WBS日記(11) 出願用エッセイについて
現在、WBS (早稲田大学大学院経営管理研究科)秋入試の出願期間です。自分が出願したのはもう3年も前のことなのだと時の流れの早さに驚きつつ、当時を懐かしく振り返っています。WBS入学以降、毎年数人の受験相談に乗ることがあり、今年は自分が書いた出願用エッセイを読み返し、ここにその一部を載せてみることにしました。
WBSのエッセイは例年3部構成になっていて「今までの仕事で成し遂げたこと」「WBS後のキャリアゴール」「研究テーマ」をそれぞれ1000字、500字、1000字で書くスタイルになっています。今回はそのうちの研究テーマのエッセイ3を紹介しようと思います。
予備校などが出す模範解答ではなくて、実際の合格エッセイはあまり世に出ないものだと思うので、WBSを志望する人、または他のビジネススクールや大学院を考えている人の役に立てたら嬉しいです。その趣旨を損なわない範囲で一部手を入れていますが、ほぼ提出したものそのままです。
自分で読み返した感想は「これを書いた人に会って話をもっと聞いてみたい」でした。当時の自分は「面接に辿り着きたい。面接に行けば直接伝えられる!そうしたら受かる!」と面接に進むイメージを持ってエッセイを書いていたことを読み終えた瞬間に思い出しました。その作戦と熱意が伝わったのか、一次試験を通過し、二次試験の面接も合格しました。
前置きが長くなりましたが、ご笑覧ください。
【ここから】
エッセイ3
当研究科におけるあなたの志望プログラム(夜間主プロフェッショナルへの志願者は、志望する専修・モジュール)への期待と入学後に予定している研究テーマについて、以下の項目に言及した上で具体的に述べてください。(日本語 1,000 字以内)
◆テーマ ◆当該テーマに取り組もうと考えた理由(課題・仮説)
テーマ:新市場創造による指導者とスポーツの価値の再定義
課題:日本のスポーツ界が抱える課題は数多くあるが、指導者が関わる問題は少なくない。
現在私が取り組んでいる指導者講習会だけでは不十分だと考えている。中でも勝利至上主義とボランティア指導者にアプローチをすることが必要と考えている。
仮説:昨今のスポーツ界を賑わすパワハラ問題の原因の一つは指導者が経験則や自身の信念に偏重した指導をし、指導者の役割や在り方を正しく学ぶ機会を得ていないことだと考えられる。体罰もかつては「愛の鞭」と容認されたが、現在は「愛の無知」として、熱意や愛情には同情しても指導方針としては容認されない。同様に勝利至上主義による弊害も叫ばれているものの、依然として指導の現場では正当化されている事例は枚挙に暇がない。
このような状況に対して、マーケティングを通じて有効な手が打てるのではないかと仮説を立てた。
1)新市場創造することで、適切な人材が指導者に就く。
わが国では限られたトップ競技レベル以外の指導者はボランティアであることが多く、適切な教育を受けた有償の指導者が入りにくい。また無償指導者は不適切指導があっても「そこまで責任を負わせられない」「代わりがいない」と見過ごされやすい。そこで、新市場創造を通じて経済的自立を果たすことで、適切な人材を有償の指導者として活用することは選手や指導者自身の成長や向上ためにも必要と考える。
2)スポーツの価値を再定義することで勝利至上主義からの脱却を計る。
多くの指導者は勝利を目的とし、そのための犠牲を厭わない。しかし、その犠牲の中には本来価値があるものが含まれていることがある。勝利、栄光、名声など分かりやすい価値以外にも非金銭的価値を含めてスポーツの価値を再定義することで多種多様なスポーツの在り方や恩恵が実現すると考えている。
【ここまで】
このようなエッセイを書きました。受験時の計画書と実際の修論は異なることも多いのですが、自分の場合は、計画書の内容を踏まえて、拡げた修論になりました。
WBSを目指す人やその他の方にも何らかの参考になれば嬉しいです。
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