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タイでは見たことがない県境を跨ぐ神社

 タイは寺院(ワット)がほとんどで、神社のようなサーン・ジャオは数が少なく、あっても規模が大きくない気がする。街中の祠を含めれば無数にあるけれども、結局、日本のように神仏分離されていないことからか仏教とアニミズムが習合したまま、仏教が強く発達したのかなと思う。

 タイも仏教は中央に管理するような組織がある。だから、自由に寺院を建設はできず、許可や根回しが必要らしい。勝手に宗派を造ることもできない。県ごとに管理されているのかはわからないけれども、タイの場合、県境に跨った宗教施設はそんなにないと思う。

 日本でも数少ないけれど、調べていたら北関東にそんな神社があった。「鷲子山上神社(とりのこさんじょうじんじゃ)」で、栃木県と茨城県に跨っている神社だった。

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 どんなところだろうかと期待して行ったら、こんな感じ。むしろ、ここだけが県境を示すもので、それ以外は特に「県境だから」というものはなかった。

 仮にこの階段の半分で分かれているとしても、山頂の本殿は左側にあるので、栃木県の神社になるはず。実際、鷲子山上神社の公式サイトも住所は栃木県になっている。

 ただ、サイトによれば本殿も半分は県境を跨がっているようだ。だから、同じ神社ではあるものの、栃木県と茨城県の両方で指定文化財になっているという、いずれにしても珍しいケースのようで。

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 早朝に着いたのだが、天気はよかったものの、駐車場や、道のりの途中では一部雪が積もっていた。

 鳥居をくぐると下記画像のように本格的な階段になるのだが、その手前にある山門は木造で、厳かな雰囲気があった。早朝で人がいないからしんと静まり返り、雰囲気がよかった。

 タイの寺院は今はコンクリートなどで造られているし、昔のアユタヤやチェンマイにある古い寺院はレンガを積み上げたような構造になっている。カンボジアのアンコールワットを始め、タイ国内にもあるクメール王朝の寺院は石を積んで建てられている。このあたりが日本の神社仏閣とは違うのだな。どちらがいい悪いではないけれども、木造の方がありがたみがあるような気がしてくる。

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 長い階段を登ると本殿がある。途中、富士山が見えるというスポットがある。ちょうど杉の森に隙間ができ、そこから富士山が拝めるのだとか。残念ながらこの日は、というか早朝だったからか、光の関係で見えなかった。

 タイだと寺院の階段といえばナーガの手すりが多いが、階段もやたら多い気がする。勝手なイメージだが教会やモスクは平地にあるような。仏教と神道あるいはアニミズムは高い場所によくある気がする。

 階段が長いと、体力がないので、参拝するだけで修業した気分になれるのはありがたい。ここは山の上の神社ということで、この階段は避けては通れない。チェンマイのドイ・ステープの寺院よりは階段は長くないし、寒いから汗だくになることもなかった点はよかった。やはり神社巡りは早朝に限る。

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 本殿は、一番最初のものは807年創建なのだとか。身一つで階段にゼイゼイ言っていたが、昔の人はどうやってここに建材を持ち込んで建てたのだろうと思いを馳せる。

 アンコールワットに初めて行ったときはまだそれほどモラルが高くなかったこともあって、どこでも自由に入ることができた。2000年か2001年か。当時地雷原がどれくらい安全化されていたかは記憶にないが、少なくともアンコールワット内はどこも問題なかった。

 子どもたちがたくさん待ち構えていて、なんとかガイドになって小遣いをもらおうとしていた。そんな子どもたちのカタコトの英語で東西南北がしっかりと測量されていることを知った。そのときから遺跡に興味を持つようになったし、今でもアユタヤなどのタイの昔の遺跡よりコラートやブリーラムなどにあるクメール王朝に関係する遺跡の方が好きだ。

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 鷲子山上神社本殿の裏には稲荷神社があった。どうも、裏手は長い散策コースになっていて、こちらは緩やかな坂になっている。階段がつらい人や、じっくりと鷲子山上神社を堪能したい人には向いているようだ。

 そもそも、ここはサイトを見ると金運に特に強いというか、人気がある神社のようだ。ふくろうの像を祀った神社もある。フクロウ=不・苦労ということで、不労所得として宝くじ当選に絡めて参拝客が多いらしい。

 上記はボクのインスタのアカウントだ。最後の画像がそのフクロウの神社のもの。柱があったり、鐘があったり、それらを触ったり鳴らすことで当選のご加護があるらしく。

 東京の池袋駅にある池フクロウと姉妹関係なのだが、友好関係にあるみたいな看板もあった。ということは、ここで参拝して、池袋に行って宝くじを買えば当選一直線なのでしょうか。

 この記事で書いているように、西向きの宝くじ売り場が池袋にあるのだ。記事では東口のみずほ銀行と書いているが、西口方面、池袋駅構内の地下にも西向きの売り場があるようだ。こちらは高額当選の履歴もあるところなので、どちらかがおすすめで。

 ケチをつけるわけではないが、鷲子山上神社のフクロウ、もうちょっと厳かな感じにできなかったのだろうか。かわいいキャラクターの雰囲気が出すぎているので、木彫りとかで厳格な雰囲気にしてあるとなおよかったのにと思う。

 県境にあるので、栃木県と茨城県の両方から入れるようだけれども、公式サイトでは茨城県側から来ることを勧めている。実際に通ってみたけれども、確かに茨城県側の方が道幅が広くて、対向車に遭遇したときには栃木県側はちょっときついかも。

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