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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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映画「天使のくれた時間」プロット抽象化 プロット制作に使えます

●全体の特徴
・中盤まで落ちていくタイプ、の亜種
・「陸に上がったカッパ」型主人公
・三幕前にも破壊される予兆がある。シンデレラの0時の鐘的な。
・プロットポイント2が3幕の【最後の晩餐】的なイベント。
・クライマックスの【新しい価値観への攻撃】に主人公が負ける場合、かなり短めの問答3&プロットポイント3がある。→そして新しい価値観への攻撃2がある。
(最初の【新しい価値観への攻撃】の辺りをサブプロットで構成すればいいだけかもしれない)
・サブプロットにサブプロットを入れる入れ子構造が一つある(S5)。
・エピローグがないタイプ(クライマックスで終わる)。

※メインプロットは●、サブプロットはSと表記
※コミックリリーフはCと略

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●掴み 過去の話。
・主人公がどこかに旅立つため、ヒロインが別れの挨拶
S1【日常が破壊される予兆】
・ヒロインがこの別れはよくない、やっぱり行かないで的なことを言う
・会話の中で旅立つ理由などが説明される(研修にいく)
・ヒロインは主人公へ二択の決断を迫る(恋愛か仕事か)
・主人公は仕事を選び旅立つ(一旦ヒロインの要求を呑むようなそぶりを見せてから、断る)

●セットアップ1 イケイケの主人公
現在へ(13年後)
・ヒロインの言ったとおりになっていることを状況で知らせる(別の女性とワンナイトラブしたあと、一人暮らしを謳歌している。つまりヒロインとは別れている)
・イケイケな生活をしている(高収入、大都会で良い車に乗り、良い暮らし、近隣住民ともジョークを交わしている。※この住人達はあとで出てくる伏線)
※映画的に時期が重要なので、クリスマスであることを知らせる

6%

・仕事シーン
会議を取り仕切っている。(C:集中していない部下を冗談でまとめる)
この部下はのちにストーリーに絡む。
※ここでもクリスマスであることを強調

●冒険の誘い → 拒否
・会議が終わり、主人公だけ周りと違う境遇。(クリスマスと縁がない。
・ヒロインから連絡が来る
(側近の秘書が、会議中に電話が来ていることを伝える。それがヒロインからだった)
・主人公はかけ直さない(秘書がかけ直そうとするが止める)
・そこに上司(会長。主人公は社長)が現れて、緊急の仕事に関する事を言われる(※三幕への伏線。緊急会議)。
・主人公は会長へヒロインに連絡するか聞く。その上司らしい言い方で主人公の意見を押す。
(昔の女は納税申告書と同じ。三年たったら破棄しろ)

10%

●日常が破壊される予兆(予言者登場)
S2【忍び寄る悪者】
・前のシーンのリアクション
連絡は取らない、と言ったものの気になっている主人公(クリスマスでにぎわう街を、自分のオフィスから見下ろす)
・外へ出ると雪が降ってきて、感慨深く歩いている(社長だが、歩かせるためのシーンが挟まれる。受付「車を用意しましたのに」「今日は歩いて帰るよ」
※この受付を出すのも後の伏線
・とある店を発見し、目的のものを探す(エッグノック。これは冒頭のワンナイトラブのシーンで単語だけ出てくる)

S2【ピンチポイント2】
・予言者(のちの賢者)登場。
店でトラブルに巻き込まれる。主人公はそのトラブルを仲介し、トラブルの原因になった人物と関係を持つ。この人物が予言者(賢者)。
(宝くじの換金に来た奴が、見た目を理由に不正しただろうと換金してもらえない。

S2【死の臭い】銃を突きつける。
それを主人公が治める。相手は手を打ち、店を出ていく。行こうぜ、と主人公も呼ばれ、ついていく(換金を申し出たため)
・相手は何故か主人公の名前を知っている。
・銃を持っていた相手のことを気にかけた主人公は一蹴されるが、これから冒険が始まりそうな意味深なことを言われる。(ちゃんと働け、真っ当に生きろ、みたいなことを説いていると、俺を救うつもりか? と笑った後「面白くなるぞ。これから起きることはあんたが招いたことだ」と言われる)
(C:飲んでいた牛乳を押し付けられる)

15%  S2【プロットポイント2】 真逆の生活へ

●インサイティングイベント
S3【お楽しみパート】
・帰ってくると疲れていてすぐに寝てしまう。
・起きると、全く知らないところにいる。過去に別れたはずのヒロイン(冒頭の人物)と何故か寝ている。知らない子供が現れる。
・主人公は慌てて着替えて下へ降りる。
(C:逃げるように部屋を出る時にヒロインから「濃いコーヒーを淹れて」)
・出ていくときにヒロインの親とも出会う。一旦外へ逃げだす
(C:僕のフェラーリはどこだ!?)
・親から一般車を借りて一旦自分の家へ。
・冒頭で冗談を交わし合った住人たちが一人も知らない。完全に頭がおかしい人扱い。
(C:そこから去る時にエンストして車がすぐに発車しない

18%

●問答(リアクション)
S3【ピントポイント1】
・会社に行くも、受付も知らない。社長の所に自分ではない人の名前
・混乱が頂点に達して外へ出ると、自分の車(フェラーリ)がある。それには予言者が乗っている。
・相手は説明するから付き合えという。車に乗って説明を受ける
(※乱暴に運転して説明シーンの退屈を防ぐ)
・主人公は元の生活に戻りたいという
・賢者から何かしらのアイテムをもらう。(三幕前の伏線のアイテム)
・それでも納得のいかない主人公。賢者はだますようなやり方で主人公を放り出す。

☆セントラルクエッション……主人公は元の生活に戻れるか

21% ●プロットポイント1 S3【プロットポイント1】 2幕へ

●セットアップ2
リアクションパート。支援者登場
・仕方なくヒロインの元へ戻る主人公(C:一般車両の使い方がわからない)
・戻ると近隣住民に声を掛けられ、とある部屋へ。そこは友人の部屋(この友人が支援者)
・朝から様子がおかしい主人公に何があったか話せと言われる。
※飾られた写真で友達と気づく。
・友人は主人公がヒロインと何かあったと思ってる(C:主人公が何を言っても冗談に聞こえる)
・一旦家を出て歩いて話そうという。
(C:友人が喋っているが知らない街を見渡すばかりで話は入ってこない)
・主人公は困惑したまま聞いている。友達に背中を押され、家に戻る。

25%

●お楽しみパート(依頼イベント)
・ヒロインとあう。どれだけ心配していたか喧嘩になりかけ、主人公は事情を話す。信じてもらえずこじれていく。主人公は一旦理解してもらうことを諦める。
・賢者のアイテムをプレゼントと勘違いされ、子供に奪われる。※伏線
〇依頼 → 拒否
・このあとの依頼を受ける(近隣住民が集まるクリスマスのパーティーがある)
・いったん拒否するが、子守を頼まれていく事を決意。
・子供に様子が違うことを気取られる。
(C:服を見ているとき「安物ばっかりだな……」)
・パーティー会場には後にストーリーに絡むヒロインBが居る。
・自分は知らないが周りは自分を知っているので困惑し続ける。
(C:酔ってしまおうと酒を飲む、無理に話を合わせる、皮肉を言う)
・帰ってきて犬の散歩を頼まれる。嫌々行く。
・帰ってきてそのまま寝てしまう。(C:用意されている安物のパジャマを見てため息)

32%

●ピンチポイント1 ※上の子供は支援者になる。
S4【日常が破壊される予兆】
・朝、子供が泣いていて起きる。
・ヒロインに頼もうと思うが、今日は保育園の番だと言われる。(C:おむつを替えるシーン)

S4【インサイティングイベント】
・おむつを替えている所が明らかに不手際で、上の子供が主人公の正体に気付く。「パパじゃないでしょ」

S4【食らいつく、プロットポイント1】
・主人公は一応本当の事を話してみる。子供は偽物でありつつも受け入れてくれる。
(C:エイリアンでしょ? よくできてる。 地球へようこそ)

S4【お楽しみパート】
・保育園へ下の子を預ける(C:変な持ち方で預ける。「領収書は出ないの?)」
・上の子を学校へ送る。迎えに遅れないで、と言われる。
・娘に勤め先を聞く

37%

S4【ピンチポイント1】
・勤め先へ。以前とは真逆の所。恐る恐る仕事場へ。
・周りは挨拶してくる。聞くと自分専用のオフィスがあり、どうやらそこでも社長をやっているらしいと知る。
・そこで今がいつなのか知り、現在と元の自分がどこで分岐したかなんとなく察する(研修に行っていない)※この知識がある事で、中盤の伏線になる。
・次のシーンの伏線
自分の栄光の話(株の話)をちょっとする。

S4【ミッドポイント】
・家に帰ってきてベッドでテレビを見ていると前のシーンであった株の話があって、自分がやった功績が別の人物(日常世界の会長)のものになっていて憤る。
・そこにヒロインが訪れる。(子供が寝たといって、夜の営み開始)
・主人公は改めてヒロインと接近し、心を動かされる。ここでは寝たふりをしてやり過ごすが、今の生活に対して心の変化が生じる

44% ミッドポイント
心の変化は生じるが、すぐには変化を見せない

S4【忍び寄る悪者】 中盤にある日常パートと非日常パートの交差
・家族で買い物に来る。そこで日常パートのものに出会う(高いスーツ)
・主人公はヒロインに今の生活の不満をぶつける。(スーツ売り場で高い買い物をしようとするが、庶民的な否定をヒロインにされる)
・喧嘩になり、自分の正体をヒロインに仄めかす。ヒロインが自分を止めたせいでこんな生活を送っている、と怒鳴り散らす。
・帰りに気まずくなって、主人公は素直に謝る(※中盤からの心の変化)
・喧嘩気味に少し昔話。何故今の生活になったのか知る(子供が出来て、家を買い、勤め先の社長が心臓発作で助けた)。
・主人公は今の生活に満足していないが、ヒロインはそんなことないという。

50%

●忍び寄る悪者
S5【日常が破壊される予兆】
・仲間たちと合同でやっていたものの試合シーン(ボウリング会場)C:今の主人公はまるで出来ない。
・パーティーであったヒロインBがいて、主人公がちょっと色目を使うと、浮気を持ちかけられる。
・それを支援者にいって住所を教えてもらおうとする。友人はその主人公の浮気を必死に止める。

65分

S5【インサイティングイベント】
・帰宅する主人公
ヒロインと喧嘩になると思いきやいい感じなる。そのまま心変わりがなくなるかと思いきや、今の状況のせいで失敗する(「私の好きな言葉を言って」→わからないので、そのまま喧嘩になる)。

S5【問答】
・主人公は酒を飲んで適当に家にあるビデオを流す。
・知らない自分とヒロインの過去の記録をみる。涙ぐむ主人公。そこでヒロインに言ってくれと言われた言葉っぽいものを見る。

60%

●ピンチポイント2
・次の日、目を覚ます主人公
今の生活が身についているシーン(犬に起こされ子供にミルクをやって自分と妻にコーヒーを淹れる)
・結婚記念日で、ヒロインは主人公にプレゼントを贈る。主人公は知らなかったので用意していない。ヒロインはかなりショックを受ける。

S5【プロットポイント1】
・上の子供(支援者)が解決の糸口を教えてくれる(記念日には毎年特別な事をしていた)
・日常パートに関係ある場所へ。(田舎暮らしなので、都会の良い所へ連れていく)

S5【お楽しみパート】
・高そうな店へ(Aパートの環境下で、Bパートを受け入れる)
・本来慣れている場所なので、アウェーでも余裕な主人公。良い所見せられる。
・かなりいい雰囲気に(踊ったり、高い食事をできたり。ヒロインから「本当にただのタイヤ売り?」と言われる)
・食事しながら真剣に本当の事を話す。テーマに関するようなことを話し、主人公は完全にこの非日常を受け入れる。(Aパートと何もかも違う日常だが、ヒロインがいる今の方が大事だと思える)

S5【ミッドポイント】
その後二人で良い感じになり、ふと出てきたセリフが「好きな台詞」で、完全に仲直りできる。

67%

S5【忍び寄る悪者】※上向きになるので、これは下向きになるフラグ
ここややこしいですが、サブプロットにサブプロット入ります。
 S5・1【セットアップ1】
・完全に非日常を受け入れた主人公は、子供も大事にするし仕事も生き生きとやる。
 S5・2【インサイティングイベント】
・仕事中たまたま、ミッドポイントで見た自分の手柄だったはずのものを功績にしている
 S5・3【食らいつく】
人物(会長)が現れる。関係を持つことに成功する。前の仕事にちょっと関係あること(相手の仕事に助言をした)
・後日相手のオフィスに行くことに。会長と社長(前の部下、冒頭の会議で出てきたキャラ)と話をする。
・自分を売り込み、就職を勝ち取る(相手が知っている人たちだったので掌握しやすかった)
 S5・4【プロットポイント1】
・社内を案内される。会長には気に入られるが、社長と対立。それでも役員の座を勝ち取る。

75%

●死の臭い
S5【ピンチポイント2】
・役員なので都会に住めるし給料も上がる。転職することをヒロインに提案すると反応は良くない。元々教育のために郊外に引っ越していた。
・主人公とヒロインの価値観の対立(お金や地位(見栄)vs愛する人との幸せ)
※テーマっぽいものあり。「人がうらやむ生活ができるんだぞ」「もう十分恵まれてるわ」
※これは冒頭の対立構造と同じ
・ヒロインは出ていってしまう

●闇夜を彷徨う魂
S6【セットアップ2】
・家でヒロインや家族との写真、新しい会社の名刺、両方を眺めて悩む主人公
・酒を飲みながらなんとなく本棚を見ていると、冒頭での飛行機のチケットが出てくる。一旦乗っているチケット。そこで一度は研修に行ったが、戻っていたことを知る。
・ヒロインが現れる。冒頭と同じことを言われる「行った時は二度と会えないと思ったわ。でも翌日帰ってきた。嬉しい驚きだったわ」
※S5【お楽しみパート】で今までの自分じゃないと告白しているので、説明されてもそこまで違和感はない?

S6【ピンチポイント1】
・ヒロインから【死の臭い】で揉めたことについて話される。どうしてもというなら主人公についていく。とてつもない愛情を感じる主人公。選択を迫られる。

80%

S6【ミッドポイント】
・ヒロインが良く朝起きると、主人公と子供の声。外で戯れている。上の子が主人公を見て「本当のパパが帰ってきた」という。主人公は子供へ愛している、と伝える。

S6【忍び寄る悪者】
主人公が残り少ない食材を確認していると、子供がやってきて二幕冒頭であげたアイテムを鳴らしている。
※象徴的。三幕が始まる、非日常が破壊される予兆?

S6【ピンチポイント2】
・賢者との再会(この場合敵なので、賢者っていうかシェイプシフターか)
・食材を買いに行くと、賢者が店員としている。
・自分を元もとに戻さないように言うが、賢者は応じない。主人公は食材を買ったあと、逃げるように家に帰る。

83%

●偽のクライマックス。 最後の晩餐的なプロットポイント2
S6【死の臭い】
・逃れられないと気付いている主人公は、子供やヒロインとの別れを惜しみ、別れを告げる。
・犬の散歩。そこで非日常に来る前と同じシーン(雪が降ってくる)
・限界までヒロインの傍で起きている。(寝たら戻ってしまうと予感していたため)
・ついに寝てしまう。起きると、元の日常。主人公は予感していたため動揺しないが、深く嘆息する。
※来客が来た、という電話で起きる。

87%  3幕へ

●クライマックスへの準備
S6【闇夜を彷徨う魂】失意の中を進む。
・来客が来て、クリスマスと告げられる。
・主人公は一日しかたっていないことに驚き、とにかくフェラーリで非日常の時の家へ訪れる。しかし当然元の家族はいない。
・秘書から連絡があり、冒頭の【冒険の誘い】であった重要な仕事に来るよう言われる。
・緊急事態でパニくっている役員(非日常で対立した社長もいる)。
・どうするかをすぐに支持し、自分も行動を開始する。周りから見ると明らかに変な言動をしている「独りぼっちの人生だ。でも僕が選んだんだからしょうがない」

90%

S6【プロットポイント2】
・ヒロインから連絡が来ていたことを思い出し、ヒロインの電話番号と住所を聞く(コールセンター? 秘書?)
・ヒロインに会いに行く

●新しい価値観への攻撃 ※ヒロインが1幕の自分と全く同じ価値観
・ヒロインは都会に暮らしていて、さらにパリに引っ越すという。めちゃくちゃ忙しそう。
・冒頭で主人公に連絡が来たのは、持っていた主人公の私物を返すためだった。
・主人公はヒロインを口説くことを試みるが、相手は微塵も揺るがない。
(互いに結婚していないことの確認。「結婚してたら、と考えたことは?」→一蹴される)
※助手が飛行機の時間が云々、という会話でタイムリミットも知る

●問答3&プロットポイント3
・一旦引き下がって、引き取った私物をホテルで見ている。
・二人の昔の写真をみつけ、眺めた後、もう一度会いに行くことを決心。
・走って空港へ追いかける。

95%

●真のクライマックス
・オープニングとの対比。今度は主人公がヒロインを引き留める。しかしヒロインは話を聞かない。
●新しい価値観への攻撃2
・主人公はまた引き下がりそうになるが、非日常で体験したこと、感じたこと全てをぶつける。
・内容はヒロインにとって意味不明だが、熱意が伝わり引き留めることに成功する。

●エピローグ
・空港のカフェでこれまでの時間を埋めるように、幸せそうに話をする二人

終幕

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