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日本のスタートアップGITAIの「インチワーム」ロボットが、月面基地の建設に使われるかも


Day3
DARPAに採用された日本のスタートアップの記事ですね。DARPAと言えば過去にボストン・ダイナミクスを生み出したこともあるアメリカの軍から独立している国防機関。オープンな開発体制が取られているとのことなので今後に期待です。


日本のスタートアップ企業GITAIが開発した機動性のあるロボットが、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)が実施する月面インフラ開発研究のための技術リストに選ばれました。

DARPAはアメリカ国防省の研究開発機関で、今年の8月に10年間の月面アーキテクチャ(LunA-10)能力研究を発表し、科学コミュニティ内の孤立した取り組みを統合し、宇宙および月面での将来の活動を支援するための先進的な技術インフラを構築することを目指しています。

LunA-10に選ばれた企業の一つであるGITAIは、宇宙での労働をより安全かつ手頃な価格で行えるようにすることに焦点を当てた宇宙ロボティクスのスタートアップ企業です。この目標の一環として、同社は微小重力や月面環境での複雑な作業を実行できる、交換可能で任務適応型のハードウェアを備えたモジュラー型「インチワーム」ロボットを設計しました。

これらのロボットのモジュラー設計により、他の技術に簡単に組み込むことができ、DARPAのLunA-10の宇宙および月面探査のための統合された技術インフラ構想と一致しています。

GITAIはこの技術を国際宇宙ステーション(ISS)のナノラックス・ビショップ・エアロック内でテストし、「S1」ロボットを用いて、ボタンやスイッチの操作や、太陽光パネルやアンテナに似たテストコンポーネントの組み立てなど、巧みな作業を成功させました。

次のロボット「S2」は2024年初頭にISSに打ち上げられる予定で、宇宙ステーションの外側での技術のサービス能力を示すことが目標です。S1やS2はGITAIのインチワームの全能力を反映しているわけではありませんが、開発中のロボットと「技術的に類似」しているとGITAIは発表しています。

「選ばれたことに謙虚でありながらも興奮しています」とGITAIの創設者兼CEOの中ノ瀬翔は同社のLunA-10発表で述べました。中ノ瀬は、同社のミッションを単なるロボティクス以上のものと見ており、「新たな月面インフラの時代を築くこと」と述べ、「モジュラー型ロボティクスを活用する革新的なアプローチが、私たちが月をどのように捉えるかを再形成する触媒である」と付け加えました。

DARPAによる8月の声明によると、この研究への選出によりGITAIは最大100万ドルの資金を受け取る資格があり、インチワームの技術進歩を迅速に実現するための短期間が設定されています。LunA-10に選ばれた企業は、2024年4月にLSICの会合でその進捗を科学コミュニティに報告することが期待されています。

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