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映画「愛を読む人」プロット抽象化 プロット制作に使えます

●全体の特徴
・過去の回想メインがメインだが、現在の主人公も一緒に進んでいく系統のプロット
・青年時代の過去回想以外に、現在より少しだけ前の過去回想も入るのでちょっとややこしい。が、特に混乱せず見られる。
・三幕へはグラデーション気味に以降

※メインプロットは●、サブプロットはSと表記

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●掴み
S1【セットアップ】
・誰かと会っていた主人公。これからのサブプロットの話している(娘と会うんだ)

●セットアップ1
・青年時代、過去回想開始。

●日常が破壊される予兆
・体調の悪そうな主人公。※天候は雨
・通りすがりの人が助けてくれる。これがヒロイン。さらに家まで送ってくれる。
・家に帰り、家族が医者を呼ぶ。数か月安静にしなければならない病気。

●冒険の誘い → 拒否
・主人公は快復。家族に助けてくれた人がいるのを教える。
・お礼をしに行くことに。(これは家族に場所を教えてもらった?)助けてくれた人の家へ
・相手の職業のアイテムを見つける(電車の駅員)
・相手は主人公にとって性的な魅力がある
・魅力的過ぎて逃げてしまう

8%

●インサイティングイベント
・勇気を出してもう一度会いに行く
・ちょっとした事故から相手にまた世話になることに(石炭を運んだら汚れたので風呂に入ることに)
・主人公がひそかに期待していたことが起こってしまう(えっちなこと出来たらな~、と期待していたら相手が体を求めてくる)

●準備
・帰りが遅くなり家族に心配され、ちょっともめる
・嘘を吐いて謝った後、まだ早いが無理に次の日から学校へ復帰すると主人公は親に告げる
・学校へ行くというのは嘘で、ヒロインに会いに行く。

●プロットポイント1
・三回目で初めて相手の名前を聞き、肉体的以外の距離が少し縮まる

17% 2幕へ

●セットアップ2 お楽しみパート
S2【お楽しみ】物語の重要なシーン
・授業中。今の状況っぽいものを国語の教科書で暗喩。
・授業を抜け出して、ヒロインに会いに行く。
・物語のモチーフになるものが登場。(主人公の日常をヒロインは聞く。授業での国語の朗読をすると、ヒロインは「美しい」といって興味を持ち、もっと披露してくれるように頼む)
・褒められる主人公。(特技となる。朗読)※ヒロインに唯一褒められたもの。

20%

S2【インサイティングイベント】
・主人公はヒロインの職場に会いに行く。しかしヒロインはそれについて激怒してしまう。
・主人公はどういうつもりか聞こうと会いに行くが、喧嘩になってしまう。

S2【食らいつく】
・出ていけと言われ一度出ていくが、帰ってきて必死に謝る。仲直り。
・主人公は本気度を伝える。ヒロインは本気ではなかったが、徐々に気になっていく。
・主人公の特技を披露しつつ、体を重ねつつ、仲良くなっていく

S2【プロットポイント1】
・とあるとき、主人公からヒロインに提案がある(一泊の旅行にいかない?)

26%

S2【お楽しみパート】
・主人公の計画開始(旅行へ)。
・外へ出たことで、他人の目が気になりだすヒロイン。(二人の関係は環境からはあまり好ましくないようなもの。年の差)。主人公もわかっているが気にしない

S2【ピンチポイント1】
・二幕後半の重要な伏線。(料理を頼む時に「あなたが頼んで」というヒロイン。ヒロインが識字できないという伏線)

30%

S2【ミッドポイント】
旅の途中、主人公はヒロインへのプレゼントを仄めかす。
※水浴びしながら

S1【セットアップ】続き。主人公の日常紹介
・現在の主人公のシーン
前のシーン(S2【ミッドポイント】)のプレゼントを眺めている。その後仕事へ急いで出かける。
現在、主人公が何の仕事をしているか知らされる

S2【忍び寄る悪者】
・再び過去の青年時代。新入生がやってくる(主人公に気がありそうな女性)ヒロインB。
・ヒロインBは主人公と仲良くなろうとするが、主人公はヒロインと会うためにすぐ帰ってしまう。
※旅行のシーンでヒロインが主人公との関係をちょっと気にしているからこそ、ここが少し不安要素に見える
・ヒロインの元へ急ぐ主人公
ちょっと遅くなったことを謝るが、何かを察していそうなヒロイン

・次のシーンの伏線と、物語後半の重要な伏線
ヒロインの仕事シーン。事務職へ昇進が決まるが嬉しそうじゃない(識字できない、という伏線)

S2【ピンチポイント2】
・主人公の為に友人が用意してくれたパーティーがあるが、それもいかない。ヒロインBはちょっと不満そう。
・ヒロインの元へ行く主人公。ヒロインは何故か不機嫌で、喧嘩になる。誕生日でパーティーをほっぽってきたことも打ち明ける。(ヒロインが主人公を想ってこの関係に悩んでいることは明らか)
・微妙に仲直りしたあと、体を重ね、ヒロインは友達の元へ行けという
・主人公がいない間に、ヒロインは簡単に荷造りして出ていってしまう
・友達の元へ戻るが、ヒロインが気になって仕方ない主人公。

S2【死の臭い】
・結局ヒロインの元へ戻ってしまう。ヒロインがもういなくなっていることを知る。

40%

●ピンチポイント1
S2【闇夜を彷徨う魂】
・主人公が家に帰ってくる。家族に心配されている
・湖で一人うなだれている主人公。自殺をほのめかす演出→普通に泳ぐだけ

S1【インサイティングイベント】
・前のシーン(S2【闇夜を彷徨う魂】)を思い出し呆然としていた主人公。
・娘が来ていると同僚に言われて我に返る。娘に会いに行く
・世間話をした後、食事をしながら自分の問題を語る。(誰にも打ち解けない)
・娘を送り届ける。(離婚していて、たまにこうして食事して会っている)

S3【セットアップ1】
回想シーンに戻る
授業シーン。時は進んで大学生になっている(今までは15歳)
・ここでとある女性と出会う(ヒロインC)
・そのヒロインCともちょっと良い感じになる

S3【日常が破壊される予兆】
・主人公の身分の一環でとある場所へ(法律関係の大学で、裁判の様子を見る実地授業)
・そとではちょっとした事件(デモと警官)

S3【インサイティングイベント】
・この授業でヒロインと偶然出会う(被告員がヒロイン)
とんでもない事件の被告の一人だった(別れた後、ユダヤ人収容所の看守をやってた)
・愕然とする主人公。心配する支援者(大学の先生)

46%  ●ミッドポイント?

S3【問答】
・帰り。うなだれている主人公へ、支援者が授業はどうだったか聞く。答えることができない。隣の学生が責めるようなことを言う(正義の鉄槌だ)
・悩む主人公を視聴者へ象徴的な見せ方(向かいの大学寮が丸見えで、ヒロインCの部屋と、セックスしているカップルの部屋が交互に移る)
この事件についての講義のシーン
※ここから裁判と、この裁判に関する講義シーンのカットバックが続く。
・ヒロインが起こした事件について正義とは何か問われている。

カットバック 約50%

●忍び寄る悪者
S3【ピンチポイント】
・ヒロインの裁判シーン。自分を貶めるような不味い答弁をしていく。
・証人が出てくる。最初は擁護しているようだったが、やはりヒロインは貶められる。
・この時の証言に、主人公との過去が関わっている。
(主人公と関係を持つときに、いつも朗読してもらっていた。収容所の中でも弱い人などに食べ物を与え、自分の部屋に呼び、本を朗読させて聞いていた)それに気づき、主人公は頭を抱える。
・次の証人がさらにヒロイン(達)のやった悪行を告白する。ヒロインは言われてやっただけだが、前の証言でやるしかなかったと答えている。

S3【ミッドポイント】
・講義シーン。
・明らかに悪かったヒロインたちをどう擁護するか、論議している。
・一人が正義心で周りを煽る(間違ったことは言っていない)
※主人公はヒロインを擁護したいので、その対立役
・ヒロインがかつて行った悪行の場所を一人で訪れている主人公

S3【忍び寄る悪者】
裁判シーン
・仲間にも裏切られて絶体絶命のヒロイン。
・証拠を否定できたが、それはできなかった(筆跡を確認できれば証明できるが、識字できないことを告白するより、罪を認める方を選んだ。今までの伏線回収)
※主人公は旅行の時に彼女がメニューを読めなかったことや、朗読しなかったことを思い出し、その証明が無理であることを法廷で主人公だけがわかっていた。
やりきれなくなり、一度出ていく

63%

S3【ピンチポイント2】
講義シーン
・支援者は主人公が何か知っていると思い、二人きりで問いただす。
・主人公は支援者に相談する(ヒロインが証明できなかった理由を知っているが、ヒロインがそれを知られたくないために言うべきかわからない)
・支援者が知られたくない理由を聞くと(視聴者も知りたい)、主人公は恥ずかしいからだろう、と答える。とてもじゃないが、直接会うのも無理。
支援者には事情が全く分からず、助言ができない。

〇食らいつく
・拘留されているヒロインシーン。
・面会があると言って呼ばれる。主人公が面会にきている。が、やっぱり会えずに途中で逃げ出してしまう。面会を待っていたヒロインはがっかりした様子で帰っていく

〇食らいつくのシーンのリアクション
・主人公が帰るとヒロインCが部屋で待っている。
・既に付き合っている。抱いた後、ヒロインを思い出し、一人で寝たいと言って部屋を出る

S3【死の臭い】
・裁判シーン。最終判決。
・ヒロインが来るとヤジが飛ぶ。
・ヒロインが嵌められた証明が出来なかったため、ヒロインにだけ特別重い刑がかされる。
・それを聞いて、主人公はひそかに涙する。

70%

●ピンチポイント2
S1【問答】
・現在の主人公のシーン。少しだけ過去。
・小さい娘と何処かに向かっている。母親に、嫁と別れることを報告
・昔の自分の部屋を整理している。
・ヒロインに朗読した本を見つけて懐かしくて少し読む。そしてある事を考える様子。(ヒロインを思い出し、関わろうか考える)

S1【プロットポイント1】
・ヒロインの囚役中のシーン(※ここが「愛を読む人」のテーマ回収)
・主人公との思い出の品を受け取る。(郵便があり、開けると録音テープ)
・長い年月をかけて、本棚の大量の本を全て録音していく。(※これで時系列は現在になる)
(主人公が朗読を録音するのと、ヒロインが嬉しそうに聞くのをカットバックで見せる)
・ヒロインは初めて刑務所内の本を借りる

78%

S1【セットアップ2】
・録音と本を使って勉強を始める
※初めて字として覚えた単語を口に出す「the・・・」

S1【ミッドポイント】
・主人公の元に手紙が届く。拙い文字でヒロインのお礼が書いてある。
・そこからヒロインの手紙が続く。が、主人公は返せない。
・しばらくして刑務所から電話、ヒロインが出所するから何とかしてほしいと頼まれる。身寄りが主人公しかいないから、あなただけが頼りだと働いている人に言われてしまう。

S1【忍び寄る悪者】
・ヒロインをどうしようか問答する主人公。
・刑務所に面会へ。二人は数十年ぶりに再会。出所前に話をしにきた。
・主人公はヒロインが自分の犯した罪をどう考えているか聞きに来た。あまり満足のいく答えは得られない。二人はそんなにいい雰囲気ではない。
・次週迎えに来ることを伝えて面会を終える。

86%

●死の臭い
S1【ピンチポイント2】
・憂いを抱えて帰る主人公
・ヒロインが自殺をほのめかすシーン。
S1【死の臭い、闇夜を彷徨う魂】
・主人公が出所日に花束を持って迎えに行くと、既に自殺している。呆然とする主人公。
・ヒロインから遺言がある。
S1【プロットポイント2】
・自分が起こした罪の生存者(裁判でいた証人)に銀行の全財産ととあるアイテムを渡してほしい、と頼まれる

92% ●プロットポイント2 3幕へ

●クライマックス
S1【クライマックスへの準備】
・主人公はヒロインの遺言を叶えるため、証人に会いに行く
・裁判の時の話になる
・ヒロインも主人公も何も赦されていないが、この被害者と話せたことで主人公には一種のカタルシスを得られる。アイテムは本人のもので、お金は寄付する。

97%

・主人公を見送る証人
・アイテムを亡くなった家族のもとに飾って、少し満足そう

●エピローグ
S1【クライマックス】
・娘をサプライズだと言ってどこかへ連れていく主人公(ヒロインの墓)
・娘にヒロインの事を話すことを決心している主人公
・娘は聞きたいと言って、歩きながら話す。

※娘は父親を知りたくて、S1【インサイティングイベント】であった「誰にも打ち解けない」のゴーストをずっと知りたがっていた。主人公的にも、打ち明けることで変化、カタルシスになる。

終幕

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