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【映画レビュー】「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021年) 前編 〜絶望に打ちのめされた少年の前にすべての運命が集う〜

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021 アメリカ 148分)
監督 ジョン・ワッツ
脚本 クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ
主演 トム・ホランド


【あらすじ】
 ピーター/スパイダーマンに嘘がバレたミステリオ。
 スパイダーマンへの銃撃が外れ、ミステリオは自滅。すべてが解決したかに思われた……が。
 ミステリオは自分が倒れる直前の映像を仲間にビデオ録画させ、マスコミに流していた。

 マスコミに流したビデオは、あたかもスパイダーマンがミステリオを殺害したような編集がされており、しかも、全世界にスパイダーマンの正体がピーター・パーカーだと暴露する内容だったのだ。

 あまりのことにパニックになるピーター。
 だが、謎の凄腕弁護士のおかげでミステリオ殺害の容疑は『証拠不十分』として罪に問われずに済んだが、一般人であるピーターにとって正体がバレた影響は甚大だった。
 素顔で道を歩くたびに注目を浴び、スパイダーマンを快く思っていない市民からは罵られ、なによりミステリオを崇拝していた信者たちからは過激な嫌がらせを受け続けることに。
 スパイダーマンの正体バレはピーター自身だけではなく、叔母さんや恋人のMJ、友人のネッドにも迷惑がかかってしまい、MJとネッドの大学への進学をも妨害してしまう。


 それに耐えられなかったピーターはサノスとの戦いでアベンジャーズとして共に戦った魔術を使うヒーロー、Dr.ストレンジに頼み、世界中の人々の記憶から『スパイダーマンの正体がピーター』であることを忘れるように頼む。

 頼みを聞き入れたDr.ストレンジは人々の記憶を消す魔術を始めるのだが、ピーターが魔術の最中に余計なことを次々と言ってしまい、魔術は失敗。

 仕方なく、ピーターはアイアンスパイダーのスーツを着て、大学側に直談判をしに行く。
 だが、そこに巨大な複数のアームを背中に装備したドクター・オクトパスが現れる。

 彼は2004年に公開された『スパイダーマン2』に登場した人工太陽を作ろうしたヴィラン(悪役)だ。

 ドクターオクトパスはスパイダーマンを憎んでおり、問答無用にアイアンスパイダーに襲いかかる。
 身も知らず、会ったこともないタコのような男と戦うピーター。
 戦いの最中、オクトパスはアイアンスパイダーのスーツの一部を剥ぐのだが、アイアンスパイダーの素顔を見て驚愕。

「誰だ、お前は?」

 オクトパスは今、戦っているスパイダーマンの正体が自分の知る人物ではないことに驚く。
 その隙に、アイアンスパイダーのナノマシンがオクトパスのアームをハッキング。オクトパスの動きを封じるのであった。

 すると、今度は空から何者かによる襲撃を受けるピーター。
 現れたのは、2002年公開の『スパイダーマン』でヴィランだったグリーンゴブリンこと、ノーマン・オズボーンだった。



 何故、こんなにもヴィランたちが出現するのか?
 実は先に行ったDr.ストレンジの魔術によって『いくつもの数が存在する並行世界=パラレルワールド』、『マルチバース』の扉が開いてしまい『スパイダーマンの正体がピーター・パーカー』だと知っている人物たちを、並行世界からこちらの世界に呼び込んでしまったのだ。

 ピーターはDr.ストレンジの協力でなんとかヴィランたち全員を捕獲。
 この世界にやってきたのは、グリーンゴブリン(ライミ版スパイダーマン)、ドクター・オクトパス(ライミ版スパイダーマン2)、サンドマン(ライミ版スパイダーマン3)、リザード(アメイジングスパイダーマン)、エレクトロ(アメイジングスパイダーマン2)と、並行世界のスパイダーマンたちと戦ったヴィランたちだった。

 ヴィランたちを元の世界に戻そうとするピーターとストレンジ。
 しかし、ヴィランたちの話を聞くと、彼らはその特殊な能力のせいで後々死ぬ運命にあることをピーターは知ってしまう。

「大いなる力には大きな責任が伴う」

 グリーンゴブリンを捕獲した際に叔母さんに言われたこの言葉と、自分の軽率な行動でヴィランたちをこの世界に呼び込んでしまった責任があるピーターはストレンジの反対を押し切り、ヴィランたちを元の普通の人間に戻してから、元の世界に帰すを決意。

 スターク社の技術を使って、次々とヴィランたちから特殊な力を取り除こうとするピーター。
 ドクターオクトパスを正気に戻すことに成功するのだが、この力を失いたくないと凶行に走ったグリーンゴブリンはピーターを裏切って暴れまわる。
 それに触発されたサンドマン、エレクトロ、リザードも暴走を始め、どこかへと逃げていく。

 グリーンゴブリンと戦うピーターだったが、この戦いに叔母さんを巻き込んでしまい、グリーンゴブリンによって叔母さんは殺害されてしまう……。

 雨の中。
 ヴィランたちの裏切り。街の人々からの非難の声。母親同然の叔母さんの死……かってないほどの絶望がピーターを襲う。


 一方。ストレンジから奪った魔術道具で、行方の分からないピーターを呼び出そうとするネッドとMJ。

「ピーターに会いたい」

 ネッドには魔術の素養があったのか、スパイダーマンを呼び出すことに成功。
 だが、そのスパイダーマンがマスクを脱ぐとネッドとMJの知るピーターではなかった。

「君たちかい?僕を呼んだのは?」

 彼は並行世界からやってきた別世界のピーター・パーカー(演:アンドリュー・ガーフィールド)こと、アメイジング・スパイダーマンだったのだ。


 ネッドはもう一度、「ピーターに会いたい」と叫ぶ。
 すると、今度は40代ぐらいの私服姿の男性がやってくる。
 彼は手首から糸を放つことが出来た。

 彼もまた並行世界からやってきた別世界のピーター・パーカー(演:トビー・マグワイア)で、フレンドリー・ネイバー・フッド・スパイダーマンだったのだ。


 歴代のヴィランたちだけではなく、トビー・マグワイヤ演じるライミ版(フレンドリー・ネイバー・フッド・)スパイダーマンと、アンドリュー・ガーフィールド演じるアメイジング・スパイダーマンが、まさかのサプライズ出演。
 歴代スパイダーマン2人と現役のスパイダーマン、3人のスパイダーマンの夢のコラボが実現したのだ。


 事前情報なしで観たので、いきなりのアンドリュー・ガーフィールドの登場にかなりビックリし、実に14年ぶりにスパイダーマンになったトビー・マグワイアの登場に心臓が止まりそうになった。

 絶望に打ちのめされるピーターの前に、現れた2人のスパイダーマン。
 果たして、彼はピーターを救うことが出来るのか?


 そして、ピーターが下した最後の決断とは!?

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