映画「グッバイレーニン」プロット抽象化 プロット制作に使えます
●全体の特徴
・主人公は「大事なもの」を守るために、相手の勘違いがバレないよう頑張る系。
(どんどん嘘を重ねて行き、苦しくなっていく→死の臭いで主人公のゴーストに迫りそれどころじゃなくさせる)
・全体の7割付近から母は【依存の世界、服従の代償】にいる自己実現っぽいプロット。この辺から【輝きの発覚もある】
・【死の臭い】中に【闇夜を彷徨う魂】をぶち込む、という中々使えそうな展開。(シークエル中にシーンをぶち込む)
・静かなクライマックス
※メインプロットは●、サブプロットはSと表記。特にヒロインに関する者はS.Hと表記、S3は主に友人との話。
●掴み
S1【忍び寄る悪者】
・父親がメディアに出ていて世界的に偉大な事をしている(宇宙飛行士)。自慢げに妹へ言う主人公
S1【ピンチポイント2】
・父が主人公の枷(環境)にとって「敵」である疑いがかけられる。(父親が東ドイツに亡命しようとしているのではないか)
・主人公が親と疎遠になっていることが語られる
S1【死の臭い】
・疑いをかけられた母親は精神を病む。精神病院に入院してしまう。
二カ月で戻ってきて普通に戻ったかのように思うが「枷」によって価値観が変わっている(父の話は一切しなくなる)
「枷」の為に行動するようになる。
「枷」に母が表彰されメディアに取り上げられる
※枷は西ドイツと、その共産主義的価値観。
・主人公は自然と父の夢を追うようになる(宇宙飛行士になりたい)
7% ここで回想終了 現在の大人の主人公へ。
●セットアップ1
・「枷」はいつの間にか廃れている(片方のドイツの廃退)。夢とは全然違う仕事をしている主人公。ダメ人間みたいな生活をしている。(酒を飲んで服を着たまま寝ている)
・「枷」にしがみつく母と、変化をした方がいいと思う主人公の意見の対立
10%
●日常が破壊される予兆
S2【忍び寄る悪者】
・「枷」について反抗的な行動に出る主人公(デモに参加)。母親はデモされる側。(ベルリンの壁についての騒動)
・SHの伏線。行動の場でヒロインと出会う
S2【ピンチポイント2、死の臭い】
・母親登場、デモにつかまる主人公を見てショックで倒れてしまう(精神的に弱いのは冒頭で説明あり)。
・主人公は母親を助けたいが、警官に連れ去られてしまう。(暴れるために車の中でぼこぼこにされる)
13%
●【冒険の誘い】
S2【闇夜を彷徨う魂】
・主人公は一度捕まるが、母親が倒れたと報告があり解放される。走って母親の元へ急ぐ主人公。
・母親は心臓発作で意識不明。今後戻るかもわからない。
・その間に「枷」はすべて崩壊(ベルリンの壁崩壊)
S2【プロットポイント2】
・主人公は隠されていたもう一つの世界へ行ってみる。(西ドイツへいく)
・その世界に影響され、環境がどんどんそちらにシフトしていく(資本主義化していく)
※この時にミッドポイント後の伏線が張られる(へそくりを隠した棚を捨ててしまう)
S.H【インサイティングイベント】
・意識不明の母のお見舞いに行くと、ヒロインと出会う(看護師)
※ただ出会うのではなく、主人公が資本主義化による女性の生足に見とれていて母親の点滴を間違って抜いてしまう。それを助けに来る
S.H【プロットポイント1】
・主人公は母のお見舞いよりもヒロインと会うのをメインに病院に来るようになる
S3【セットアップ】 ※S3は主に友人との話。
・新しい世界の新しい仕事に就く
S.H【お楽しみパート】
・ヒロインと仲良くなり、初デート
・「枷」が壊れた象徴的な場所で話をしている。主人公の父の話を少しする。
約20%
S3【お楽しみパート】
・新しい仕事のシーン。相棒のおかげもありかなりうまく行く
・友人と打ち上げをしているとき、友人が自分の夢を語る。
・その夢の一端を見せてもらう(映画監督なので次作映画)(C:途中で寝てしまう)
SH【ピンチポイント1】
・主人公とヒロインがいい感じになり、初めて気持ちが通じ合った瞬間母の意識が戻る
※いい事のあとは悪い事
●インサイティングイベント(問答、準備) ※【準備】は周囲からの反発がある
・母は元通りに治っていない。しかも極めて危険な状態で「少しのショックも与えてはいけない」
・新たな枷と大きな困難(国粋主義だった母にベルリンの壁が崩壊している、なんて知られてはいけない)
●プロットポイント1
・主人公はとある理由から困難を背負うことを決める。(母と同室の患者が外の事を話したら危険)
・病院で絶対安静の方が良いが、連れて帰る(周囲は反発)
・姉の部屋を母の部屋にするように言って喧嘩になる(既に彼氏も住んでいるし資本主義塗れ)
・姉は仕方なく了承しは主人公を殴って出ていく(C:彼氏がブラインドを直そうとして股間を打つ)
☆セントラルクエッション……主人公は母に秘密を隠し通せるか
30% 2幕へ
●セットアップ2
・同僚の相棒に手伝ってもらって、部屋を母が使っていた状態に改装する。
・姉にも昔の服を買ってよこす
・母を迎えに行く。(C:医師から心臓発作を起こしたときの対処の方法が斬新
家に向かう車の中で、付き添ってくれているヒロインを母へ紹介
・母が部屋へ入ってくる。何とかバレずにここまで完了。(途中ラジオがあったり、新しい世界の服を着た母の友人に出くわしたり、困難があった)
母親を守り抜くことを誓う。
35%
●お楽しみパート1 目的へ→困難→作戦変更→困難、の上手い繰り返し
・初任務(母親に頼まれた買い物)しかし「枷」のせいでそれが打ってない(故郷の名物がどんどんなくなっている)
・新しい世界からの文化が流れ込んでくる(主に資本主義の紙幣。母は銀行の通帳を探すが隠されているのでみつからない)
・母の注文にこたえるのがどんどん難しくなってくる。主人公はなんとか努力して希望の注文にこたえる(C:ゴミ箱から昔の空き瓶や紙袋を拾い、中身を今の者と入れ替えて昔のものっぽくすり替える)
・姉が彼氏を紹介したいというが、まだ早いと主人公は止める
約40%
●ピンチポイント1
・難しい注文を母へする(困難)→うまく行かない
(お金をなんとかするのに通帳の中の金をなんとかしないといけなくなる→へそくりがあるから大丈夫、主人公は場所を聞くが、母は思い出せない)
S4【インサイティングイベント】
・目的のため(母を元気づけるため)に主人公はさらに困難な嘘を重ねる
(困難A:周りの人を呼んで誕生日を祝うことを約束、テレビが見たいというので医者に相談すると約束)
S4【プロットポイント1】
・隣の部屋から、新しい世界の情報が流れ込んでくる。(ラジオが聞こえる)
→主人公は対策を練る
主人公は母の為に昔の世界のものをかきあつめ、自分で課した困難Aの準備を始める
S4【お楽しみパート】(伏線A)
・ヒロインとの新しい住居を探す。昔の住居だが気に入る。
この時にメインプロットのミッドポイントの伏線になるアイテムを手に入れる(旧世界の品々、親へのプレゼント)
・相棒に相談。アイテムの提案。
テレビがダメならビデオを見せればいい(相棒は映画監督が夢なのでビデオをたくさん持ってる)旧世界と新世界の中を繋ぐものを紹介(ワールドカップ)
・周りの人に話を合わせてもらうように言って回る
途中までうまく行くが、思い通りにいかない人物が一人(母の同僚)なんとか言いくるめる
友人と打ち合わせ(C:姉がビニールのおむつを投げてこんなのごめんだという)
S4【ピンチポイント1】
・相棒からアイテムを借りる。一瞬間違えそうになる(最初間違って普通のテレビを流してしまう)
・母の同僚を連れてこようとするが、泥酔していて連れてくるのが大変
連れてくるこの時に、新世界と母のいる世界の対比がある(バイクで同僚を連れてくる途中、町はワールドカップで盛り上がっている)
50%
S4【ミッドポイント】 中盤の、日常と非日常の対比
・準備した作戦開始。
誕生日会。代表(同僚)は酔っているし、周りも全員嘘をついてなんとか合わせているので綱渡りの状況。伏線Aで得たプレゼントを渡す。
SH【ミッドポイント】
・嘘を吐いている最中、ヒロインにとって逆鱗に触れる嘘がある(亡くなった父親の職業)
途中、新世界の情報が不意に流れてしまう(コカ・コーラの垂れ幕を見てしまう)
取り繕おうとする皆だが、嫌気がさしてヒロインだけ出ていく。
おいかける主人公。逆鱗触れた嘘についてちょっと口論(あきらかに主人公が悪い)
止める間もなく、ヒロイン出ていき、喧嘩別れになる。
本来の作戦(母の誕生日会)は一応成功。
56% ミッドポイント 2幕後半へ
●忍び寄る悪者
・主人公は母に寄り添い、嘘を貫く努力を続ける。
S3【ミッドポイント】
相棒に頼み、ミッドポイント付近であった「新世界の情報」のフォローをする(コカ・コーラに関する嘘のテレビ番組を作る)
これはうまく行き、その時に母は重要なことを思い出す。
(へそくりの場所 → 一幕、S2【プロットポイント2】であった伏線回収)
S4【忍び寄る悪者】
・すぐに主人公はその情報の元へ急ぐ(へそくりの場所。粗大ごみ捨て場)
※S3と絡む。相棒が待っていて、フォローはどうだった?と聞いてくる。相棒は目的がうまく行ったことを喜び(夢の一歩と関係している)続きを作ろうと提案してくる。
主人公は相棒の話を聞き流しながら、目的のものを見つける。
しかしそれは既に新世界では使い物にならなかった(昔の通貨はもう換金できない)
60%
S4【ピンチポイント2】
・主人公は怒りのまま、ビルの上から紙幣を投げ捨てる。ヒロインが隣にいる
・新世界の状況が良くなる(ワールドカップ優勝)
・母の状態も表面上は良くなっていく
・前に依頼した人たちと対立(子供が金をもらいに勝手に歌いに来る、姉の彼氏(新世界の人間)と価値観の違いで口論になる。)
・帰ってきた姉がその喧嘩を聞き、充てられて部屋を出ていく。
・主人公が心配して追いかけ、話しかけると、ゴーストに関係することを言われる
(ついさっき父と会った。※仕事先で。直接ではないが声で分かった)
さらに打ちのめされるような事実(後部座席に子供がいた)
ゴーストが近くにいると知った主人公は問答(一旦これは保留)
66%
SH【忍び寄る悪者】
・ヒロインはもういい加減秘密の共有に耐えられない(母に本当の事を話してとせがまれる。(主人公は看病で2時間おきくらいに戻ってしまうため)
※直前伏線アリ(母の看病、仕事で疲れて、彼女には文句を言われる。と疲れている説明)
・たまたま主人公はずっと探していたアイテムを発見する(旧世界のピクルスの瓶)。それを母に届ける。
●ピンチポイント2
S4【死の臭い】
・主人公は母の寝室で、疲れからうっかり寝てしまう。
サスペンス(※預かっている姉の子供が歩き出し、母はうれしさから近づきたいと思い、主人公が寝ているので黙ってベッドから立ってしまう。窓の外に新世界のもの(気球)があり、それがの目に触れてしまいそう)
それは目に触れないが、母親は久しぶりに立ってどこまで歩けるか試したくなる
70%
・母は新世界へ徐々に足を踏み出していく。
・完全に外へ出た所で、主人公は目を覚ます。母が居なくて焦る。
・母は旧世界が完全に壊れたことを象徴するものを目にしてしまう(壊されたレーニンの銅像)
・主人公は母を探して外を走り回る
・買い物に出ていた姉が呆然として立っている母を発見。主人公も同時に発見し、連れて帰ることに成功する。
・連れ戻すときに、母は何が起こったのか尋ねてくる
S4【闇夜を彷徨う魂(食らいつく)】
・相棒と嘘を続ける作戦実行(相棒は夢の一端なので協力的。嘘のニュース番組を作る)
※S3の延長線上
・この嘘で母が外に出て知った新世界の真実をなんとか隠せる(母が見たのは旧世界からの難民だった、という嘘)
・主人公は母のためという目的から、自分のための目的にシフトしていく(新世界と旧世界の統合)
S4【プロットポイント2】
この嘘で母は再び悪気なく任務を要求。さらに困難なもの(森に難民の為の小屋を作りたい。森に自分の別荘がある)
S4【クライマックスへの準備】
・さらなる困難。
一緒に母の面倒を見ていた姉は、もう一人子供が出来たから旦那と出ていくという。
母に死ねと言うのか、冷たすぎるよ! と対立。
・このタイミングで新世界と旧世界が完全に統合(東ドイツの姉と西ドイツの旦那の子供が出来たタイミングで)
●死の臭い ※ふさわしい場所へ移動
S4【最後の晩餐】
・姉の旦那の車で主人公、姉、ヒロインも連れて森へピクニック(S4【プロットポイント2】の母の要求)。※母には刺激が強いからと目隠しをさせている。
・目的地(小屋)へたどり着く。この家で昔過ごしていて、その昔話に花を咲かせた後、母親は真実の要求を口にする。「私が寝ていた間に何があったの?」
78%
S4【クライマックス】
・主人公はヒロインにも背中を押され、もう隠し通せないと思い、真実を話そうとする。
・先に母親が口を開く「私、あなたたちに嘘を吐いていたの」
・主人公のゴーストに関する真実を打ち明ける(父親は女性のために新世界へ行ったのは嘘で、実は旧世界の「枷」耐えられなかった。二人で新世界へ行こうとしたが、子供二人(主人公と姉)をかかえていくのは取り上げられる可能性もあってできなかった。死ぬまでにもう一度旦那に会いたい)→ここはプロットポイント2に繋がる伏線。
・ここでアイテムの場所を示唆する(父から手紙も実は来ていたが、戸棚に隠していた)
・主人公は真実を知り、複雑な思いでその場を一旦立ち去る。
(父に関する嘘)
約80%
●闇夜に彷徨う魂 分割1
・主人公に寄り添うヒロイン
●死の臭い続き
・母親の容態が急変する。(※シークエルにアクションをぶち込む)
・主人公は救急車で寄り添い、姉は家を壊してまでアイテム(手紙)を探す(ここは主人公視点で母の容態を、姉視点で手紙の内容を、カットバックで見せる)
・医者に今度こそ覚悟してくれと言われる
・妹は手紙から父の居場所を知り、母の最期の願いだ、と言って主人公に託す(姉は子供がいるので行けない)
●闇夜に彷徨う魂 分割2
・昏睡状態のよこでアイテム(手紙)を握りしめる主人公。父のもとに行くかどうか迷う
※S4【ピンチポイント2】であったイベントのことで、父の印象は最悪(裕福な暮らしをして、さらに子供がいた)。
・ヒロインが寄り添ってくれる
・病院の外へ出て、とりあえず父の元へ向かう
※この時に父の元同僚と出会う(タクシードライバー)
86% プロットポイント2 3幕へ
●クライマックスへの準備
・ラストダンジョンで意外な展開
(父の家について勇気をもってチャイムを押すと、盛大なパーティーが開かれていて、客と間違われ招待される)
・主人公はその場所で父を探す。
・その最中、とある部屋で姉が車で見た父の子供に出会う。
・父の職業に関するテレビを見ていて(宇宙飛行士のアニメ)、一緒に見ていいか聞く(C:名前を教えてからよ)
・父が入ってくる。主人公に気付かない。
・父から訝しげに名前を尋ねられると、子供が名前を教えてやる。そこで父は主人公だと気づく。
・父はパーティーのスピーチで呼ばれて出ていくが、すぐに戻ってくる。
・父の想いや事情を聞き、主人公が何故来たか問われる。
・主人公は母が危篤で父に会いたいと言っていることを話す。
90%
・クライマックスへの伏線
帰る時、主人公は運転手に昔の仕事の事を訪ねる(父と同じ仕事をしていたから)
※月を見てから話し、不自然さを失くす
「奇麗だが遠かった」とテーマっぽいことを言う
●新しい価値観への攻撃(母視点の)
SH【ピンチポイント2】
・母とヒロインが言い合っているシーン。どうやら秘密を言ってしまっている。(国境がもうない事を伝えたが、信じたかどうかは書かれない)
・主人公は何も知らず父と共に母の病室へ。
・まずは主人公だけが入り事情説明。
・待つ父に姉が近づき、姉は気付いてどこかへ行ってしまう。父も気付くが声をかけられない
・主人公は母に父が来たことを伝え、父を入れて二人きりにさせる
93%
SH【プロットポイント2】
・出てきたヒロインになにをはなしていたか聞いたが、言わない
・主人公は心配しながら、ヒロインと病院の外のベンチに腰かけて待っている
「彼はヘマしないかな」「大丈夫よ」(C:主人公の貧乏ゆすりを止めて上げるヒロイン)
●クライマックス
・主人公は母へ真実を話す決意をする。そのための最後の作戦。
・相棒と、途中であった父の同僚の手を借り、最後の嘘のビデオを作る
※S3の延長線。
・母の容態が悪化し、作戦を早めるが、なんとか相棒がアイテムを完成させ届けてくれる
・母への作戦開始。
・母が嘘を見るのを見守る主人公とヒロインと姉
・主人公の目論見は上手く行く。嘘と真実の統合を完成させる(旧世界と新世界の統合を達成)。
※途中から母は嘘(ビデオ)ではなく主人公しか見ていない。優しいまなざしで。
→実は主人公が自分の為に全て仕組んでくれた嘘だったのだと気付いている。
が、はっきりとは明記しない。
●エピローグ
・数日後に母はなくなる。(主人公は真実を知らずに死んだけど幸せだったろう、と思っている)
・象徴的な最期。建国記念日に花火があがる(三日長生きして、作戦を早めた帳尻を合わせた日付にちゃんと花火が上がる)
・母の遺言通りの葬儀。これは冒頭の主人公の夢やゴーストと関係(序盤で主人公がペットボトルのロケットを作っていた。もう一度作り、遺灰をロケットにのせて打ち上げる)
終幕。
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