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都市伝説に心が躍る。


先日初めて日光東照宮に行ってきた。仲のいい先輩と、現代社会を生きるのは負荷がでかいとよく話していて、蓄積した疲れを消化するために「パワースポット行こうの会」が昨年発足された。自分と先輩、そして歩くパワースポットと称されるエネルギーに満ち溢れた別な先輩の3人で、その名の通りパワースポットに行く会だ。心が疲弊した時は大自然に囲まれたくなるので目的地は自ずと都心から離れた場所になり、前回は奥多摩の「セラピーロード」というハイキングコースだった。GWだし他県まで足を伸ばしてみようということで日光東照宮に行くことになった。

当日は厚い雲に覆われた灰色の空だったが、青空ピーカンよりもミステリアスな雰囲気が漂っていて見応えがあった。テレビや教科書で見て徳川家康の墓っぽいものくらいの雑な知識で臨んだが、眩しいくらいに施された金細工や数えきれないほどある動物や霊獣の彫刻を見て、現代の引き算の美学や機能美とはかけ離れた「贅を尽くして格の違いを見せつける」を国のトップが堂々と体現していた時代があったのだなぁと実感する。日本史はそんなに詳しくないが、徳川家康は織田信長や豊臣秀吉といった人気の武将達に比べると華々しさや派手な英雄というイメージはない。処世術や質素倹約といった静かな賢さを発揮した狡猾な人という印象で、そんな彼を祀る場所がこれほどにも豪華絢爛であるのは不思議だった。

建立の経緯や家康の人柄に興味が湧いてネットを漁っていると、都市伝説や根も葉もない陰謀論も沢山出てきた。そういう話の方が断然興味が湧く。どうやら日光東照宮には徳川の埋蔵金が眠っているというのがオカルト界隈の通説らしい。童謡のかごめかごめの歌詞が根拠になっているらしく、徳川家が建てた寺社仏閣を地図で結ぶと「籠の目」になるだとか、鶴と亀の像の後ろが埋蔵金の在処だとか、そんなようなことが熱く語られていた。無理があるだろうと思ったが、こういうのは無理があればあるほど面白い。サイトを漁っているうちに語られる説のパターンも段々絞られていくので、時折かなり飛び抜けた主張をするものや徳川家が今もなお水面下で社会を牛耳る巨大組織であるといった陰謀論をデカめのフォントで綴ったブログを見つけると気分が高揚する。ロマンに身を委ねていてカッコいいなあ。段々と他の都市伝説やオカルト記事を読むのも面白くなってきて、ムーのwebマガジンをブックマークに追加してしまった。

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