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コーヒー淹れたことがないけど喫茶二十世紀で豆を買いたい方向け、初期投資ガイド

豆かドリップパックかリキッドか…

これは、
渋谷にある喫茶店「喫茶二十世紀」でおみやげに豆を買いたい、でも家にコーヒーを淹れるための道具なんてないよ…
という方に向けたnoteです。

先日友人から「コーヒーを淹れるのは難しそう、とはいえリキッドは遠方の客には重い」との悩みを聞いたのです。

一番店の味に近いのはリキッド(3倍濃縮とのこと)だと思います。
ですが、荷物を軽くするなら1杯ずつのドリップバッグ(フィルターの中に粉が入ってて、器の上に置いてお湯注ぐやつです)が入っているパックが、豆でいった方が良いでしょう。

私自身、半年前にここの豆を買ったことで初めてコーヒーミルを買ったような素人なのですが、ド素人として「そこまで身構えるほどのものでもないよ…」とは思います。

そこで、コーヒー素人なりにドリップパックや豆を買った場合について、こういうものがあれば良いよ、という話をします。

なお、その他の喫茶店で「店のコーヒーの味が美味しかったので豆を買う」という場合にも応用可能です。家にコーヒーミルがないうちは、コーヒーを挽いてもらった方が楽ですよ。

※下にいくつか製品を引用していますが、引用元URLはアフィリエイトではありません。また近い将来リンク切れが発生する可能性があるのでご容赦ください。

※私はカップに載せて直接お湯を注げば良いフィルターを「ドリップバッグ」、それをパックに入れて売ってるものを「ドリップパック」と呼んでいます。喫茶二十世紀の商品名はどちらでもなんんですけどね…。


ドリップバッグで「あった方が良い」もの

二十世紀ブレンドのドリップバッグをマグカップにセットしたところ。このフィルター、形良いですよね。

ドリップバッグのいいところは、電子ポットのドリップ機能などでも問題なく作れるところ。

なので、ここでは「あった方が良い」もの、と言うに留めますが、「ドリップポット」があると便利です。

細口のじょうろみたいな形のやつですね。

最安だと、ダイソーので550円からあります。(以下、お値段は2024年7月現在のものとなります。)

引用元:https://jp.daisonet.com/products/4550480202938

お湯を適量、細目に流し込めればいいので、急須やティーポットでも良いです。
1杯分と決まっているので「お湯が足りない」ということはありませんしね。

あった方がいい理由は2つ。

特に沸いたばかりのお湯や電子ポットが98度設定の時、お湯を移し替えることで少し湯の温度が下がること。このちょっと下がったくらいが一般的に適切な温度とされます。お茶も種類によっては低めのお湯で淹れたりしますね。

淹れ方は、まず粉をお湯で湿らせて、10〜20秒ほど待ってから(蒸らしの作業です)、飲む分のお湯を入れるだけです。ペーパードリップだと俗に30秒ほどですが、ドリップバッグだと一般に20秒ほどあれば良いとされますね。これが格段に楽になります。

もう1つは、やかんなどお湯を沸かす道具からのお湯は勢いが強く出るため、粉の蒸らしの手順のやりにくさがあることです。

とはいえ、ドリップバッグは粉が狭い袋に固まって入ってるので、そうそう初手で「お湯が粉にかかってない」ということは起きにくく、「バッシャー!」みたいなお湯のかけ方をしない限り失敗はない印象ですし、お湯をまんべんなく回し入れるほど気を使う必要もないとは思います。

入れ物はコーヒーカップやマグカップに直接でOKなのも嬉しいですし、それで淹れたてのブレンドを飲めるのが良いところです。


豆を挽いて飲む時に必要なもの

さて、ここからは豆を挽いて淹れる場合の話になります。ここが本題ですし、どうしても長くなってしまいますのでご容赦のほどを。

二十世紀ブレンド(豆)

喫茶二十世紀が粉の袋で販売してくれないので、ドリップバッグからいきなり豆に飛びます。また、二十世紀ブレンド以外のコーヒーはドリップパックがないので、必ず豆スタートになってしまいます。

なんとなく紫の人のこだわりを感じますが今は脇に置きましょう。

必要なものは大きく分けると、こう。

1.豆を挽く道具
2.コーヒーを抽出する器具
3.お湯を注ぐ器具
4.コーヒーの器

で、3…つまりドリップポットについては前の方で書いた通りです。ただ、ドリップバッグの場合は「あった方が良い」ですが、ペーパードリップのような淹れ方になると必須です。


コーヒー豆から淹れる場合の最強の器具

最強は「全自動コーヒーメーカー」です。

豆を放り込んでおけば抽出までしてくれます。 安いものだと1万円出せば購入できるので、口コミサイト等を確認しつつ選んでいきましょう。

なお、喫茶二十世紀はエスプレッソのお店ではないので、エスプレッソマシンを導入しないように。

マシンまで買うつもりはないよ、という方は次をご覧ください。また、ミルのないマシンについても、次を参考にどうぞ。


コーヒーミルの選び方

喫茶二十世紀の豆は全体に煎りが比較的深いので、「セラミック」の刃のコーヒーミルでOKです。

1〜2日で1杯程度のペースなら、Amazonで2000円ほどで買えるミルで良いです。

私はハリオという会社の「セラミックコーヒーミル・スケルトン」を、Amazonでお得に買えるタイミングで買っていました。

引用元:https://www.hario.com/product/coffee/grinder/MSCS.html

豆を挽いた後に入るのが瓶となっていて、上のミル部分を瓶を外して蓋を閉めれば保存容器となることが便利なんですよ。前日のうちに挽いておいて翌朝飲むとかも気軽にできます。
場所を取らないものが良ければ「セラミックスリム」が良いみたいですね。

セラミック刃のいいところは、丸洗い可能なことです。金属製の方がサクサク豆が挽けるのですが、洗えない分使い初めが面倒でして…。

セラミックの最安は、ダイソー550円みたいです。出来は悪くないそうですが、ハンドルが小さいので回しにくそうなんですよね。

本気でこだわるなら、日本製の「ポーレックス」という会社のミルがあります。8000円くらいの予算をみる必要があるので、使用頻度次第というところですね。

なお、セラミックより安いコーヒーミルで「プロペラ式」というものがあります(フードプロセッサーの仕組みです)。これはコーヒーに詳しい人が一様に「やめろ」といっているので、無難な線としてセラミックを選んでいます。


どうドリップするか?

悩ましいのはコーヒードリップのやり方です。
(エスプレッソは除きます。)

・コーヒーメーカー
・ペーパードリップ
・ネルドリップ
・金属フィルターでのドリップ
・フレンチプレス
・サイフォン
などなど。

このうちコーヒーメーカーは説明不要ですね。
ネルドリップは見た目通り「ザ・コーヒー上級者」なので除きます。

実は、とても簡単で美味しいとされるのはサイフォンだそうです。…とはいいますけど、まあまあ値段が張りますし、見た目のゴツさからいってもちょっと手を出しにくいですよね。

それを除いて簡単そうなものといえば、フレンチプレスですね。

引用元:https://www.bodum.com/jp/ja/1928-16j-chambord

お湯と粉を筒に入れて、時間を見計らって上から粉だけ押し込んでコーヒー液だけを取り出すという仕組み。日本だと紅茶の淹れ方としてもメジャーですね。

コーヒーの味の濃厚な部分(特にコーヒーの油分)を直接味わえるのが良いとされます。

安いものなら1000円台からありますし、抽出器具イコールカップに注ぐポットとなるコスパの高さでもおすすめといえます。

ただ、構造が構造なだけに濃厚なコーヒーができます。私は試してはいませんが、二十世紀ブレンドだと店の味から大きくズレるとは思います。

他方、値段的にもっと手軽そうなものといえばペーパードリップ。
こちらは3桁円で始められちゃいますし、ドリッパーってどこでも売ってますから手を出しやすいんですよね。

ただし…ペーパードリップの簡単さは、ドリッパーによってピンキリなのです。ここを知らずに失敗する方が多いと思うのです。


ペーパードリップは、とにかく湯を入れればできるドリッパーを使え

その辺のお店で買えるドリッパーって、この2種類が多いんですよね。

・カリタの台形・3穴のドリッパー
・ハリオのV60

このうち、

カリタの台形ドリッパーは、抽出は比較的簡単とはいわれますが、実はお湯の入れ方自体の影響はあります。
私は初めてのドリッパーがこれですし、二十世紀ブレンドもこちらで飲んでましたけどね…。店の味以上にクラシカルな風味が生まれます。

ハリオのV60は、トニセンファンは名前で買っちゃいそうですが、ある程度ペーパードリップの経験がないと美味しくするのが難しく(「4:6メソッド」のような攻略法は存在しますが)初めての方には向きません。

詰まる方はだいたいここで詰まるのではないでしょうか。

でも、ペーパードリップにはもっと簡単なドリッパーも存在します。それを使いましょう。

個人的なおすすめは、メリタという会社のドリッパーです。これのいいところは、最初に粉の蒸らし作業を30秒やったらあとは「ここまでお湯を入れる」というメモリ通りに注げば終了することです。
ちなみに「アロマフィルター」と「クリアフィルター」の2通りありますが、アロマフィルターの方がおすすめ。最後に残る雑味成分をも止めてくれるためです。

引用元:https://www.melitta.co.jp/melitta_hh/pourover/aromafilter/

また、ハリオでも「MUGENドリッパー」という、蒸らしすら不要でとにかくお湯を注げ!というドリッパーも出しています。(MUGENは安い店でも800円くらいするので、ペーパーフィルター足すと1000円行ってしまいますが…)
ドリッパーのメーカーも、「コーヒーは難しい」と避けられるのは良しとしていないのです。

ただ、簡単なものほど味の形もメーカーのイメージする美味しさに依存するといえます。「もっと違う味わいを目指したい」となれば、V60のようなドリッパーに秤とタイマーを用意して頑張ることになるとは思うのですが、それは自分がどこまでこだわるかにも依ります。

私は簡単な方が良いです。

ペーパードリップのコーヒー殻はフィルターごと廃棄すればいいので、ドリッパーの手入れはびっくりするほど簡単です。
淹れ方に関しては金属フィルターもほぼ同じで、しかもゴミの量が少ないという利点もあるのですが、目詰まりに対するメンテナンスも必要となるので手はかかるようです。

あとは、この辺を守れば大丈夫。

・ペーパーフィルターですが、メーカー純正をおすすめします。上のドリッパーならメリタのものを選んでください。純正品でも安く買えます。コーヒーショップでオリジナルのを売ってる場合もあります。100均のはおすすめしません…。

・ドリッパーの大きさですが、普段自分が飲む器と人数で選んでください。
ドリッパーの「1杯」はコーヒーカップ基準です。大きいマグカップだと2杯分いけることも。また、大きなドリッパーで少量淹れると味が薄くなるケースがあるので、大は小を兼ねないと思ったほうが良いです。


器の話

コーヒーの器の話。

コーヒーを「飲む」器に決まりはありません。
一般にコーヒーカップかマグカップかと思います。
喫茶二十世紀のナウい「おうちマグ」で揃えるともっと気分がアガるでしょう。

ところで、実はここまで「コーヒーを抽出した直後にどこに溜めるか」という話を書いていませんでした。

ドリップバッグはカップにセットするものですし、コーヒーメーカーは過不足のない量をカップに注ぐ構造、フレンチプレスは抽出器具イコールポットなので、ここは考えずに済みます。

問題はペーパードリップのように、上からお湯を通す場合。
独り暮らしだと1杯分をマグカップに直接注ぐ、で良いのですが、複数の器に取り分けたり、多めに淹れて複数回に分けて飲むなら、ドリップしたものを溜めておく器は欲しいですよね。

これはコーヒーサーバーと呼ばれますが、必ずしも「コーヒーサーバー」として売られているものだけにこだわらなくて良いです。

おすすめは、ビーカーみたいなガラスの軽量カップ。
円柱型で上部が平ら、耐熱でさえあればいいです。
ダイソーで220円でいけるみたいです。
料理(特に製菓)を行う家であればこの手のカップはあるかもしれません。

紅茶や中国茶を飲む方なら、電子レンジで温められる耐熱ガラスのティーポットがあることも多いでしょう。その蓋を取った本体部分も使えます。
私はお茶にこだわってた時期があって、下記のようなポットが家にあったので、それをよく使っていました。

引用元:https://www.nitori-net.jp/ec/product/8966636s/

いずれも、コーヒー専用のものだと、「1杯分はここまで」というメモリがついていることがあり、便利に使えると思います。

これらは注ぎ口があるので、逆にドリップポットとしても使えます。
○杯分のメモリがないドリッパーでも、計量カップで必要なお湯を計っておけば、ドリッパーからマグカップに直接流し込んでも過不足のない濃さの味のコーヒーを作れます。


まとめ

・ドリップバッグは細めにお湯を淹れられるものが「あると便利」。ペーパードリップのような淹れ方だと「必須」です。
・豆は全自動電動コーヒーメーカーが一番楽。
・初めての手動コーヒーミルはセラミック刃がオススメ。
・お金をかけずに始めるなら、フレンチプレスかペーパードリップ。
・濃厚さを求めるならフレンチプレス。
・ペーパードリップは簡単に淹れられるドリッパーで始めよう。サーバーがあるともっといいよ。

豆を挽いて、抽出器具がペーパードリップでメリタ式、ドリップポットと計量カップをダイソーで買うとすると、一通り揃えて4000円くらいとなります。フレンチプレスでも大差ない価格だと思います。

喫茶二十世紀の豆はかなりお高いのですが(笑)、一般に豆を自分で挽いたりコーヒーを淹れるのはコスパが非常に高いです。
安いドリップパックを売るコーヒーショップもありますが、豆や店で挽いてもらったコーヒー粉の場合は味も細かく選べます。普段からコーヒーを飲む方は、4000円の初期投資は無駄になりません。

「うちには喫茶二十世紀の豆がある」というだけで気持ちが上がりますし、家で淹れることでQOLが爆上がりします。

もちろんリキッドで買うことによる利点はたくさんあり、店の味を再現しやすいうえ、ゼリーなどを作るのにも便利だと思います。
ですが、「難しいから」ということでドリップをしないのももったいないです。

大人の自由研究として、是非コーヒードリップを楽しんでみてくださいね。

※メリタ式の淹れ方のわかりやすい動画です。
https://youtu.be/FMJ2VlurXBY?si=jIXrWjSjFrJg89yA


※2024/7/28追記:

フレンチプレス、ダイソーで550円で買えるそうです。
マジかー(笑)。
となると、これが最もお安く済みますかね。

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