主人公。前回の回想で、親友が現れなかった理由を知る。病気で亡くなっている。秘密を隠されていてショックを受ける(結核だったが、主人公には言っていなかった)。
※親友名前が、機械につけていた名前と同じだとここでわかる。
(回想終了)

●新しい価値観への攻撃
※古い価値観(親友)に固執して、結果的に酷い目に遭っている主人公
・壊された機械を家に置き、うなだれている主人公。
・刑事、主人公が小さい方の罪(同性愛者)で起訴されたことを新聞で知る。
・主人公の罪を弁護しようとヒロインが訪ねるが、様子がおかしい。主人公は機械と離れないために、悲惨な契約を交わしている(強制的にホルモン治療、人権侵害的な薬物治療を受けている)。

95%

●クライマックス
・主人公は不安定で、機械(つまり親友)と離れたくないと泣き崩れる。ヒロインはなんとか元気づける。
※落ち着かせるようにクロスワードを提案。ヒロインは新しい指輪をしている。「君はすべてを手に入れたね」「あなたは普通では出来ないことをしたわ」
・ここから主人公の問題の肯定と、初めて仕事に誘ってくれた、親友に言われた言葉でもある殺し文句で背中を押す。(「あなたが普通じゃないから世界が救われた」「誰も想像していないような人が時に想像できない偉業を成し遂げる」)
・主人公は一応納得し、機械を見てほほ笑む。


終幕。

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