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Jリーグの順位と選手の市場価値の関係の考察

こんにちは。TKB84です。

今日は試合のパフォーマンスやスタッツではなく、全く別の観点を紹介しようかなと思います。

サッカー界も年々マネーゲームの色が強くなっているのは誰しも否定できない傾向だと思います。

選手にお金をかけられるクラブほどいい成績を収めている

というのは、世界の共通認識かなと思いますが、同時に、

Jリーグにおいてはその傾向は弱い、どのクラブにも優勝のチャンスがある

というのも一般によく言われていることだと思います。(自分の認識です。違ったら教えて下さい)

そんななかで自分の頭をふともたげたのがこの疑問です。

人件費のトータルはよく出てくるけど、選手はその人件費に見合った活躍をしてるのだろうか?見合った出場時間を得ているのだろうか?

そこで、今回は選手の価値と出場時間、そして順位の関係について調べてみることにしました。調査にあたっては、Transfermarktのデータを活用しました。なので選手の価値は年俸ではなく市場価値で計算しています。

細かい過程はいいから結果だけ見たい!という方は計算方法の過程は飛ばしてください。

計算方法

Transfermarktから、2019年シーズンのJ1のデータを引っ張ってきました。市場価値と、出場時間(分)の2つです。

また、途中加入、途中放出の選手もいるので、ゴルコムのまとめをベースにして、基本的には加入発表日を基準に所属期間中の試合数を算出しました。その場合は、市場価値も割引しています。

J1所属の全ての選手の実市場価値を以下に定義します。

実市場価値=市場価値*(所属期間中試合数/34試合)

これは、クラブがその選手をいくら分の価値があるとしてお金を支払ったかを示します。

また、実働価値を以下に定義します。

実働価値=実市場価値*(出場時間/所属期間中試合時間)

これは、実際その選手がクラブに還元した(試合に出場した)分の価値を示します。

仮説

Jリーグにおいて総市場価値もしくは年俸総額と順位にはあまり関係がないとされていますが、もしかすると

総実働価値(=実際に試合に出場していた選手の市場価値の合計)と順位には関係があるのではないか?

というのが自分の仮説でした。

果たして結果は…?

結果1:市場価値と順位の関係

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これは、所属選手の市場価値の合計と2019シーズンの順位を示したグラフです。なんとなく右上がりの傾向があるようには見えますが、どう判断したらいいのでしょうか。かなりランダムにも見えます。

結果2:実働価値と順位の関係

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続いて、実働価値と順位の関係を示したグラフです。

選手それぞれの市場価値を出場時間%で割引することで、実際にピッチに立っていた時間分の市場価値を実働価値としています。その全選手の合計なので、実際に各クラブでピッチに立っていた選手たちの市場価値の合計を示しています。

依然バラツキはありますが、上位、中位、下位でなんとなくグループができているようにも見えます。いくつか飛び出しているクラブがありますが、、、

結果3:活用割合と順位の関係

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さいごにもう1つ、実働価値/市場価値、つまり全選手の総市場価値に対してどれくらいの価値分の選手がピッチに立っていたのか、いわば効率のようなものも出してみました。

考察のようなもの

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結果2のグラフに戻ってみると、大まかに、総実働価値の金額で3つにグループ分けできるような気がします。さらに、順位を3等分して9つの範囲を図示したのがこの表です。

世界のサッカーの

高年俸=好成績

というロジックに当てはめると、大雑把に言って半透明の赤でハイライトしたこの3つのエリアが、期待通りの成績を残しているグループだと言えますかね。

市場価値ではなく年俸で計算したらどうなるのか、外国人選手だけで調べたらどうなるのか、複数年追いかけたらどのような傾向が出るのか、そもそも本当に関係があるといえるのか、疑問は尽きることがありませんが、今回はこれくらいで。

おことわり

本記事に、批判などのネガティブな意図は一切なく、チーム評価の際に、単に年俸総額見るだけではなくてこういう見方もできるよね、という別の視点を提供したいという思いで書きました。ご理解いただけたら幸いです。

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