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V6結成26年記念 ~CDアルバム「STEP」発売日ですが「The ONES」の紹介するよ・楽曲紹介編~

この記事は前記事からの続きです。
V6の結成26周年記念アルバム「STEP」の発売日に、1つ前のアルバム「The ONES」(2017年発売)を紹介する記事をmixiより加筆・訂正のうえ掲載しています。

ここから各曲紹介だけど、ここからが長いです

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このアルバムは「14曲」と「16曲」の2パターンがあるため、先に14曲(初回盤)の流れで紹介し、16曲の方(通常盤)の追加2曲を後に紹介する。


1.never

時計の秒針と目覚ましアラームのサンプリング音で刻まれるリズム。

まさにアルバムのスタートにふさわしい楽曲である。

歌詞は後ろ向きで、目を背けていた現実に向き直るという内容である。そういう曲はV6曲には多い…。

随所に挟まれる「tick tack」が、主人公の持つ切迫感をよく表している。
最初の秒針・アラームに重なるように「tick tack」は始まるが、ここでしれっと合唱になる(コーラストラックとは別に)のは、V6に詳しくない人には軽い驚きを抱くかもしれない。V6メンバーの声質はあまり揃っていないので、こういうことをやるとうまくハマるのだ。

振付は、時間をテーマにしているだけに、時計の針のような腕の振りが随所にみられる。
また、フォーメーションに特にこだわっており、かなり緻密に動いている。難しさは歴代の曲の中でもトップクラスではなかろうか。
実は歌番組で初めて披露されたアルバム曲がこれなのだが、これホントよくやったよな…。

MVにおいては、この曲を「ノーカット、最大でも3テイクまで」という難しい条件で完成させており、曲の持つ緊張感を映像で増幅させる形となっている。

こうして、「ジャニーズ1振付の難しいグループ」の面目をしっかり保ってる一方で、珍しい部分もある。
それは、

。˚✩長野・三宅センター。˚✩

である。
(注意:筆者はこの2人のファンである。)

実際のところ、V6の曲はセンターがグルグル入れ替わっていくのがほとんどで、この曲の中でもやはりよく入れ替わっているのだが、最初と最後をこの2人でまとめているため、非常に印象深いことになっている。
(MVでは衣装が彼らだけ白くなっており、かなり意図的なフォーメーションと思われる。)

この2人が一緒にセンターにいるケースは少ないのではないか。(2021年時点でも、である。)
声質や楽曲内のパート割や身長の並びからして、せいぜい1パート程度の組み合わせでしか見ない布陣。何故この曲でこういう布陣になったのかわからないが、綺麗な横顔の2人が左右背中合わせで…というのは良いものです。ありがとうございました。

2.刹那的Night

楽曲提供者は石野卓球氏。独特の韻の踏み方など、一回聴けば「ああ、間違いなく石野卓球だな」と納得すること請け合いである。

編曲はCMJK氏。…実は「恋の400Mカレー」も氏の作品だったりする(あちらはピエール瀧氏プロデュース)。

岡田准一プロデュース曲。
といっても楽曲単体ではある意味出来上がっているわけで、岡田らしさは映像や衣装などのトータルプロデュースという手法で現れたものだ。
彼は基本的にこの手の仕事では視覚を重視している節がある(近年の映画界での活躍においても、鋭敏な視覚的感覚が仕事に良い影響を与えているようにみえる)。

MVを構成する要素としては、
・チームラボの映像
・おいくらするのかわからない西陣織衣装
・マネキンチャレンジ状態のコンテンポラリーな振り

チームラボというのは、最新鋭のデジタル映像技術によって独特の映像効果を作り出すことに長けた集団である。個人的には、ちょうどこの少し前にチームラボの展示会を観ていたので「おお…!」となったところ。
テクニカルで独特の美意識を持つ画像処理が、シュールな美しさを生み出す。AI技術で飛ぶ八咫烏はその挙動の予測がつかないので、現場はハラハラものだったとか。

衣装は、西陣織(HOSOO製)の布地を串野真也氏がデザイン(全員異なるデザインになっている)。靴で有名な串野氏の作なので、靴まで新規にデザインを起こされている。
この布地はライティングによって色が変わるような細工がなされており、ライティングに定評のあるチームラボとの相性も良い。
流石に布地が貴重だったからか、普通の白い布地の服でフィッティングしてから衣装が作られた。その貴重なフィッティング衣装は全国各地で展示された。札幌では坂本・長野のものが来た。ありがとうございました。←

その衣装を着て、バレエダンサー首藤康之氏のつけたコンテンポラリーな動きをキメていくV6。その動きに合わせて映像が展開されていく。まさに刹那の美しさ。
そこから身体が割れていくという、シュールな編集も加わり、ループする曲と相まって美しくも不思議な世界観が完成している。

ただ…当のプロデューサー本人は
「知り合いばかりだから、友達価格でやってもらった」
「ただ凄い人達を連れてきただけ」
「狙った通りの変な画になった」
などと、国語力の低いコメントを残している(ノ∀`)

3.SOUZO

作詞を浜野謙太氏が担当。ご本人いわく、作詞のみの提供はこの曲が初だとか。(とはいえ、この曲自体もやはりファンク要素が強い。)

V6に「キタコレ」言わせちゃったよw

曲を聞くと「どーした」「振り向かねー」になっている部分は、歌詞をみると「どした」「振り向かね」などと独特の表記がなされている。(「ー」だけではなく「っ」も抜かれている。)
これによって、歌詞カード上でもくだけた雰囲気が演出されている。

うっかり女に惚れてしまった遊び人の感のある歌詞で(あんなことこんなことを「想像」しかけてヤバイ、という内容)、それを踏まえてMVも色っぽい女に翻弄される内容に。

なお、MVでは渡辺直美氏が担当している。
(追記:この後直美ちゃんの起用について「2017年らしい」ということを書いたんだけど、2021年現在において彼女のかっこよさについて説明不要だと思うので、省略する。)

余談だが、井ノ原君とハマケンさんは初めて会ったのは東映の撮影所だそうな。まさに浅輪と究ちゃんの出会いだった模様(ノ∀`)

4.Beautiful World

秦基博氏提供のシングル曲で、2016年の「警視庁捜査一課9係」主題歌。このアルバムでは最も発表時期が古い曲である。
アルバムとしては、ここで初めて肩の力が抜ける流れとなる。このアルバムでは数少ない癒やしポイント。

比較的オーソドックスな「アイドル・V6」のイメージに沿った曲である。その中でも、音に対する独特の言葉の置き方は、いかにも秦基博作品といった趣がある。

ちなみに、MVでV6メンバーが手に貼っているカラーは、それぞれのメンバーを表すカラーと対応している(メンバーカラーと呼ばれる)。V6は当初は決まっておらず、十数年後に公式に確定した。

5.Cloudy sky

秋元康氏の作詞。
デビュー曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」の日本語詞(英語詞の原曲がある)を秋元氏が書いているという繋がりある。
そして、作曲:HIKARI氏、編曲:CHOKKAKU氏という布陣はV6ファンの好物そのものである。

歌詞に敢えて曇り空を選んだのは、いかにも秋元康氏らしい。
かつて一度の青春に賭けて突き進んでいた青少年達が、これまでの人生を振り返りながらどんな荒天の中でも受け入れて生きていこうといえる大人になった。そういった成長を踏まえた作品…といえるかもしれない。

…なんて頑張って書いたが、ぶっちゃけると、このアルバムの中では最も薄味の曲である。どの位の薄さかというと、WOWOWがアルバム全曲にライナーノーツをつけて紹介してくれる企画にて、これだけ文字数が明らかに少なかったという位には。
ただし、この曲の予定調和的な出来こそが、アルバム後半の怒涛の展開に対する一種の安定装置のようなものとなっている。

単体で聞くと、爽やかに歌ってる中に、妙に力んだコールが混じっていることに気付く。これは若かかりし頃のV6曲の力みっぷりを彷彿とさせるものである。
これは「MUSIC~」の頃の自分達に敢えて寄せ、2017年の自分達の歌声と重ね合わせてきた、ともとれる。
アルバム後半でまさにV6歴史そのものを辿る曲が登場するわけだが、この曲は歌唱者の方から歴史にアプローチするような形といえよう。

MVは沖縄ロケ。
突き抜けた爽快感のあるメロディ&アレンジと、曇り空から覗く太陽の光線(よくもまあ、こんな予定調和のような天候で撮れたものだ)が非常にマッチしている。
また、冒頭の長回しがなかなか独特で、監督の作家性を感じられる。

なお、せっかく沖縄に来たということで、初回盤Bの映像特典も撮られている。やってることは「学校へ行こう!」ぽいロケです。

6.DOMINO

安定の予定調和の後に、その安定を2分足らずの時間でまさにドミノのように打ち崩していく、とんでもない曲が挿入される。

彼女との関係が「崩れていく」瞬間を、不安を煽るアレンジで克明に描いている。
イントロはリズムの打ち込みだけでむしろ明るささえ感じるのだが、歌い出すと不穏なギターの音色が迫ってきて、アウトロが本当に崩れて終わる。ホラー。

なお、実はこのMVはほぼV6はいない(ドミノの駒のようなもので彼らのシルエットが現れたり消えたり)。
曲自体の無茶ほどMVは無茶してない件。

7.Round & Round

長野博プロデュース曲。(…ようやくメンバープロデュース2曲目)

前曲の不安感からそのまま繋がって、自分の存在自体を感じられなくなっていく、という歌詞のこの曲に至る。

MV集では更にこの不安定感は顕著となる。
「DOMINO」の中でV6のシルエットがドミノの駒となって崩れていった後。
この曲ではV6の姿形はあるが、時に彼らの姿がブレたり、ワイヤーフレームの姿になったりと、存在の危うさは残存する。

曲調自体はかなりキャッチーではある。が、当のサビの途中のブレス位置をズラしてくるといった大概なことをやってくるため、やはり不安感が煽られ続ける。それでなくても、短調かつ幻想なのか真実なのかわからんという歌詞だというのに。

冒頭の吐息のような何かとかは、一部で「長野君は、アイドルとしてはトシちゃん直系なのか」と言われていることが感じられるものとなっている。

主に、似た声質のメンバー同士でユニゾンさせたり

歌い分けは、メンバープロデュース作では最も均等に扱われているように感じられる。
主に、似た声質のメンバー同士でユニゾンさせたりコーラスを重ねたりして、主人公の存在の曖昧さを描きだしていることによるものだろう。

MVは、長野君的にはおなじみであろうグリーンバック合成wにより、CGの未来都市の中で6人が踊るという作品となっている。
テーマは2.5次元らしい。このサイバー感は「ウルトラマンティガ世界の21年後の街並み」としても通じそうではある。
なお怪獣は出ない。←

8.Remember your love

三宅健プロデュース曲。

「男目線だけど女性に共感が得られる別れ歌を」というコンセプトを組んできた。(純愛系は大体別れ話という傾向が、V6曲にはある。)

耳で聴いた時の心地よさを重視しているのか、流れるようなストリングや繰り返しのフレーズ、意外と速いテンポ等、音として聞き流すにも丁度良い作りとなっている。
サビの大部分をファルセットに強制転換させるキーの高さにしたことで、トータルでは低音強めになりがちなV6のユニゾンをうまくコントロールしてもいる。

歌割りは各人の得意なところを割り当てており、6曲の中では歌唱の面でプロデューサーの陰が薄い曲の1つである。冒頭で全員のソロリレーをさせるなど、わざわざ均等さを出そうと狙っている節すらある。

むしろ、三宅のこだわりは歌詞の方にあるといえ、推敲を重ねに重ねて完成した歌詞そのものが既に彼プロデュースの作品として形をなしているといえる。

MVは、ネオンの線画による部屋の中、というシンプルな画面をベースにしている。
かなり顔のアップがあるのだが、ネオンに照らされてる顔があまりに綺麗に映ってるので、相当皆の化粧を濃くしたか修整入れまくっりしてるかしてると思う…。


★通常盤はトニセン曲「会って話を」が入る


9.Answer

坂本昌行プロデュース曲。

WOWOWのサッカー番組のテーマ曲ということで、いかにもな疾走感のある曲である。

アルバム上は暗めな流れが続いているので、ここで溜め込んだパワーをぶち込むような流れになる。(通常盤「会って話を」を挟むと、落ち着いた曲で一息ついた後にパワー系に切り替わる、という流れとなり、雰囲気は異なる。どのみちここでエネルギーを爆発させることにはなるのだが。)
この曲自体も抑えた、Aメロから少しずつ盛り上げてサビで爆発、という構成で、なかなかスッキリとするものである。

コンサートで歌われる時は、開幕直後の坂本ソロで「きゃーーーーーーー!!!」となるのが予想がつくレベルで、確かに「第二のShelter」のあだ名は伊達ではない。(追記:実際そうなった。)

直近のメンバープロデュース曲が比較的歌割りを均等にしているのに対して、これは特に裏メロディでマーサ節が炸裂している。

そもそも、男性曲としては相当にキーが高く設定されている。
「Round&Round」もキーは高いが、あちらは裏声で繊細なくらいで丁度良いのに対し、「Answer」はパワーを最も爆発させるべきサビ、しかも他ならぬ歌詞「answer」の部分の高さが男声には凶悪(笑)。
おまけに、MVは、踊らずに完全熱唱。曲想的には正しいが…ごまかしはきかないということだ。

前作「OMG!」では、坂本は「パフォーマーに徹したい」と、唯一楽曲プロデュースに全くかかわっていない。それを通した後のプロデュース曲は敢えての踊らせずに完全熱唱させるというコンセプト。リーダーの愛の鞭がこんなところで炸裂するとは、他の誰も思わなかったのではないか。

10.Can't Get Enough

シングル曲。

それこそ完全に洋楽なんだが、これよくシングルカットしたよね…。
英語の発音を厳しく指導されたことも、洋楽臭さに拍車をかけているように思う。

「Answer」で弾けた後に、そこから一息置くようなフェイドインのイントロ、という繋がりはうまくいっていると思う。曲単体としては珍しい処理だな、というだけの印象なのだが。
ノンタイアップで発売された曲であることから、タイアップのある「COLORS」よりも先行シングルとしての意味合いが強いものといえる。

MVは、シングルではVRバージョンが存在しているが、このアルバムMV集では普通の方を収録。そりゃそうだな。

(ちなみに、タイトルの呼びにくさから「ゲリィナフ」とか「キャンゲナ」とか散々な呼び名をつけられているのはご愛敬。私はゲリィナフ派。)


★通常盤はカミセン曲「Get Naked」が入る


11.ボク・空・キミ

森田剛プロデュース曲。

作曲は大橋トリオこと大橋好規氏。

ようやく出てきたゆったり目の曲(通常盤だと「会って話を」以来)。
初回盤ならゲリィナフ、通常盤ならGet Nakedからこの曲に移るので、かなりホッとするものがある(*´ω`*)

ちょっと朴訥とした男性が心から命について述べるような、温かい曲である。流れ続けるキーボードの調べが美しい。

メロディラインは途轍もなくシンプルで、派手さはないが、ゆえに歌詞の持つ切なさと愛情を体現したものになっている。とにかく聴いていて心地が良い。

そんな曲に対して、MVの映像のトーンが暗いのは森田のセンスだろう。

各人のソロカットが鎖骨から上のみを映しているんだけど、服が写ってないので「Σ(・∀・)脱いだ!?」と期待したファンは多いと思われる。
上半身裸で撮影した為、バスローブで撮影入り、という珍しいことになったそうである。
また、水の底に沈んでいく剛君のカットは、実際は彼が泳げないため沈めなかったとか。

12.COLORS

シングル曲(このアルバム発売時の最新曲)。係長不在の9係シーズン12の曲と思うと、ちょっと切ない。

歌詞の上では、2シーズン前の主題歌「Timeless」と同様、V6と9係、両方のチームをかけているものと考えられる。
作詞は「ボク・空・キミ」と同じmicca氏。優しい世界も2曲続く。

MVは、代々木第一体育館に巨大なセットを組んで撮影されている。
アリーナに架空の惑星のようなセットを組み幻想的な雰囲気を演出しているが、ラストカットにセットで覆われていない第一体育館の客席を映すのが、このMVの肝だろう。
彼らはここで、バレーボールのイメージキャラクターとしてデビューしたのだから。

刹那的Nightとは違う意味で金かかってると思うw

13.レッツゴー6匹

―♪はじまるよ~~~~(●●(^▽^・(´ε`(仝_仝:(・△・(゚ー゚)―

井ノ原快彦プロデュース曲。

レキシ氏作のV6の「歴史ちりばめた」曲である。
V6がテレビ朝日のフェスに出演した時に、次にそのステージに立ったのがレキシだったことから、この繋がりでオファーを出していたのかもしれない。なお、レキシファンがV6の出番で稲穂振ってた、と噂は聞いていたが、その様子はそのままDVD化されているw

まず歌詞を読むと、シングル曲のタイトルを巧みに用いた構成されてる内容に驚嘆するだろう。
歴史をまとめながら、改めてこれから先もキミ(ファン)と終わらない道を信じて行く、という未来に向けた明るい曲であり、アルバムのまとめともいえる「The One」にそのまま繋がれる曲でもある。

もちろん、ただ繋げてるわけではなく、単体の歌詞としても秀逸である。仕掛けに気付かず普通に良い曲として聴いていたならば、逆に大サビ前で「歴史???」となるところだろう。

曲調も、アイドルとしてのV6のイメージに沿った曲(Darlingとか愛メロとかの感じ)の方向性でアレンジされており、純粋に楽しい。
そして、当アルバムにいかにその成分が少ないかを思い知らされる^^;

だがその一方で…井ノ原プロデュースということではある意味予想されていたともいえるが。
久しく忘れていたB級のV6がここで登場。
最初に「♪はじまるよー」、最後に「♪おわりますー」と、無駄に6部合唱(しかも若干雑)が入る。しかもこの様子はご丁寧に映像を残しており、まんまMVに収録w

MVはこの曲だけ超チープな何かになっている。静止画の顔写真を小さい身体に貼り付けただけの微妙な2等身の6人が冒険をしていく流れである。
ただし、その冒険のステージに置かれたオブジェクトはV6のCDのジャケ写やMVから引用しており(細かく確認していないが、シングル全曲は余裕であるはずだ)、ちょっとしたカルトクイズとなっている。(歌詞とは必ずしも一致しないので、歌詞はヒントにはならない。)

また、その間に各MVのオフショットと思われるカットが、やはりオブジェクトとして配置されており、映像の方もアルバムのまとめに入っているような雰囲気がある。
(プロデューサーとしては、全体的に敢えて力が抜けた楽屋感を出したかった模様。)

6部合唱もかつて「学校へ行こう!」でわちゃわちゃしている時に自然発生した合唱が元になっていて、「♪はじまるよー」はガコイコそのままな夏の特番「V6の愛なんだ2017」へ逆輸入された。

―♪おわりますぅ~~~~(●●(^▽^・(´ε`(仝_仝:(・△・(゚ー゚)―

14.The One

「レッツゴー6匹」の後を受けて、このアルバムの最後を飾る曲である。タイトル「The ONES」を決定後に制作された楽曲で、実際に締めのために生まれた様子だ。

THE CHARM PARKのCHARM氏提供の曲が影響しているのか、平易な歌詞の割に言葉の置き方に癖がある。それもまた、このアルバムの傾向を端的に示しているともいえる。

ある意味、シンプルで真っ直ぐなメッセージ。
「Be together We are the one」

かつて、10周年の祭が終わった後、V6は一度方向性に迷っていた時期がある。デビュー12、3年頃の話だ。
各人の方向性のズレはもっと前からあったようだが、表面化したのはその辺りで、ここから更に数年かけて方向性を再構築し、グループは復活した。

20周年は、その再構築した方向性の正しさを確認できたイベント、だったのではないか。
それは22年目の今にも続いており、ここから更にまた進んでいくよ、という意思表示として、この曲があるといえる。
個人の仕事が多くなったV6であるが、それでも何かあればまた顔を合わせて、力を合わせてやっていける。支えてくれるファンの方も向きながら、ともに歩むことを誓う歌である。

MVは、このアルバムほぼ全曲のMVのリミックスともいえ、ある意味かなりの力技で綺麗にまとめている。
沖縄の映像が多いは当然としても(6人が一方向を向いて道を歩くシーンなど、そもそも「Cloudy sky」にしかない)、それ以上に「ボク・空・キミ」で撮影時されたのであろう映像がかなり多い(各人が上半身をはだけて撮った映像など、多分同じタイミングだろう)。
つか、プールの撮れ高よw

ここでは、通常盤でボーナストラックとされる2曲(実質はアルバム本編に追加されている曲である)と、初回盤Aの全曲MV集に追加された1曲を紹介します。

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通常盤追加曲

通常盤の追加2曲は、初回盤の曲リストの途中に挿入されており、実際には1つのアルバムの中の曲として存在している。

ここでは、14曲バージョンの曲順にあわせ、便宜的に「.5」で曲順を示す。
通常盤では普通にナンバーが振られているので、これをボーナストラックといえるのかは微妙に思う。MVはさすがに用意されていないのだが。

このアルバム、「The One」が締めとして優秀過ぎるため、確かにこの先に何かを繋げてしまうと蛇足感が出てしまう。
そのため本編に取り込んだものと思われるが、これによって前後の印象は随分変わったものとなっている。

8.5.会って話を(20th Century)

KIRINJI提供曲。というか、KIRINJI feat. 20th Centuryでいいんじゃないかな。

全体に力み過ぎともいえるこのアルバムの中における貴重な癒しポイント。このアルバム癒やしポイント少なすぎるよw

初回盤では、不穏さや別れの悲しみの後に「Answer」で一気にパワーが弾ける流れになるが、合間に「会って話を」が入るとそこで弛緩し、「Answer」はとてつもないギャップが発生することになる。この波は好みが分かれるかもしれない。

若干倦怠期気味?なカップルが喧嘩して…仲直りする方。不穏じゃないよ!後半から女性ボーカルが、女性側の心情をなぞるように重なってくる。これがまたこの曲に漂う大人の色気を強くしている。
なお、この女性の歌声の主はコトリンゴ氏。アニメ映画「この世界の片隅に」のヒット直後くらいの楽曲だが、当時はKIRINJIメンバーなのでどこにもその話が出てこない…。

10.5.Get Naked(Coming Century)

avexスタッフはV6曲にトレンドを入れ込みたがる傾向があるが、カミセンには更にその最尖端(先じゃなくて尖だと思う)の曲を担当することが多い。

このアルバムに限っては、V6曲が尖ってる為カミセン曲の尖りが相対的に目立ちにくくなっているものの、カミセンに本来存在しない太い声(実は森田の声の回転数を落としたもの)や女声コーラスといった要素など、単体では十分に濃い楽曲である。
これも洋楽のトレンドを相当に意識していると思われる曲である。

歌詞(Micro作詞)は…うん、トニセンがもっと寄り添いたいなどと言ってるのと比べると、本当に欲望に素直ですよね(ノ∀`)
「Can't get enough」「Get Naked」というあまりに直接的過ぎるところからの「ボク・空・キミ」の高低差は、あまりに激しすぎる。

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初回盤A MV集ボーナストラック

MV集は初回盤(14曲)の曲順そのままに円盤化されているが、その後に「太陽と月のこどもたち」のMVが制作され、収録されている。
これこそ真のボーナストラック。

曲自体のリリースは「COLORS」との両A面扱いで行われている。
また、NHK「みんなのうた」の楽曲としての映像も存在しているが、今回のMV集バージョンはそれとは異なる趣の映像となっている。

この曲のMVはアニメーションとなっている。
絵柄は長場雄氏デザインのもの。実は20周年のコンサートにもちょっと噛んでいたのだが、今回は「The ONES」をタイトルとして行われているツアーのアートワークを全面的に担当している。
周囲を見回して、妙に長場雄の絵柄のバッグやTシャツ来てる人が多いなと思ったら、きっとその近所でV6のコンサートをやっている(・∀・)
(追記:長場雄氏は2021年のコンサートにも参加しており、ツアータイトルはグッズの絵柄を描いている。干支の着ぐるみを着たV6がかわいい。)

ちょっと老け気味にデザインされたV6(特にトニには容赦なくほうれい線入り)が、若者達の青春風景を見守っているようなストーリー。それどこの「学校へ行こう!」ですか…。
全体にほのぼのとした雰囲気と、大きな愛(恋愛も人類愛も)を歌う歌詞。ボーナストラックとして収録するにはうってつけの曲といえる。

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