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6月26日(金)マーケット情報〜低金利下で模索続く各銀独自路線〜

おはようございます。

昨日のNY市場は銀行株とエネルギー株が牽引する形で3指数とも上昇する形となった。新規失業保険申請件数の予想値の上振れをうけて続落で進んだが、金融機関のリスク投資に制限をかけるボルカールールの緩和をうけ銀行株を中止に上昇、原油価格の上昇もうけエネルギー株が上昇した。引け後のFedの金融ストレステストに注目した1日となった。

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為替と金利です。

米10年債利回りは株高をうけて上昇する形となった。0.68%付近で推移している。ECBがユーロ圏いがいの中央銀行にユーロ資金を供給する発表をうけ、ユーロドルは下落、一時ドル円も107.4まで上昇。

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1面:脱炭素 マネーが促す 世界20銀行、投融資320兆円 達成度で金利優遇も

企業に脱炭素の取り組みを促すマネーの動きが広がってきた。日本経済新聞が世界の大手銀20行の2030年までの計画を集計したところ、環境・社会を考慮した投融資は320兆円にのぼる。気候変動への銀行の責任を果たすだけでなく、脱炭素を進める企業が長期には勝ち組となり、融資先として有望という考え方がある。企業の目標達成度合いで金利を優遇する融資も増えている。

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背景には気候変動問題への銀行の責任が問われ始めたことがある。19年9月に発足し世界で170超の銀行が署名する国連の責任銀行原則(PRB)は、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」や国連の持続可能な開発目標(SDGs)と整合的な事業戦略を銀行に求める。

脱炭素への取り組みは経済効果が大きく、企業にとっても成長の機会になるため、銀行が融資を増やしている面がある。

国際エネルギー機関(IEA)は21年からの3年間で3兆ドルを再エネ開発やビルの省電力化、電気自動車購入など環境重視の施策に投じれば、温暖化ガスを45億トン削減できるだけでなく、世界の経済成長率を年1.1%押し上げ、年900万人の雇用を生むと分析する。

一方、銀行は石炭関連などCO2排出量の多い企業への融資は絞っている。仏BNPパリバは石炭関連事業の収入が25%以上の企業とは新規に取引関係を持たない。既存顧客でも石炭火力発電設備を新設する企業との取引を近い将来やめる。

各国政府も脱炭素を後押しし、流れをつかむ企業ほど成長できる環境になってきた。脱炭素に消極的な企業は資金調達がしにくくなり、淘汰されるリスクもある


経済:コロナ補正予算、デジタル投資わずか1%
既存事業が中心、海外に大幅遅れ 規制緩和も必須

新型コロナウイルスに対応した2度にわたる2020年度補正予算はデジタル化関係費が全体の1%程度だった。海外に比べ行政のデジタル化が遅れるなか、巨額予算に占めるIT(情報技術)投資はわずか。政府は21年度予算で官民のデジタル化に重点を置く。規制緩和や人材配置を併せて検討する必要がある。

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日本に限らず各国ともにコロナを受けた緊急経済対策は危機をしのぐ施策が中心で、投資的な要素は少ない。米国の経済対策をみても、現金給付や航空業界への保証といった事業が並ぶ。

日本が他国と異なるのは、そもそも政府のデジタル投資が足踏みしている状況にあることだ。20年度当初予算のデジタル関連の施策は7000億円程度とみられ、全体の1%に満たない。米国が21会計年度で1.8%程度に上る見込みなのと比べ、見劣りしている。

伸びも差が大きい。総務省の情報通信白書によると17年のICT投資額(名目)が日本は16.3兆円と00年(約20兆円)に比べて2割近く減った。これに対し、米国は17年が6550億ドル(約70兆円)と5割増えた。

経済協力開発機構(OECD)のデータをもとに同様に計算すると、フランスは825億ユーロ(約9.9兆円)と2倍近くに伸びた。英国も372億ポンド(約4.9兆円)と3%増となっている。

「1人1台端末」といった教育のデジタル化をみても、国際的な周回遅れをようやく取り戻す段階にすぎない。OECDが18年に各国・地域の15歳を対象に実施した学習到達度調査(PISA)では日本は授業でデジタル機器を使う頻度が加盟国で最低水準だった。


金融経済:高利の国債満期、地銀に追い打ち
相次ぐ償還、利ざや細る コロナも逆風

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地方銀行の運用難に拍車がかかっている。日銀のマイナス金利政策が始まる前に購入した相対的に利回りが高い国債が相次ぎ償還期を迎える。本業の貸出金も利回りの低下傾向は変わらないままだ。新型コロナウイルスの感染拡大による景気の悪化で超低金利の状況は長引く見通しで、経営環境は厳しい。店舗網の見直しなど一段のコスト削減を迫られる可能性もある。

国債などの有価証券運用は貸出業務の不振を補う収益の第二の柱だった。2019年3月末時点で全国の地銀が保有する有価証券は合計で80兆円にのぼる。国債と地方債が4割を占め、このうち4割強が22年ごろまでに償還を迎える。

16年にマイナス金利政策が始まる前の比較的利回りが高い国債は満期まで保有するだけで一定の収益を確保できた。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは13年ごろは0.6~0.7%あった。それが足元ではゼロ%近傍で推移する。今後は国債を持ち続けるだけでは収益が期待できず、再投資は難しい。

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もともと地域金融機関は貸し出しによる利ざやが細り、本業のもうけを示すコア業務純益の減少に歯止めがかかっていない。全国地方銀行協会に加盟する64行の合計額は20年3月期に9962億円と10年前から2割落ち込んだ。

本業の収益減を補ってきた有価証券運用に、コロナ危機の強い逆風も吹きつける。20年3月末の地銀全体の有価証券評価益は1年前と比べて3割減った。償還を迎えた国債の再投資先は、18年ごろからは値上がり基調が続く不動産投資信託(REIT)や投資信託が増えていた。こうした商品の相場が新型コロナの影響で3月に急落し、打撃を受けた。

オフィスビルなどに投資し賃料収入を分配するREITは先行き不透明感が強い。総合的な値動きを示す東証REIT指数は3月半ばに年初来高値の半値まで下がった。地銀は損切りに動き、北洋銀行はREITが主因で評価益が19%減った。


国際:新興国、ドル建て起債最高 4月以降6.9兆円
中東・南米、コロナで財政逼迫 信用リスク懸念

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新興国のドル資金調達が目立つ。4月以降のドル建て債券の発行額は四半期で過去最高。新型コロナウイルスによる経済停滞や景気対策で財政が逼迫しているためだ。世界的な金融緩和も起債を後押しするが、支払い能力は不透明だ。信用リスクが高まれば、市場の波乱要因になりかねない。

金融情報会社リフィニティブによると、新興国の政府や政府系機関は4月1日~6月17日にドル建て債券を645億ドル(約6兆9千億円)発行した。四半期ベースでこれまで最高だった2017年1~3月期(598億ドル)を上回った。

当時は16年末の米国の利上げなどで新興国から資金が流出した。各国はこぞって起債し、足りない資金を補った。足元では医療体制が脆弱な新興国が新型コロナ感染拡大の主な舞台となり、17年当時を上回る資金需要が生じているもようだ。

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IMFによると新興国の公的債務は20年にGDP比で約6割と、過去最高に達する見通しだ。財政運営に支障を来さないよう、IMFチーフエコノミストのギータ・ゴピナート氏は「新興国がスムーズに資金調達できる環境を確保しなければならない」と指摘する。

新興国には信用リスクがつきまとう。中南米諸国の新規感染者数は世界全体の半数に達した。

新興国などのデフォルト(債務不履行)に備えた「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」取引では現状、ブラジルやコロンビアの保証料率が下げ止まり、上昇に転じる兆しがある。止まらない感染拡大がこうした国々の信用リスクを高めているようだ。


マーケット総合2:日経平均2万円で「売る権利」、第2波警戒で取引急増 下値リスクに「保険」

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投資家が株価の急落に備える動きが広がっている。25日の日経平均オプション市場で、株安局面で持っていれば利益が出る「売る権利(プット)」の売買が活況となり、権利行使価格が2万円のプットの需要が急増した。世界で新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が高まっており、投資家の下値警戒感が強まっている。

25日の日経平均株価は前日比274円(1%)安の2万2259円となった。700ドル超安となった米国株と比べると下げ幅は小幅にとどまったが、オプション市場ではプットの売買が活発だった。2万1000円割れを意識する投資家が少しずつ増えており、「上昇を前提に持ち高を組んでいた国内外の生保や投信投資顧問などの機関投資家が、下値へのリスクに『保険』をかけようと買っている」(国内証券)という。

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投資家の下値不安は海外市場でもうかがえる。米シカゴ・オプション取引所が算出する「スキュー指数」は130台と高水準で推移している。スキュー指数はめったに起こらない大惨事を意味する「ブラックスワン(黒い白鳥)指数」ともいわれ、オプション市場で極端な株安への「保険」買いが増えると上昇する。

日本市場では日銀の上場投資信託(ETF)買いに加えて個人投資家の押し目買い意欲が強く、米国株などに比べて下がりにくいとされる。その中でプット買いが膨らんでいることは、それだけ投資家の不安が高まっていることを映している。


Things You Need to Know

The Fed capped dividends and banned buybacks at the biggest U.S. banks through at least the third quarter. The industry performed well in annual stress tests, but a separate review of the effects of the pandemic uncovered potential risks. The central bank "is taking action to assess banks' conditions more intensively and to require the largest banks to adopt prudent measures to preserve capital in the coming months," Vice Chairman Randal Quarles said. "The banking system remains well capitalized under even the harshest of these downside scenarios." Most banks were lower postmarket after earlier leading a late rally that left stocks up more than 1% despite rising infections and a mixed bag of data, including worse-than-expected U.S. initial jobless claims.

The U.S. Senate ratcheted up pressure over Hong Kong, unanimously passing a law to put sanctions on banks that do business with Chinese officials who help impose national security legislation on the city. It goes a step further than an earlier law that penalizes the officials themselves. Beijing considers its actions in Hong Kong an internal affair, and has condemned the first bill.

The Philippines trimmed by more than expected and Pakistan made an unscheduled rate cut, with both citing risks to economic growth amid reduced inflationary pressures. In Manila, the central bank eased by 50 bps. A majority of analysts had anticipated no change. Pakistani policy makers trimmed by 100 bps to 7%, bringing total easing this year to 625 bps over five actions. Elsewhere, the ECB said some Governing Council members expressed reservations about the size of the PEPP expansion at their meeting this month, but broadly agreed it was the best tool.


Chart of the Day

The BOJ is likely to lower its economic projections again next month as the heavy impact of the pandemic becomes clearer. The IMF said this week that it sees the world economy shrinking 4.9% this year, sharply lower than its April view, with Covid-19 seen causing a deeper global recession and a slower-than-expected recovery. The gloomier world view follows a lengthy state of emergency in Japan that BOJ board members will also need to factor into quarterly forecasts when they meet July 14-15.

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Texas halted the reopening of its economy as Houston's intensive-care wards reached full capacity. Coronavirus cases increased sharply in Arizona and Florida as well, while California saw its second-largest daily jump, raising further concern of a resurgence of the outbreak. Apple, like it did in Houston a day earlier, said it will close 14 stores in Florida. Brazil, which ranks second globally in total cases and deaths, launched a plan to test more than 20% of its 210 million people.

Germany is preparing retaliatory steps if President Trump kills off the Nord Stream 2 pipeline with more sanctions, people familiar said. Angela Merkel's administration may push for coordinated EU action, raising the possibility of further strains between the transatlantic allies. The measures could hit significantly more German and European companies and banks as well as state agencies, according to an economy ministry paper seen by Bloomberg.


今日発表の注目経済指標

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