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プリマドール12話 物語制作者のための分析

※途中の~%は物語中の経過地点。
※三幕構成はややこしいので単純に「幕転換」と書きます。

●今回の特徴

最終回。

・全体の75%くらいでありそうな展開をクライマックス後にやるってあんまりなくて参考になる。
つまりラスボスの置き土産が真のラスボスである事が多く、これを倒して終わり、が定石の所を「真のラスボスの置き土産」が追加で存在する。
クライマックス後なので割と淡々としているが視聴者のライフはめっちゃ削られていく。

・メモ
今季はラストにラスボスの過去回想が入ることが多かった。


●構造抽出

・主人公視点
真のラスボスに大切なものが破壊されていくのを見て、自分の記憶と引き換えに止めることを決意する主人公
冒険の誘い

・主人公を止めるために急ぐ仲間達視点
上司はしんがりを務めて仲間たちを行かせる
使命(目的)

・準備する主人公視点
力を使うには相応の準備が要り、苦しみ、手間取っている
問答、準備

約20%

・力を使ってすぐに仲間が駆けつける
主人公はフラフラで倒れる
仲間は主人公を犠牲にせずに主人公の目的を果たそうと協力を申し出る
プロットポイント1 → 幕転換

約25%

・作戦開始
この目的達成のための作戦は、奇しくも偽のクライマックスで行うはずだった場所で、練習してきたことが有効となる
作戦は成功し事態は終決。無事に終わるが、主人公の犠牲は免れなかった。
ミッドポイント

40% 幕転換

新しい日常
新しく建て直した組織で主人公は仲間と共に働くが、記憶が初期化されているので全ての事に対し、初めて来た時と同じ反応。
※記憶を失くしているキャラがいて、以前までを知っている人物が周りにいる状況は見ていて不憫
以前の主人公を知るキャラから注文が入る
依頼者
その依頼をこなすが、ミッドポイントでの問題が浮き彫りになり我慢していた仲間全員が打ちのめされる。

60%

・上司は仲間たちに、主人公はもう元に戻らないことを伝える
さらに、戻らないだけではなく覚えてもすぐ忘れてしまう前より酷い状態。
上司に軍部の客が来る
ラスボスの処理を頼まれる
主人公と同じく記憶を失っているラスボスは処理される前に主人公に会いたいと申し出る

・仲間の一人が主人公へ、主人公が記憶を思い出すきっかけになるようなアイテムを渡す。
これは主人公が日々積み重ねていた何か(この作品では自分でつけていた日記)
インサイティングイベント2
※子供が書いたような見た目で、より感情移入を誘う
主人公はそのアイテムをもとに記憶(大切なもの)を取り戻す旅に出る
しかしどうしても思い出せず、アイテムも壊れてしまい、苦悩の中絶望していく。
闇夜を彷徨う魂問答2

75%

・主人公は一人でたそがれていると依頼者と出会う
テーマについて語らい、背中を押してもらう。
主人公はある覚悟を決める
プロットポイント2

80% 幕転換

・主人公は完全に記憶を消して修理し、今ある記憶を捨ててでも思い出を増やしていける道を選ぶ。
(前のシーンで、「大事なのは記憶ではなく気持ち、それは絶対になくならない」的な背中の押され方をしている)
仲間は本当にそれでいいのかと止める。
新しい価値観への攻撃
主人公は自分の信念を曲げず、仲間を説得する。
最後に、全員で思い出のものをやろうという事になる(最初の日常でやっていたこと)
クライマックス

・エピローグ
遠くから主人公を見ることができたラスボス。
最後の力を使って、主人公へ宝を授ける。


12話おしまい。


●ちょびっと感想

・記憶を失うという事は死と同義で、何度も都合よく復活させないのは好感を持てた。
最後の灰神楽のお目目キュピーンは記憶のバックアップをナギに託した、ってことかな。このままビターエンドだとちっと読後感が悪いけど、この視聴者に解釈を任せてハッピーエンドにしたことで完全なビターエンドを避け、ハッピーエンドの嘘臭さも薄まっていたように思う。
作画は今季トップクラス。

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