見出し画像

【イベントレポート】 複雑な業務領域におけるクリエイターの役割とは?〜不動産tech Product Night #1〜

不動産tech Product Night(#不動産テックナイト)は、不動産領域でデザイナー・エンジニア・PdMといった、プロダクトデザインに関わる方に向けたイベントです。

業界が広い分企業が多い一方で、「クリエイター同士のナレッジシェアの場が少ないのでは?🤔」という課題から、LayerX・estie・GOGENの3社で立ち上げました。
本記事では、第1回目の様子と当日の内容を一部ご紹介します。

💬第1回目のテーマは 「業界の重さ」

不動産業界の特徴として、業務の重さがあると感じています。
1つの要因としては、一回の取引規模が大きいゆえに、法や規則によって制限があったり、売主、買主がいて、それを仲介する人、購入した後は運用(アセットマネジメント)など登場人物が多かったり。

そうすると1つの業務に対して複数のところでワークフローって走っていて、1つのフローを変えるのも大変、デジタル化・効率化するにも….という「重さ」につながっています。

ですが、本来こういった業界こそデジタル化による効率性向上のポテンシャルが在るはず。
「不動産」でプロダクトに携わるクリエイターがどのように向き合ってきているのかナレッジを聞きたい!と思い今回はこのテーマにしました。

それでは当日の内容をご紹介します!

現実の複雑さを抽象化して、うまく取り扱えるようにするというのがエンジニアやPdMの役割

「ドメインの『重さ』を体験の『重さ』にしないために」
株式会社LayerX 三津澤 サルバドール将司さん

記念すべき第1回目の1人目の発表は、LayerXで不動産を取引する資産運用サービス「ALTERNA」(オルタナ)でCPO・CTOを担当しているサルバさん(@masashisalvador)。

プロダクトを作るうえでは、業務や組織の複雑さを抽象化して取り扱う必要があるとお話してくださいました。

証券領域とか不動産領域っていろんな概念が登場して、決算があったりとか証券の募集があったり、モノがそもそも複雑で。
それぞれ担当する組織がこの業務はこの人が担当しています、この部署が担当しています、と業務が組織に組まれているので、両方の複雑性が掛け算で効いてむちゃくちゃ重たくなってくるところが結構こういう業界のポイント。
この辺りを抽象化してうまく取り扱えるようにするというのがエンジニアやPdMの仕事だと考えています。

当日の発表より

この背景には、過去プロ投資家向けのサービスを立ち上げた際に、抽象化をせず現実を写し取ろうとして失敗した経験があることのこと。

1件でうまくいくように考えて作っていて 4件とかになっても大丈夫でしょうと思っていたんですけど 物件ごとに情報が出てくるタイミングも違ったり、入稿の単位も一件一件に入稿されているのですごい投入が大変だったということで業務の複雑性が爆発してしまった。

当日の発表より

1つだけだとうまく行く業務が、10件、50件になったときにスケールするかどうか?ワークフローに存在している承認や確認プロセスをそのままプロダクトにするのではなく、抽象化して作業者の体験も検討する必要があります。

「理論↔実践、今↔昔」で業界ドメイン全体を把握する

「俺たちのドメイン知識獲得戦略」
株式会社estie VP of Design 荒井 謙さん

estieさんからは、VP of Designの荒井さん(@rakenarai)。
未経験から業界に入ってくる場合、入社後に業界の知識をキャッチアップしていくことが必要です。「商業用不動産」をどのように体系化してキャッチアップするのか、具体的な実践を紹介してくださいました。

理論と実践、今と昔を意識して知識の層を作る

Vertical SaaSで、業界においてありとあらゆる業務を改善しまくる戦い方をしているので、 業界そのものの知識が求められます。
ここを攻略していくときに意識するといいかなと思っていることが、 理論と実践、今と昔という軸を意識して知識の層を作り上げていくことが大事かなと思っております。
昔の理論だけを知っていても意味ないですし、 今の実践的なところだけをしていても、歴史の層を知らなければ意味がないというところで、 縦横に知識の層を作り上げていくことが大事かなと思っております。

当日の発表より

具体的なステップとして、
ステップ1(読む):本や記事、専門誌を読む際に、知識を収納する枠組みを意識する
ステップ2(聞く):商談に同席し、商談記録を読むなど顧客との接点を増やす
ステップ3(やってみる):実際の業務を模擬的に追体験したり、社内アプリを使って情報収集やデータ化を実施する

を紹介。業界について全力でキャッチアップを行うことで、ユーザーの業務課題に向き合っている組織としての強さを感じました。


自社サービスのみならず、業界全体としてのあるべきカスタマイズジャーニーを描いていく

「不動産ドメインにおける、スタートアップの価値共創戦略」
株式会社GOGEN Chief Experience Officer(CXO) 金子 剛さん

GOGENさんからは、CXOの金子さん(@tsuyoshi_osiire)。
購入者体験を改善するには、ユーザーの課題を部分最適で解決するのではなく、描いているビジョンをもとに業界のバリューチェーンそのものから変えていくような動きをする必要があると、お話してくださいました。

この不動産業界、社会課題を解決するという目線で見たときに、お客様のカスタマージャーニー、バリューチェーンといった お客様とどういうふうに接していくかというバリューチェーン全体を置き換えていくというような プロダクトがこれから求められていくんじゃないかという風に思っております。

今まで顧客のカスタマージャーニーの中で、いろんな部門に分断されていた。ローンとか、契約の中でも契約書作成と契約を結ぶの部署が違う管轄部門が違う、みたいな話で、一連のカスタマージャーニングの中の全体像を最適化していくような取り組みがこれからは必要になってくることを提唱したい。

当日の発表より

バリューチェーンそのものを変えて行こうとするときに、今までを否定するのではなく、会社のバリューとして「Respect & UpDate」を定義。人々の生活を支える上で 大事な知見が詰まっているということにリスペクトを持つことも徹底されていました。

パネルディスカッションタイム

イベントの後半では、LayerXの丸野さん(@peroyuki_)をモデレータに、パネルディスカッションを開催!
各社のしてやったりな施策など、なかなか聞くことができない話が展開されました。

🎉 なんと!第2回開催!

なんと次回は9月10日(火)に開催決定しました!
場所は六本木ミッドタウンにある、estieさんの素敵なオフィスです。
業界課題におけるAI活用を取り上げます!

日時:2024年9月10日 (火曜日) 19:00開場、19:30開始
費用:無料
場所:東京都港区赤坂9-7-2 東京ミッドタウン・イースト 4F 株式会社estie

是非お越しください!お待ちしております!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?