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【ラノベ】夏へのトンネル、さよならの出口 / プロット分析、抽出

●全体的に
・セットアップでの主人公のドラマの見せ方が上手い
・序盤、二回非日常に行くパターン(トンネルの発見、ヒロインと手を組む)
・非日常に飛び込むまでの葛藤が丁寧(何度もやめようとする)
・いじめっこが関わることになる定石パターン
・ちょっとしたツンデレや、私生活でキャラのギャップを見せるのが上手い
・クライマックスの追い込み
・友人との絡みは時間経過用(捨てカット)のシーンが多い

●ちょっと感想
・序盤はゆったりで主人公にも主体性がなく「ふーん」って感じで読んでたんですが、クライマックス付近から分析を忘れて一気読み。ラストの妹のシーンは普通に泣く。映画化も納得の出来でした。

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※●はメインプロット、Sはサブプロット、Cはコミックリリーフの略

●セットアップ1
・主人公がいる環境を見せつつ、物語の題材を聞いたか坊主で紹介(メリットとデメリットを紹介)
・次のシーンの伏線(転校生がくる)
・ヒロイン紹介(転校生)
友人からの聞いたか坊主。馴染めない系の強い性格、そこにいじめようとする主要キャラ(以下キャラA)をぶつける、対立とキャラ紹介の二段構え。
・キャラAに絡まれる主人公、言いなりのところをみていた友人が言いたいことは言えと叱る。

●破壊される予兆
・帰宅時、ゴーストについて触れる(妹の幻覚を見る)

6%

●Death(妹が死んだエピソードなので)
・帰宅してからついさっきみたゴーストについての説明(妹の仏壇があることで死んだとわかる)
・何故ゴーストを背負うことになったかのエピソード

・日常を紹介(家事で捨てカット)。すぐに対立。親と上手くいってない。
その事に対するリアクションで、主人公が辛い状況にある逸話を含めての説明(自分は母の浮気の子供、死んだのが自分だったらなと言われた過去、家事をやるが台無しにされる、など)

10%

●冒険の誘い
・前のシーンで嫌なことがあったので気分転換で外へ。その最中冒頭で聞いた物語の題材を発見。まさかな、と引き返そうとするが、ゴーストのことを思うと試してみようかと探索を続ける。

●インサイティングイベント
・やはり何もなく帰ろうとしたとき不思議な場所に出る。アイテムを発見、それはゴーストに関するもので、そこが噂の場所だとわかる(昔の妹のサンダルが落ちていた)

進むとさらに裏付けるものが見つかっていく(死んだペットがいる)
いよいよ本物か、と確信し始めた時に、先に進むことへのデメリットを思い出す(欲しいものを得ると老化する)
迷い、一旦引き返す。
戻ると、デメリットを受けていないようて安心する
日常に戻りると、非日常が嘘のように思えてくる。が、アイテムがそれを忘れさせない(妹の靴)

●問答
・帰宅すると仲の悪いはずの親がかけよってくる。過剰に心配している。デメリットを少し受けていることを知る(一晩のはずが一週間進んでる)
これはどういうことだと狼狽し、次の日にまた調べることにする。

15%

・一旦日常(学校)へ。デメリットの影響を少し受ける(一週間サボったことになってる)
友人に会う。友人からデメリットについてのヒントをもらう(浦島効果の読者への説明)

 S1【インサイティングイベント】
・その最中、ヒロインがキャラAに嫌がらせを受けている現場に直面。とうとうヒロインがやり返し、キャラAを撃退

20%

 S1【逃げられない】
・キャラAは危険な秘密兵器をだしてくる(不良の支援者)。これは前半にそんなものがいると伏線あり。ヒロインは連れていかれる。友人が助けに行くので、仕方なく主人公も着いていく
 S1【Death】
・追い付くと暴力沙汰に。止めようとするが、ヒロインは先に秘密兵器をなんとか退けてしまう。過激になってきて逆にヒロインを止めることに。主人公は相手の身を案じて安全なところまで送っていく。まだ関係は最悪。
・少しゴーストに関する話をして(ヒロインに親がいない)、地雷を踏み、逃げるように退散

23%

●準備
・主人公は物語の題材(非日常の場所)、特にデメリットについて調べる。その最中、何故か非日常にヒロインがいる。ヒロインは事情がわかっておらず、とにかく急いでそこをでる。
秘密にしておきたかったが、ヒロインから説明を迫られる。仕方なく知っていることだけでも説明することに。

●プロットポイント1
・ヒロインは非日常のメリットとデメリットを信じ、そのまま何故ここにいるかの説明や、欲しいものを言う。
・ヒロインにも欲しいものがあるらしく手を組まないかと提案
・主人公は断る理由もなく、渋々手を組む。話して少し仲良くなっている

28%  二幕へ

●セットアップ2 作戦
・非日常について実験の開始。ヒロインがまずは提案。
・実験を行いつつ主人公と真逆の性格てあるヒロインを見せる
・実験をしてデメリットについて少しわかることがある。ヒロインは喜ぶが主人公は不安がる。デメリットについてもう少し調べた方かいいと結論

31%

●依頼
 S2【インサイティングイベント】※S2は主にキャラAのサブプロット
・日常にて、キャラAが居ない。それについて関わるように言われるイベント発生(ヒロインにやられて登校拒否している、テストを届けてくれと担任から依頼)
・ヒロインとの約束があるので拒否するが、弱みを握られていてやることに。ヒロインにそれを話すと、何故かついてくる。
C:キャラAの家までの移動中にコミックリリーフ(2ページ)

S2【逃げられない】 【プロットポイント1】
・依頼を渡してすぐ帰るつもりが引き返せなくなり(夕立、直前伏線)、キャラAの支援者が留まるように説得、関わることに(夕立止むまで家に上がる)

36%

 S2【ピンチポイント1】
・ヒロインとキャラAが口喧嘩、痛いところをつかれ、再びキャラAはぼこぼこにやられてさらに泣いてしまう。支援者が間を取り持つ、キャラAの弱い部分を話す(寂しがりや)
・主人公はヒロインをなだめてキャラAに謝ろうとする。嘘をつかないヒロインの性格を羨ましがるキャラA。主人公が助け船をだすよう促す。ヒロインは自分の価値観を話し、それがキャラAの価値観を変える(ラストに背中を押される伏線)

 S2【ミッドポイント】
・帰り際、今までの謝罪とけじめをつけるキャラA。二人は戸惑いつつも受けとる

・帰路、ヒロインが主人公とキャラAの関係を疑う。主人公は否定し、欲しいのとキャラAが似ているからそういう態度に出てしまうのだろうと結論付ける(捨てカット?)

40%

直前の伏線で回想へ。「欲しいもの」の思い出。現実に戻り、欲しいものがない今を実感する逸話。
「求めているもの」の大事なものを懐かしむ(遺品)。
これは捨てられないように、隠してある(※ラストの伏線)

 S2【忍び寄る悪者】
・日常(学校)へ。キャラAが真逆の格好で現れる(ヒロインの影響で心を入れ替えている)
C:そのことについて友人と話す
・キャラAはヒロインのようになりたいので、がんばって近づく。それについて元友人たちがちょっかいをかける。
※いじめっぽくなる

 S2【ピンチポイント2】
・やられっぱなしのキャラAにしたいし、ヒロインがやり返してやる。
※スカっとする展開

43%

●ピンチポイント1、アイテムを得る
 S3【準備】
・非日常の再調査。ヒロインが用意した次の作戦を実行
C:そこへ向かう最中にヒロインとの中を深める会話
・非日常にたどり着き、作戦実行。作戦中、ヒロインがなぜこの非日常にこだわるのか疑問に思う。作戦中なので、後で聞くことにする。(直前伏線)

 S3【ピンチポイント】
・途中で予期せぬトラブル。とあるアイテムが降ってくる。そのトラブルにてヒロインが戦意喪失。デメリットがせまり主人公がせかす。しかし動きがないので、アイテム集めに手伝う。作戦は大幅に遅れて非日常から飛び出す。

47%

 S3【ピンチポイントのリアクション】
・主人公はヒロインが戦意喪失したアイテムがなんなのか聞く。どうしてもいいたくないのでヒロインはいわない。せめてもと、主人公はなぜヒロインがこの非日常にこだわるのか(欲しいものは何なのか)きく。
・ヒロインにも明確に言語化できないものだが、逸話とともに教えてくれる。これはヒロインのゴーストでもある。

・作戦に遅れ、日常で少し不遇を買う(遅刻して先生に怒られる)
授業中にリアクション。自分が得たものとヒロインが得たアイテムも含め、非日常の場がより得体の知れないもので、謎は溶けない。
もしかしたら陥れられる罠なのかもしれないと、主人公ともに読者の不安をあおる事を考える。

50%

・長期の休み寸前(夏休み)。デメリットの影響で日常に支障を来し、友人に心配されている。

 S4【インサイティングイベント】
・ヒロインと再び非日常に探索へ。目的を少し変える(トンネルにはいるのではなく、出口を探してみる)
・すぐに難航。見通しが甘い。一旦帰ることに。そこでトラブルがあり、ヒロインの家にお邪魔することになる(鍵を落として夜まで帰れない)

53% S4【プロットポイント1】

 S4【お楽しみパート、アイテムを得る】
・ヒロインの家庭の事情を少し知る(祖母と二人暮らし)。ヒロインが居ないときに、ヒロインの秘密をかいま見る。(読者不利。非日常でみたゴーストと関係している)
・他愛ない会話の中でヒロインの過去を聞く(転校してきた理由など)

 S4【ピンチポイント1】
・その流れで主人公に接近した理由も話し、主人公がゴーストのせいで拒否していることが訪れる。(主人公に助けられた時のことを話したあと、告白されそうになる。クライマックスでわかるが、ゴーストのせいで誰かを愛する資格がないと考えている)
・主人公は会話を変える目的で、ついさっきかいま見たヒロインの秘密を聞く(漫画書いてるの?)

 S4【ミッドポイント】
・ヒロインは取り乱すが、主人公は秘密がみたいと押し通す。見せてもらえることに。主人公はヒロインの秘密を心からほめる。ヒロインは喜ぶ。
・その流れで、非日常で見たアイテムのことを聞く。ヒロインのゴーストと関連している(アイテムは昔書いた漫画で、親にくだらないと捨てられたもの)
・そして主人公は非日常のある共通点に気づく。確信はないのでヒロインには言わない。

・時間がきて帰ることに。次はデメリットを伴う最大の作戦の決行となるため、準備に時間をおく。ヒロインはなにか言いたげだったが、聞かずに去る。

58%

●忍び寄る悪者
 S5【インサイティングイベント】
・決行まで数日後と言うとき、とあるイベントにヒロインから誘われる。そこにはキャラAもいる。(花火大会)

 S5【問答】→プロットポイント1
・迷うが、家に対立要素があるので行くことに(父がいる)。ここでちょっとした不穏な伏線。(父が最近、妙に機嫌がいい)

 S5【お楽しみパート】
・三人で目的地へ。会話でコミックリリーフ多め。イベントを楽しむ三人。主人公とヒロインは恋仲感が増す。

63%

 S5【ピンチポイント1】
・そのイベントの場に主人公のゴーストが現れ、打ちのめされる(蒸発した母親を発見し、拒絶される)※父が機嫌のよい伏線にもなってる

 S5【ミッドポイント】
無意識のうちにヒロインを心のより所として頼ってしまう。(落ち着くまで包容する)主人公的にも心の距離が縮まる。

65% ※良いことの後は悪いこと

●ピンチポイント2
 S5【忍び寄る悪者】
・主人公は落ち着いたが憔悴したまま二人と別れて家に帰る。すると、ゴーストの代わりになるものがいて、主人公の問題をえぐる。

 S5【ピンチポイント2】
・これから上向きになりそうな事がすべてだめになる展開が待ち受ける
(再婚相手がいる。良い父親を演じる父。自分や死んだ妹のことは何も考えていない。引っ越すことになり、ヒロインや非日常と離れる羽目になる)

 S5【死の臭い】
・主人公は最悪の気分になり、父を拒絶して自室にこもる。ヒロインから何気ない連絡があり、相手に救われていることを実感する。

 S5【闇夜を彷徨う魂】
・対立要素と完全に距離を置き、主人公は作戦決行の準備。

 S6【インサイティングイベント】
・ヒロインから急な呼び出しがあり、向かう。話があるというのでとある店へ。ヒロインの様子が少しおかしい。

 S6【問答】
・店にたどり着き、本題になかなか入れない。ややあってようやく話に入る。ヒロインの夢が叶いそうなもので、非日常のデメリットと相性が悪い。(漫画家になれるかもしれないが、作戦を決行すると帰ってこられない可能性がある)
・ヒロインは、気持ちは変わらないと口では言うが明らかに悩んでいて、主人公は作戦決行を延期することを提案。
・主人公はヒロインを励まし、元気づけて別れる。

 S6【プロットポイント1】
・主人公はヒロインに言わないまま、自分一人で作戦を決行するため、非日常へ向かう。

73%

ヒロイン視点。
 S6【ピンチポイント1】
・主人公にも相談した、夢への選択を迫られた時の回想で説明。ヒロインは夢ではなく、主人公と非日常に行くことを選ぶ。
・延期を待ってくれている(と思っている)主人公に連絡を取るが、取れない。ヒロインは焦って、キャラAに家の場所を聞いて主人公へ会いに行く。父に聞いて非日常へ向かったのだと確信する。
・非日常の場所へ急ぐヒロイン。その場所で主人公からのメッセージを発見する。

 S6【ミッドポイント】
・おいていったヒロインへの謝罪と、想いが込められている。

76% 三幕へ

●死の臭い
主人公視点。
 S7【クライマックスへの準備】
・非日常で戦っている主人公。ヒロインへの想いを噛みしめ、心の中で応援しながら、欲しいものを求め突き進む。
デメリットを存分に受けながらすすんでいく。欲しい者は依然と現れない。

 S7【新しい価値観への攻撃】
・現れたかと思いきや、それは価値観を揺るがすもの。(昔の優しい父、母、幸せだった頃の日常)主人公はなんとか振り切る。そしてヒロインに言わなかった自分の仮説を確信する。

 S7【クライマックス】
・引き返せないところまできて悩むが、それでも突き進む(水や食料が尽きる)
・限界が近づく。そこでようやく欲しいものにであう

80% 三幕へ

●クライマックスへの準備
・疲労から一度意識を失い、目を覚ます。非現実的な場所で、欲しいものを手に入れている(自分の部屋だが外は知らない場所、妹が介抱してくれている)

●最後の晩餐
・ひとときの幸せを享受する主人公。欲しいものからヒロインについて訪ねられる。主人公が抱えていた問題について、背中を押してくれる(自分のせいで家族が崩壊したようなもので、誰かを愛する資格がないと思っている。妹は誰かを愛していいと言ってくれる)
※罪を背負った原因であるゴースト自身から、解放を受ける
・これにより、ヒロインを心から求める(愛する)ことができる。告白を断った理由の説明。

85%

●新しい価値観への攻撃
・新しい価値観を得て、帰る準備を始める主人公。
・デメリットを思い出し、急ぐ。欲しいものを説得し、一緒に帰ろうとする。一旦は了解するが、出口付近で拒否する。
・主人公は心の中では取り戻せないと気づいている。S4ミッドポイントであった非日常の仕組みでもある、古い価値観(妹の死を受け入れられない)と新しい価値観(人を愛していい権利、前に進むこと)を選ばなければならない。欲しいもの(妹)ではなく前に進むことを選んだ主人公は、欲しいものに背中を押され、涙を流しながら元の世界へと旅立つ。

88%

●クライマックス
ヒロイン視点。
 S6【闇夜を彷徨う魂】
・主人公と別れた日からの回想。苦渋の決断だったが、主人公に背中を押された、夢を追ってきたことの説明。夢を追いながら、主人公をずっと待っている。待っていることへの葛藤。
・キャラAにも相談。二人で主人公について話す。
※ヒロインは待つもの→迎えに行く。主人公は遅れてやってくる
 S6【プロットポイント2】
・キャラAは変われたきっかけである、ヒロインが前に言ってくれた言葉を言う。それに背中を押され、ヒロインは決心し、主人公を迎えに向かう。

93%

●宝を持って帰還
 S6【クライマックス】
主人公視点。
・ヒロインを想いながら、日常に向かって必死に走っている。しかし怪我をしてしまい、意識を失ってしまう。
・意識を取り戻すと、ヒロインが助けてくれている。二人は腹を割り、完全に結ばれる。協力して日常を目指す。

96%

●エピローグ(残っている伏線の回収)
・日常に戻った二人。これからを話し合う。友人やキャラAとも会う。話題になって非日常を見に行ったが、そこにはもう何もなかった。
・主人公はヒロインとともに実家を訪れる。父は引っ越していない。伏線であった隠してある思い出の品を持って行こうとする。そこには父からの手紙があり、現住所がかかれている。
すべて捨てるつもりじゃなかった、と父を少しだけ理解し、いずれの機会に会うかもしれないと持ち帰る。


終幕

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