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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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映画「英国王のスピーチ」プロット抽象化 プロット制作に使えます

●全体の特徴

・主人公が逃れられない運命を背負っていて、枷がそれを邪魔し、枷を克服しようとする話
・賢者キャラとのサブプロットもほぼメインみたいな扱い。

※メインプロットは●、サブプロットはSと表記。
※賢者キャラのサブプロットはSB(バディのB)

●掴み 『枷』による大失敗から始まる
S1【忍び寄る悪者】
・重要な任務直前の主人公。緊張しながら待っている(C:シリアス中に「ガラガラガラガラ」とうがいする)
・周りが励ます中、任務開始の時間がどんどん迫る。アナウンスがあり、お膳立てが凄くハードルが上がっていく。

S1【ピンチポイント2】
・ついに任務の場に立つ主人公。誰もが緊張するような状況。(C:途中静かな時に馬が鳴く)

S1【死の臭い】
全くうまく行かず、周りも残念な雰囲気。主人公の「枷」により大失敗。

約5%

●セットアップ 『枷』に悩む主人公
S1【闇夜を彷徨う魂】
・枷の治療シーン
怪しげな治療を施されている。(C:口いっぱいになにかを詰め、「もっとよく喋って!集中して!」的などう考えても無理なことを言われる)
馬鹿にされているように感じて主人公は出ていく。(C:飲み込みかける)
支援者に愚痴と弱音を零す。

SB【インサイティングイベント】賢者登場
・支援者がなんとかしようと、枷を治療できる人物を尋ねる。
・賢者はトイレから出てくる(C:普通に出てこない)妙な挨拶をする(伏線。シェイクスピアの台詞。あとで賢者は役者を目指していると知る)
・賢者は治療には本人を連れてきて欲しいという(支援者は主人公の身分を隠している)
・賢者のやり方でやる、というが主人公の身分上それに従えない。(国王なのでおいそれと来られない)
※一筋縄ではいかせない
・断られてしまうので、支援者はすがる思いで主人公の身分を打ち明ける。
賢者はそれを信じるが、やはりやり方は変えない。支援者は仕方なく条件を呑む。
※賢者をどこで知ったのか、珍しい治療法であるとかの説明が一瞬ある

10%

SB【準備】
・賢者の準備パート
食卓で家族に秘密の依頼が来たことと、自分の夢も語る(役者になりたい、これは伏線)。あまり家族からリスペクトされていない。

●冒険の誘い → 拒否
・大事な人からのお願いをされる。枷で遂行することは厳しいが、なんとかやりきる(娘から寝る前の本を読んで欲しいと言われる。短い話だがなんとかやり遂げる)
・主人公は大事な人のお願いの後、支援者と今後対立要因として出てくる人の話をする(対立のありそうな人物)。その会話の流れで主人公は支援者から賢者を紹介されるが、「終わった話だ」と断る(冒険の拒否)

SB【問答】
・夢を叶えるための舞台(面接)にくるが、あっけなく失敗。

●門番
・支援者が主人公を連れて賢者の元へ
主人公は賢者を訝しげに考えている。(C:どんな人物だ? ソ連共産党かも。と脅かす)
・出迎えが来る(最初賢者ではなく、患者が出てくる予想外の展開)
・主人公は賢者の領域へ(治療室へ)。

20%

●インサイティングイベント。試練。
・治療開始。身分の違いで少し対立(主人公は王族で振舞おうとするが、賢者は対等に振舞おうとする)
・賢者は質問をしながら徐々に「枷」の症状を紐解いていく。「枷」の原因を探ろうとする。
・主人公は相手を信用していないので質問の度に癇癪を起こす。
(C:途中でお茶がわく。「少し蒸らす」)※癇癪と沸騰を暗喩している
・試練開始。※賢者は試練を課すもの
・賭けをして、賢者が勝てば治療続行、主人公が勝てば治療修了(どう考えても賢者が不利な賭け)

主人公は【拒否】 賢者は【食らいつく】
・この試練をすぐに投げ出そうとする主人公。賢者は無理にやらせる。
・賢者は秘密兵器を使う。相手に対して遠慮のないもの。
・試練は終わるが、主人公はどうせダメだと思い結果を聞かずに逃げ出す。賢者は秘密兵器から得たアイテムを渡して、主人公を見送る
・待っている支援者に主人公は「あいつもダメだ」と告げて帰る。
・すぐあとに賢者だけのシーンで「しくじったか……」
と視聴者に失敗を仄めかす

●問答
・主人公は父に「枷」の克服を厳しめに指導される。その中で自分の状況の説明や、賢者の夢(役者)の比喩などが出てくる(王室は卑下た存在になった。国民の機嫌を取る「役者」だ)
・まだ安全地帯にいる主人公が物語に引き込まれそうな伏線がある(王位継承者の兄の、王としてよろしくない女性の好み。時刻を脅かす情勢。兄がダメだから主人公がやるしかないんだぞ、と強めに説教)
・その後、枷克服の指導で絞られまくる

●プロットポイント1 SB【プロットポイント1】
・主人公は父にこってり絞られた後、部屋で凹みつつイライラしながら音楽を聴いている。
・賢者から貰ったアイテムを思い出し、半ばヤケクソで聞いてみる。それを後ろで支援者がたまたま聞いている。
・しっかり枷が克服できている。

30% 2幕へ

●お楽しみパート、セットアップ2
・賢者の元にいる主人公と支援者。
・賢者と交渉でもめる(条件付きで治療は受けたい。個人的な質問はなし。催しに出席してもらえるか、など。賢者は一応条件を呑む)
・治療開始。ちょっとコミカルな治療をしつつ、どこかで枷を披露するシーンとカットバックで見せ、徐々に良くなっている事を見せる。

36%

S2【日常が破壊される予兆】
・問題の兄と会う
兄の気質を見せるように登場(自家用の飛行機で飛んでくる、自由人)。兄へ(視聴者にも)現状の問題を話す。二人の状況が一変しそう。(父が危なく、王位継承がはじまるかも)
・兄が来たのはその現状の問題のせい(父の体調がヤバい)
父が国務を行える状態ではなく、執行する人が変わる。(前のシーンでは威厳があったのに、すっかりボケてしまっている。※時間経過を知らせている)

S2【インサイティングイベント(兄の)】
・兄を食事に呼びに行く主人公
・兄は恋仲の女性と電話している。
・食事の席に戻ると、母親が父のもとに呼ばれる。危篤

S2【問答(兄の)、プロットポイント1】
・主人公と兄の父が亡くなる(王が崩御)。
・兄の問題が浮き浮き彫りになる
(兄は泣き崩れたあと、部屋を出ていく。主人公が追いかけて今の醜態はなんだと聞く(次の王なのにみんなの前で母親にハグして泣き崩れた)。兄は恋仲の女性と一緒になれないために泣いた。主人公は情けない気持ちになり、その場で煙草を吸う)

40%

●ピンチポイント1
S3【インサイティングイベント】
・賢者のシーン
ラジオを聞いている。国王(主人公の父)が亡くなったことを知る。
子供といつもやっている遊びに誘われ、ラジオを止めてから始める。(賢者が好きなシェイクスピアをやって、それを子供が何か当てる)

S3【プロットポイント1】
・次の間者が来てしまい、中断。息子たちを別室へ行かせる。
・賢者が「ちょっと来るのが早いな」と言って扉を開けると、主人公が居る。
・父の死を聞いていたため、気遣う。お茶かミルクを入れようとするが、主人公が酒を要求。

S3【セットアップ2】
・父の思い出を語り合う。兄が即位して安心したことも。兄との関係についても語る。
・父の思い出の中に「枷」へのヒントを賢者は見つける(利き手、X脚、の矯正)そこから「枷」が出来た原因を探る。(幼い頃の主人公のトラウマ紹介。弟が死んでいること。ゴースト
・主人公は賢者が自分にとって初めての関係だと語る(初めて平民と話した)。
ここに友人の兆しを見る
※か弱きものの災難
※会話の途中、酒を飲み注ぐ、歌を歌わせたり、プラモデルを作ったり、説明を退屈させないためのテクニックあり。

50% ミッドポイント

●忍び寄る悪者
S2【お楽しみパート(兄の)】
・枷の練習(スピーチの練習)をしながら、兄の主任式へ向かう主人公(C:嫁といちゃいちゃする)
・兄の問題を見せつけられる(女の尻に敷かれている、彼女(平民)に使われている)
※ここは平民(賢者)とよき関係を結んでいる主人公との対比
・物語のモチーフについて(王の資質について)兄と対立。兄は主人公の「枷」を馬鹿にし、主人公は何も言い返せない。

SB【ピンチポイント】
・主人公は賢者へ今までの努力は無駄だったと愚痴る(兄に何も言い返せなかった)
・賢者は原因を探る(自分だと大丈夫なのに、何故兄だとだめなのか)
・主人公の隠された一面、枷を克服できる瞬間を引き出す(滑らかに喋ることがきでるモードがある)
※説明シーンになってしまうので一旦外へ出て歩かせる
・主人公は現状の問題と兄の問題を賢者へ話す
・賢者は主人公に兄にとって代わるよう説得しようとするが、主人公は否定するあまりヒートアップしていき、賢者との関係において言ってはならないことを口にする(未開の地から来た田舎者の平民で、たかがビール工場の息子とは分かり合えない、的な事)

SB【死の臭い】
・勢いのまま治療の中止を申し出る。
※賢者に止められていた煙草を、別れ際に咥える演出

60%

S2【ピンチポイント1】
・主人公は重要人物と話し、兄がこのままでは不味いと話す(大統領と話し、あの王では国民がついてこない、と言う)

SB【闇夜を彷徨う魂】
・元気のない賢者へ妻が理由を聞く。話した結果、謝ったほうがいいと諭される。
主人公の元へ行くが、追い返されてしまう

S2【ミッドポイント、忍び寄る悪者】
・主人公は側近と話をしていて、危険が攻まっている事と、兄に代わり主役になることを進められる(ドイツと戦争になる。その前に国民が一致団結できる王が必要だ)

●ピンチポイント2
S2【死の臭い】
・兄は悩んだ挙句、王位を主人公に譲ることを決意。主人公は止めるが効かない。
・主人公は王位継承の儀式(?)で大勢の前で文を読むことになる。が、枷のせいでまたもや失敗。
・引っ越しを始める家族の元へ行き、娘に対して手を広げるが、国王の服を着ている主人公へかしこまってしまう
※身分が変わったことを知らしめる演出

S2【闇夜を彷徨う魂】
・主人公が王の執務室で仕事をしているところへ、支援者(妻)が現れる
・次の試練があることを知る(クリスマスでの大きなスピーチ)
・主人公は死の臭いでの失敗を打ち明けつつ、自分は王の器ではないと泣いて訴える

SB【プロットポイント2】S2【プロットポイント2】
・賢者の自宅へ行く主人公と支援者
(C:冒頭のインサイティングイベントであった賭けの金をここで返す)
・主人公と賢者二人になる。賢者はできなかった謝罪をする。
・治療というより、話を聞いて励ます。(C:何も聞いていない妻が帰宅して、王と王妃が居て驚く)

70% ※信用しかけて次のシーンで落とす。すぐにはうまく行かせない

SB【クライマックスの準備】
・次の試練の場所へ行き、準備する主人公と賢者
・その場の敵(責任者)が感じ悪い(対立)。賢者(平民)を王族同等に扱う主人公へ難色を示す。
・賢者は作戦の準備を始める。そこで何やら不穏な雰囲気

SB【新しい価値観への攻撃】
・主人公は賢者の過去を知る(難色を示した責任者が調べたのを、そこで聞いた)
・賢者には医師免許などがなく、信用に値しない、詐欺だとののしる。賢者の過去が語られる。

SB【クライマックス】
・言い合いになり、賢者はその場にある王のアイテム(玉座)を使って主人公の重要な言葉を引き出す。
・大声を荒げたので責任者がやってくる。賢者より適任が居るからそっちを薦められる。が、主人公は賢者を選ぶ。
・賢者は礼を言い、治療を開始。試練の流れを説明(C:冗談を交えながら)

・別シーン。次のシーンの暗喩(ドイツとの戦争が起こるので、ヒトラーの映像を見る)
・どんな感じだったか過去の授賞式を見る。その流れでたまたま敵国の「枷」を持たないスピーチを見る(昔の映像の流れでヒトラーの映像が映り、演説の上手さに驚く)

80% 3幕へ

●死の臭い、プロットポイント2
S4【インサイティングイベント】
・主人公の元へ重要人物が辞める、と相談しに来る。そこで次の大統領がとんでもないやつだと語られる。
・戦争を始めてしまう。
・賢者は家で家族と戦争開始のラジオを聞いている。

S4【準備】
・主人公の元へ「枷」に直接かかわる最大の試練が訪れる(戦争開始に向け、国民全体へ完璧なスピーチを求められる。

・タイムリミットが大分短い(数時間後)
・主人公は至急賢者を呼ぶ

86%

●クライマックスへの準備
・賢者が到着(途中空襲警報がある)
・残り40分と言うタイムリミットの短さ。
S4【プロットポイント1、セットアップ2】
・治療が始まる

S4【ピンチポイント1】
・上手くできない。だが今までの破天荒な治療の伏線で、ギリギリ言えそうな雰囲気(躍ったり、歌ったり、汚い言葉を使ったり)。

S4【ミッドポイント】
・治療の途中で時間が来る

●最後の晩餐】
S4【忍び寄る悪者】
・側近たちに見送られる
・決戦の場までの長い通路。緊張感を上げていく

90%

・近くには賢者と支援者のみ。最後まで背中を押してくれる
・せまるタイムリミット。
・主人公はメモだらけの原稿を睨む
・賢者に感謝の言葉を言う(C:「じゃあナイト爵くれる?」)
・クライマックス直前、賢者は主人公の前に立ち、私に話すように、と最後までいてくれる

●新しい価値観への攻撃
S4【ピンチポイント2】
・決戦開始
・最初、主人公は上手くいかない(喋り出すことができない)。

●クライマックス
S4【死の臭い】
・枷を知っている家族や部下達は祈るように聞いている
・直前の賢者の指導(これまでの治療の伏線)を思い出し、徐々に言葉を紡ぐ
・主人公の決戦の様子を流しながら、これまでに出てきたキャラが写される
・最後の方は賢者の力なしでやり遂げる

S4【プロットポイント2】
・主人公の決戦を見ていた(聞いていた)全員が拍手喝采する。
・賢者も見事だったとほめる(C:「だがWでつっかえたな」「わざとさ。僕だと分かるように」)

●エピローグ
・拍手で迎えられる主人公
・賢者の事を初めて「わが友」と呼ぶ。
・賢者は主人公の事を初めて「王」と呼ぶ。
(この呼び方には互いに深く信頼した意味があるが、プロットには関係ないので割愛)


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