Paradiso に助けられる
言わずと知れた名作、『ニュー・シネマ・パラダイス』。
日本公開は、僕が生まれる少し前の1989年12月らしい。
初めて見たイタリア映画だし、これ以外に好きなイタリア映画というと思い浮かぶものはない。
ほぼ全ての映画の中で、トップと言えるものだと思う。
映画を繰り返しみることがほとんど無い自分としては、この映画だけはなぜか繰り返し見てしまい、幾度となく同じ場面で涙する。
トトとアルフレードの物語であるが、そこに挟まれているのは映画。
テーマ曲を聞いていると、なぜにこうも雨と合うのかと考える。
劇中、雨のシーンが印象的なのだが、
よくよく映画を思い返すと、場所も状況も全く違うのに
どうも自分と重ね合わせてしまう。
父親が帰ってこないトト。
映画を心から愛する二人。
その魅力の扉を開くアルフレード。
幼少期の切なくも美しすぎる思い出の数々。
フィルム、シーン、つなげ合わせると違ったストーリーができる。
なんにせよ、映画という存在を究極までに考えたらここに行き着くのでは無いかと思う。どの時代であっても、色褪せることはないのだろう。
どうしても忘れられないシーンが、雨の中
(正確に言うと雷雨が降り出す、かな)
ホテルでアルフレードの死を聞いたところ。
冒頭も冒頭なのだが、これがラストシーン、もはやエンディングというところの涙へと完全につながる。
雨のシーンで、少し検索してみると映画としても美しい演出をかましているらしいので、こういうのも楽しいね。
魔法のような世界に入ることができる、映画。
一生抜け出せないということが出来るなら、その中にずっといたいもの。
遠い世界なんだよなぁ。いつかそんなところに行ってみたいもの。
今晩は冬の冷たい雨です。
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