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【SNSで新型コロナを徹底分析#003】 自粛生活をハッシュタグから考える。(〜4/13週)Instagram編

スパイスボックス Social Data Labがお届けする、新型コロナウイルスソーシャルリスニングレポート第三弾。今回は、Instagramにおける、生活者のコミュニケーションの変化についてまとめていきます。書き手は、アナリスト兼広報の松原です。

緊急事態宣言から2週間あまり、SNSでは在宅勤務や外出自粛に言及する投稿が多数見受けられますが、TwitterとInstagramでは、生活者のコミュニケーションの方向性もかなり異なっていました。

共起ハッシュタグランキングからわかること

今回は、AI技術で生活者インサイトを科学するスタートアップ AIQ社と共同で、コロナウイルス関連のハッシュタグと共起(同じ投稿中で使用)されているハッシュタグの中から、4月上旬に急上昇したハッシュタグに注目して、生活者のトレンド・インサイトを紐解いていきましょう。

こちらは、「#コロナ」の共起ハッシュタグ上位30位までのランキング。

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※ランキングについて
総投稿数 = Instagramでハッシュタグが使われた投稿総数

調査概要
・分析対象SNS:Instagram
・抽出データ:「#コロナ」の共起ハッシュタグランキング
・期間:2020年4月1日〜2020年4月13日
・データソース:AIQ株式会社「InstantTrends」(https://trends.aiqlab.com/)のデータを元に独自でカスタマイズ
・分析手法:「#コロナ」他 5つのコロナウイルス関連ハッシュタグと共起されているハッシュタグのうち、投稿頻度が急上昇しているハッシュタグを「急上昇ポイント」としてスコアリング

自粛疲れに対抗するのは、おいしいランチ?

ランキングを見ていくと、1位の「#自粛生活」や、2位の「コロナ疲れ」、8位の「#自宅待機」などワードとしてはネガティブな印象を抱くハッシュタグが上位にランクインしています。実際の投稿内容は、自粛生活疲れを吐露する投稿ももちろん多く見られましたが、自炊やテイクアウトを楽しむおこもり的な投稿も多数。

5位の「#テイクアウトグルメ」をはじめとするテイクアウト系のハッシュタグが上位に来ていることからも「#自粛生活」の使われ方の方向性が垣間見えます。飲食店のテイクアウト解禁・販促告知がメインと、それに呼応する形でテイクアウトを利用したユーザーによる報告投稿が見られました。

また、18位の「#うちで踊ろう」は音楽家の星野源さんの投稿企画から派生したもの。

星野源さんの公式アカウントのストーリーでも、ご存知のように連日コラボ動画がシェアされています。下記のストーリーアーカイブはその一部。本当にたくさんの人が彼の企画に賛同し、参加しています。

ランキングからもわかるように、いつ感染するかもわからない恐怖と、外出自粛のストレスに晒されている中で、投稿された星野源さんの投稿は、「外に出られないならば、おうちで楽しもう」という潮流づくりに大きく寄与したことが伺えます。彼の投稿から派生したこのソーシャル上の大きな動きや、この非常事態におけるアーティストの発信の傾向・影響については、また別の機会に深掘りできればと思います。

在宅勤務の多様化も…

7位の「#テレワーク」、11位の「#在宅勤務」をつけた投稿の主な内容は、自分なりにアレンジしたと考えられる在宅勤務スペースの写真。

ベランダでの勤務を報告するユーザーも。気持ちの良い気候が増えてくる季節ですから、青空ワーク写真を投稿するユーザーも増加するかもしれません。

突如として登場したアマビエ

本日記事に掲載したランキングは30位までですが、ランク外からもユニークなハッシュタグがいくつか登場してきました。ひとつは「#アマビエ」。半人半魚の妖怪で、豊作と疫病を予言するといわれ古くから信じられてきましたが、今回の新型コロナウイルスの流行に乗じて、おまもり的コンテンツとしてTwitter上で語られるようになったのが、2020年2月末(※spiceboxのオリジナルツール「THINK」調べ)。

Instagramでは、イラストレーターさんによる、キャラクタライズされたかわいらしい「#アマビエ」投稿が散見されました。「#アマビエチャレンジ」では、家にあるものを使ったアマビエの再現も。

こちらも形は違えど、星野源さんの「#うちで踊ろう」と同様に、「いま家でできることを楽しもう」という前向きなコミュニケーションです。

これからの生活者の行動の変化について

今回お届けしたランキングは2020年4月1日〜13日のデータ。来週以降も順位の変動や、新しく発見されたハッシュタグについては、随時ご報告いたします。

新型コロナウイルスを取り巻く環境や、ニュースは日々刻々と変化しています。生活者のコミュニケーションの潮流もそれに伴って大きく変わっていくことでしょう。スパイスボックスでは、これからもSNSを通して生活者の発信について調査し、新型コロナウイルスとともに生きるわたしたちの生活について考えてまいります。

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