実家から出た学生が、住民票を居住地に移した方が良い理由
ワクチン接種券の話で考えた
札幌市内で新型コロナワクチンの推奨をしてる皆さんの
「どうして20代のワクチン接種率が上がらないか」
というツイートで、こういうものがあった。
もしかして札幌市外に住民票がある学生が「住所地外接種届」を出すのが面倒でワクチン接種に至らないというのもあるかも。
一部「住所地外接種届」をしなくても接種可能な病院もありますが、かかりつけのない健康で忙しい学生が病院にわざわざ問い合わせるかは疑問。
https://t.co/z3p7jDIeqe
これはかなりあるように思う。
危機管理としても、学生が住民票を居住地に移す必要というのを考えなければならないのだ、と思った。
私は高校1年で親元から離れ、この時点で親元から住民票を切り離していた。以後はずっと住民票の在り処は居住地と一致している。
親元を離れた大学の友人にも、住民票を移さなかった人は一定数いた。どの程度の割合でそんな学生がいたのかはわからない。
でも少数派というほどの人数とも思えないところがある。
特に「卒業したら地元に戻ってこい」という紐付きの学生にはこういうケースが多いだろうと思う。
(ちなみに、大学出身者は大学生→若手社会人にしか目に行かない癖があると思うのだが、北大のように医学部があって職域接種もできた大学より、他大学の学生や専門学校・短大生の接種率を気にした方がいいと思う。)
住民票を居住地に移すべき理由
私の経験上、住民票を居住地に移すデメリットは、引越し時に役所・役場に出向く面倒さくらいしかない。
そのくらい、地元の役所・役場から受ける恩恵は大きい。
・公的書類が地元で取れる
最近はマイナンバーカードで一部書類のコンビニ印刷もできるが、なんせマイナンバーカードは大人でもあまり持っていない(笑)。学生なら言わずもがな。
住民票を移した後なら、住民票の写しくらいなら地元で申し込めば即入手できるのだから、極めて楽だ。
なお、学生で一番威力を発揮するのは、運転免許証の取得の時だろうと思う。
・手厚い住民へのフォローを受けられる
まず引っ越し手続きをすると、その新しい居住地の情報がいろいろ手に入る。
特にゴミ捨て情報は取得必須。ひとり暮らしでは無いと詰む。
公的機関の場所や連絡先もつけてくれたらなおOK、だけどこれは自治体によるところはある。
ただ役所内にはそういうお役立ち情報のチラシは山ほどあるので、めぼしいものを片っ端から集めるのもいいと思う。
その他、例えば不慮の事故や病気で福祉の手を借りなければならなくなった場合、等でも、役所・役場に住民として認識してもらう必要がある。
・選挙権が行使できる
18歳以上に送られてくる選挙の投票券は、住民票のあるところのものだ。
普通に考えて、わざわざ選挙のために帰省する人はいないし、そんなことをしても自分の居住地には何の影響も与えない。
だから、自分の権利のために住民票を持っていくに限る。
ちなみに、私の初の投票は大学所在地の市長選だった。
たかだか2年弱の市民生活で何をジャッジできるのか?と悩んでいたが、
ギリシャ哲学の講義の真っ最中に講義の邪魔になるところで演説を始めた候補だけは「絶対落とす」と思ったので、そういうジャッジをできる機会は持っておいて損はないと思う。
(なお、選挙権の移行には時間がかかるため、引っ越しして3ヶ月以内だと実家に投票券が届いてしまうことがある。こればかりは仕方がない。)
・危機管理のため
居住地が災害に巻き込まれた時、「今ここに○○さんが住んでいる」という情報が必要になることがある。
「住んでいるはずの人がいない」も「誰かわらかないが人が住んでいた」も、混乱をきたすもとになる。
冒頭に書いた、新型コロナワクチンの接種券についても同様だろう。
想定外の災害に対応できない、という点では同一だ。
・気持ちが自由になる
上級学校に入るにあたり、「卒業したら帰って来い」という保護者は割と多い。
元々家業を継ぐ前提の進学ならそれでいいとしても、そんな事情がないなら住民票を切り離すことをおすすめしたい。
例えば「今こんな勉強をしているので、これを活かした仕事がしたい」とか「今の居住地が気に入ったので戻りたくない」とかの理由ができた時、改めて住民票の移動の手続きをするのは面倒な話だ。
将来の見込みが変わるかもしれない時の、心の自由を確保する、というのも生き方として大事だと思う。
そういう保護者さんが住民票の移動にすんなり応じてくれるとは限らないわけで、それなら「学生」という大義名分があるうちにさせてもらった方が良い。