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32.新しい生活と副業スタート。

翌月、高山の車を借り引っ越しをした。引っ越してみて4.0万円の理由が判明した。隣の建物と接する窓の向こうが南米系の人達が複数人住むマンションで、夜になると大騒ぎを始めるのだ。

特に衛星放送か何かだと思うが海外サッカーの試合がある日に奇声を上げての大騒ぎ。ただ、俺の場合、以前のアパートも周囲の音ダダ漏れだったので、そんなに気にはならないし、同じサッカー好きでもある。しばらくすると、窓を開けたときに目が合ったのをキッカケに仲良くなり、翌月には一緒にサッカーする仲になっていた。

主にブラジルの人達で、工場勤務、トルコレストラン勤務、クリーニング工場勤務、解体業者勤務などの仕事をしているそう。

部屋は4LDKで、現在は全部で8人住まい。戦後、計画移民でブラジルに渡ったTCさんという方の子孫が日本に帰還し、日本と南米との間の貿易業で成功。

そのTCさんが数年前に一棟買いしたビルで、住まい探しに困りがちな南米系の出稼ぎの方に提供しているのだそうだ。名前も8人中4人が沖縄系の苗字だった。

8人ともサッカーの国ブラジルで生まれ育っただけあって、皆達者だった。ただ、体育会サッカー部だった俺の方が実力は若干上で、本気で1対1で勝負すると勝ててしまう。彼等はサッカーに関してはプライドが高いので、3回に1回はわざと負けたりして、おもてなしサッカーをしてサッカー王国出身の顔を立ててやった。とまあ、色々ありながらも、新しい家での新しい暮らしが始まった。

転居後のあれこれが落ち着くと、個人事業主の開業届けを税務署に提出して副業をスタートした。スタートした、とは言っても、最初は情報収集だ。副業と言っても色々ある。

情報商材。(成功ノウハウなどをまとめた電子書籍等を1万円~5万円程度で販売するビジネス)
オークション。
アフィリエイト。
輸入ビジネス。(海外のショップで安く仕入れた商品を通販サイトを作って販売する)
SEO記事ライティング。(ウェブサイトの記事を1文字幾らで執筆する)

その中でも惹かれたのが輸入ビジネスだった。早速、バイト帰りに書店に寄り、輸入ビジネスに関する書籍を2冊入手。空いてる時間という時間を縫いながら、マーカー片手に2冊を3度も読み倒した。ある程度、やり方が分かったので、土日を使い、とりあえず始めて見た。

やり方はこうだ。そこそこ名のあるブランド品をリストアップし、海外のウェブサイトと日本のウェブサイトとを比較して、価格差が大きい品を選別する。月数百円で使用可能な通信販売サイトに写真と文章を掲載し、ブログやウェブサイトでブランド名+「キーワード」でそこそこボリュームのある記事を書く。

すると、検索経由でブログにやって来た人が通信販売サイトに流れて商品を注文する。注文を受けた段階では在庫は抱えてない。もちろん配送迄に時間が掛かる事も伝えておく。それを現地(例:米国のワシントン州)で日本人が経営するポストオフィスの住所で購入し、そのポストオフィスが契約しているコンテナ便で送って貰う。

通常はバック1つで数千円もする配送料が千円程度にまで下がり、インボイスも代行してくれる為、手間も省ける。

だが、いざ取り組んでみたものの、商品選び、ウェブサイト制作、お客さんとのやり取り、振り込みの手続き、お客さんの自宅への配送、帳簿などの細かい作業が多く面倒なのと、ブランド品に関する知識がなさ過ぎて商品探しに時間が掛かることから、2件だけ成約した上で撤退した。


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