こういう店がバンコクにあったらいいのに「マグロ尽くしコース」

　数年前に東京の中野の辺りにあるマグロ尽くしのコースがある居酒屋に連れて行ってもらったことがある。たぶんここのオリジナルというわけではなく、東京だけでもこういう店は何軒かあるはずだが、初めてで感動した。バンコクでこの手のコースはないのではないかな。やっぱり日本の「食」のバラエティはすごいと見せつけられた気がした。

　詳しくないので、これがクロマグロなのかキハダマグロなのかとかはわからない。注文したらこのように背骨の一枚が丸々、我々のものになるっていうのがすごいなと感動する。なんだか特別な時間を独り占めしているような。

　バンコクだとマグロは基本的に高いという印象だ。ちょっと余裕のある飲食店なんかは、マグロの解体ショーなんかをやってパーティー感を出す。中には本マグロと思わせておきながら、キハダだったりするの店もあるのだけれども。いずれも客がいつでも頼んで食べられるものではなくて、あくまでも特別なときのものだ。それが東京ではこうやって、誰でも頼めることがすごい。

　こうやってスプーンで削り取って、食べる。なんて贅沢な。ちょっと酒が入ってくると面倒になってくるけど、こんな食べ方はそうそうできないので、ただただ感動する。

　もちろん尽くしなので、刺身も出てくる。同じ身から取っているとは思うが、なんなら目の前で解体してほしかったなというわがままもちょっと考えたり。

　そもそもで言うと、やっぱり日本においては和食が一番おいしい。刺身の鮮度にも毎回感動する。スーパーの鮮魚売り場が刺身前提なんてタイではまず考えられない。

　当然ながら種類も日本は多い。やっぱり南の温かい海では魚の身が締まらないのか、近似種でもタイで捕獲されたものは刺身に向かなかったり。だから、多くの魚が日本からの輸入になる。それで高額になるという事情もある。バンコクは日本人経営店はしっかり管理しているし鮮度もいいけれど、さすがに日本とタイの距離を縮めることはできない。

　先ほどの身をこそぎ取って食べる場合は、そのまま食べてもいいし、のりもついてくるので、酢飯と一緒に手巻き寿司もできる。って、こんなに贅沢な手巻きずしがこの世にあるのか。いちいち喜ばせてくれる。

　こういうのも日本の素晴らしさのひとつだと思う。サービスは過剰だとは思うものの、タイみたいに無礼な店員とか少ない（いないとは言えないけど）ので、快適に食事が楽しめるのは日本ならではといったところか。

　こういう鉄板もくれるので、先ほどの刺身を焼いたりできる。っていう食べ方だったはず。もう感動し過ぎて飲みまくっているからこの辺りから記憶があいまい。

　あるいは、終電が気になっていたかもしれないな。東京は電車があるので移動が便利だけど、その反面、終電が気になってくる。日本滞在時はだいたいみっちり予定を入れているので、朝までコースは厳しいから。

　こんな、ステーキ的なものもあった。これも酒に合って最高だった。確か、この店は飲み放題プランもあったので、なんかしこたま飲んだ気がする。

　こういうのがタイに来たらいいのにな。バンコクなら終電気にせずに飲めるし。まあ、むちゃくちゃ高くなりそうだから、結局行けないんだろうけどね。