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リコリス・リコイル13話 物語制作者のための分析

※重要な定石やテクニックは太字です。
※途中の~%は物語中の経過地点です。

●今回の特徴

最終回。

・ラスボス → 真のラスボス → ラスボスリベンジ
の割と見る気がする流れ。
※例えばこの時、真のラスボスが自然災害系や超常現象系だと、復活ラスボスは真のラスボスの力を取り込んで現れたりする

・ここでもしっかり表舞台と裏舞台を用意し、両方で問題発生。しかも両方でタイムリミット発生。ほんとよくできてる。

※今までラスボスBと書いていた真島をただのラスボスと書きます


●構造抽出

・ラスボスの登場で別れた仲間が負傷。重傷で一刻を争う

・主人公視点
ラスボスと二人きり。ラスボスは主人公をその気にさせるための策を講じる(この話では仲間たちが助けに来れなくなった状況にして、塔に爆弾を仕込む)
タイムリミット
インサイティングイベント1

・離れされられた仲間視点
主人公を助けに行くか、仲間を助けるか選択を迫られる。
※主人公もラスボスを倒して早く戻らないと死ぬ(心臓停止までの時間)
第二のタイムリミット
問答

仲間たちは葛藤した結果、相棒だけが主人公を助けに向かい、他の仲間は重傷の仲間を救う事を選択する。
プロットポイント1

20% 幕転換

・主人公視点
自身のタイムリミットのせいでやられかけるが、ラスボスはそれで倒してもつまらないので休憩を申し出る。
※ラストバトルを中断は斬新

・捕まった敵の協力者をワンカット入れてコミックリリーフ
※ちょくちょく入る緩急で視聴者を飽きさせない

・主人公視点
休憩しつつ、ラスボスが何故主人公にこだわるか、自分の行動理念と共に語る。

・上司視点。
逃げている黒幕の前に立つ。
敵の仲間を圧倒する。
※実力がわからなかったキャラの力を最後の最後で見せる

上司は元恋人である黒幕を倒し、主人公の延命方法を取り返す。
(前回あった、黒幕が取り込んだ主人公の延命方法は嘘。それは元恋人である上司だからこそ見抜けた)

・主人公視点
テーマについてラスボスと語っている。穏やかに話しているが、分かり合うことはない。
二人は互いの信念を語り終えた後、静かに戦闘再開。

40%

・互角に渡り合う二人
タイムリミットを止めようとしたところを狙われて、ラスボスが有利に。
とどめを刺される瞬間、相棒到着。
主人公は隙をつきラスボスと危険地帯へ落下、小競り合いののち最終的に二人とも落ちていく。
相棒が命がけで主人公を助けることに成功。
同時にラスボスが設定したタイムリミットが来てしまう。
しかしこれはラスボスが主人公を本気にさせるための演出で、タイムオーバーしても問題なかった。
(塔が爆発するのではなく、花火が上がる)
ミッドポイント

50% 幕転換

・事件のその後が描かれる
重傷を負った仲間は生きている。
ラスボスも生きのびていて、変わらず信念に基づいた行動をしている。
組織の日常にこれまでのモブや刑事などもいる、しかし主人公だけが居ない。

・相棒の任務シーン
南国の島で任務と見せかけて、主人公を探しに行った。
相棒と二人でお茶しながら会話。主人公は助かった後、自ら姿をけしたことが視聴者に明かされる。
相棒が持ってきた黒幕からの手紙で、主人公は生き延びたことに吹っ切れ、前向きになる。
※本当は主人公にとって不本意になりそうだったメッセージは、上司が先に取り除いている → これは仲間との会話の中で視聴者に知らせる。
(これによって黒幕がわざわざ手紙を送った事や、主人公が前向きになれる行動にご都合感がなくなる)
相棒に言われたことをきっかけに、主人公はやりたいことをやろうと決める。

・エピローグ
これまでの組織の仲間と、新天地で今までと同じような日常を暮らしている



13話おしまい


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