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第5回 釣り人だからわかる ビジネス戦略 「アンゾフ・マトリクス」
アンゾフ・マトリクスとは?
いきなり聞き慣れない言葉が出てきましたが、内容はシンプルですので安心してください。
アンゾフ・マトリクスはビジネス戦略の一つで、縦軸に新規市場と既存市場、横軸に新製品と既存製品を組み合わせて、4つのパターンに分けて成長戦略を考えるモデルです。
要約すると以下の2つの問いに答えるだけ。
常連のお客様向けに販売するか、新しいお客様を探して売るか。(市場)
いつもの商品を売るのか、新しい商品を売るのか(製品)
それらを4つのカテゴリーに分けます。
「市場浸透」既存市場✖️既存製品
「製品開発」既存市場✖️新規製品
「市場開発」新規市場✖️既存製品
「多角化」 新規市場✖️新規製品
上の方が変化もリスクも少なく、下の方はリスクが高くなります。多角化はもはや別事業に参入する事になります。
最近の身近な例で言えば
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コロナで飲食店は打撃を受けました。
今まで通りのやり方ではお客さんが来ません。
「市場浸透」既存市場✖️既存製品
そこで同じ料理をテイクアウトできるようにして、常連さんではなく他のお客様にお弁当として販売しました。
「市場開発」新規市場✖️既存製品
お弁当は冷めると美味しくなくなってしまい自慢の味が届きませんでした。そこで、冷めても美味しい弁当を開発したり、ミールキット(お家で〇〇みたいなもの)を開発します。
「製品開発」既存市場✖️新規製品
売り上げが回復してきたので、ミールキットをインターネットで販売したところ、時勢にマッチして大繁盛。これはもう別事業ですね。
「多角化」 新規市場✖️新規製品
おおまかにこんなイメージです。
みなさんは釣りをされていると思うので釣り人に寄せて説明します。
釣具で理解を深めましょう。
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ルアーメーカーが行っている製品開発の戦略で考えてみましょう。
新規市場、既存市場と言う考えは一見複雑に見えますが淡水をメインに扱っているルアーメーカーからすれば、淡水と海水のような考え方で分けることもできます。
新規製品、既存製品は説明不要ですね。
「市場浸透」既存市場✖️既存製品
毎年、毎年ブラックバス用のルアーがほんの少しだけ形状やカラーラインナップが変わって、新製品のようにお店に並びますよね。
その中で、不動の定番みたいなものが存在します。これが市場浸透戦略です。リピートで売れるので、売り込む必要もなく安定します。
ゲイリーヤマモトの4インチグラブやセンコー、デプスのデスアダーなどがそうです。
ブランドや信頼を高めるような戦略を取ることでシェアを増やしていきます。
「製品開発」既存市場✖️新規製品
そんな中、今まで存在しなかった新しいルアー製品が出てきます。これらが製品開発になります。毎年プロがメーカーと提携して開発するルアーやロッドなどが該当します。開発にコストはかかりますが、既存のファンに届けるのでリスクは低いですね。
釣り業界に革新をもたらしていると言うアプローチが戦略になります。
「市場開発」新規市場✖️既存製品
ブラックバス用に出たワーム(ソフトルアー)がサイズを変えてアジング用のルアーになっていたりする事があります。デスアダーやイマカツのジャバスティックなどが2インチくらいになってアジングコーナーに進出。これが市場開発です。すでに自分達が持っている製品を別の人に買ってもらう戦略です。リスクも少なく展開しやすいですね。
既存の製品のブランドや信頼をそのまま転用して市場を拡大する戦略です。
「多角化」新規市場✖️新規製品
これはもはや別の事業です。今までなかった物を未知の市場に投入するので、リスクはかなり高いですが成功すれば利益は大きいです。
100円ショップが釣具を取り扱い始めることで、新しい顧客層にアプローチしてビジネス範囲を広げることなどが該当します。顧客獲得にリスクもありますが、実際には確実に市場を広げて各100円ショップが競って製品ラインナップを増やしています。
釣り具店に通うコアな客層ではなく、ライトユーザーを対象に100円ショップは新しいマーケットを作り出したと言えます。
各戦略を実釣で考えてみる
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考え方を当てはめるパターンは無限にあります。今度は実際に釣る時のシチュエーションで考えましょう。あまりくどく書いても仕方がないので、シンプルにまとめてみました。
市場浸透
お気に入りの場所で、お気に入りのルアーを使い続ける。テクニックや時間帯を微調整して、より多くの魚を釣る。
市場開発
初めての場所で、お気に入りのルアーを使う。初めて場所でも今までの経験を活かして柔軟に適応し、成果を出す。
製品開発
釣り慣れた場所で、新しいルアーを試す。
ルアーの選び方や投げ方に工夫を凝らし、今まで取れなかった魚を狙う。
多角化
初めてのアジングでトラウト専用のルアー使ってみるなど。これは未知でリスクが高い。自分だけ爆釣と夢見て、自分だけノーフィッシュと言うリスクも背負う。
何となくイメージが湧いてきたでしょうか。このように自分でフレームワークに当てはめて考えて行く事は発想力を高めることに役立ちます。身近なもので、当てはめて考えることで理解を深めていきましょう。
格論で終わらせないためには
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各戦略が有効な状況と、その戦略に基づいて取るべき具体的な行動ステップを明示することで、ただの理論で終わらせずに実践に移すヒントを提供します。釣りでのパターンがイメージできたら、自分の仕事に当てはめて考えてみてください。
ルアーフィッシングで得られる洞察は、ビジネス戦略にも活かせる事が多いです。
今回はアンゾフ・マトリクスを釣り人に理解しやすいようにまとめてみました。
それぞれの戦略のイメージはつかめましたか?
この記事がお役に立てれば幸いです。
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