たかまっく

地の底にいる。

たかまっく

地の底にいる。

ストア

  • 商品の画像

    美談に朽ちる前に、日記を書いた。2023.9.19-11.30

    2023年9月19日から11月30日までの絵日記を一冊にまとめたZINE。 いつも通り生きていたら、突然色々なことが無理になり心も体も壊れ、現在進行形で休職中。 暴走する心身を落ち着かせるために絵日記を始めた。忙しく生きていたらわざわざ直視しない違和感や嫌悪感、ささやかな嬉しさなど、感情を解きほぐすことで自分という存在が保たれる気がした。 この日々を「人生にとって大事な期間だった」と安い美談でまとめないように、感情と日常の解像度が高いうちに綴った。 完治もなければオチもない、ドラマチックなことなんて起こらない日々徒然の記録。 著者  :たかまっく 印刷製本:株式会社コーヤマ H 182mm × W 128mm / 170P+cover ©︎Takamakku.2024.Printed in Japan
    1,430円
    takamakku
  • 商品の画像

    美談に朽ちる前に、日記を書いた。2023.9.19-11.30

    2023年9月19日から11月30日までの絵日記を一冊にまとめたZINE。 いつも通り生きていたら、突然色々なことが無理になり心も体も壊れ、現在進行形で休職中。 暴走する心身を落ち着かせるために絵日記を始めた。忙しく生きていたらわざわざ直視しない違和感や嫌悪感、ささやかな嬉しさなど、感情を解きほぐすことで自分という存在が保たれる気がした。 この日々を「人生にとって大事な期間だった」と安い美談でまとめないように、感情と日常の解像度が高いうちに綴った。 完治もなければオチもない、ドラマチックなことなんて起こらない日々徒然の記録。 著者  :たかまっく 印刷製本:株式会社コーヤマ H 182mm × W 128mm / 170P+cover ©︎Takamakku.2024.Printed in Japan
    1,430円
    takamakku

最近の記事

これが旅行でリフレッシュというやつかしら。

土曜日から月曜日まで島根に旅行に行き、帰ってきた翌日には山梨まで日帰りドライブに行ってきた。充足感や多幸感が体に過剰に蓄積し、少し胸焼けのような感覚で今日は何もせずに過ごした。ベランダからはいつも通りのマンションの群れが見える。旅先で着ていた服を洗濯して干すとき、非日常から日常への移り変わりを感じる。服がいつもとほんのり違う香りがする。旅先の香りが残っている服を、東京の日差しで干す。普段からどこかに出かけたいなーと思いながらも計画性と行動力がなく、結局電車と徒歩圏内で季節感の

    • 風邪を引きながらコロッケを作る。

      また風邪を引いた。メンタルの不調が体に現れているのかと思ったが、普段から季節の変わり目には風邪を引きがちなので通常モードなのかもしれない。保健士の助言に従い今月は睡眠リズムを整えるべく、睡眠記録アプリを使ったりジムで運動したり、薬を飲む時間をずらしたりぬるめの風呂に長く浸かるなど「自律神経 整える」で検索すればよく出てくるようなことを日々実践している。効果があるのか半信半疑ではあったが、朝の7時前後に自然と眠りから覚めるようになってきた。人間の体は割とシステマチックだ。とはい

      • ゴミ回収に間に合わない。

        うちのマンションは朝の8時までにゴミを回収ボックスに出すことになっているが、8時に回収業者が来た試しはなく、「結局昼ごろまでこないだろ」と布団で眠さに体を委ねつつ「間に合わずにまたゴミを出し損ねるかもしれない」と若干のスリルを味わっている。そして、そう思いながら寝る時は大抵出し損ねる。 今日もまだ大丈夫かなと布団と一体化していたら可燃ごみの回収車の音が聞こえてきた。すぐさまゴミ袋を外に持っていけば間に合ったのかもしれないが、朝イチでそんな体力と気力は湧かず回収車がピーピー鳴

        • Ctrl +Zできない時間で、ただ土に指を当て続けた。

          よく遊ぶ友人二人と何かクリエイティブなことをしたいとなり、陶芸教室に行ってみた。「教室」と言っても事前予約や決まったカリキュラムは存在せず、好きな時に行き好きな物を作り必要があれば講師や先輩がサポートしてくれるゆるい工房だ。陶芸には前々から興味があったが、ネットで探して出てくる教室は何とも渋いテイストで、ここに通って作品を作りたいと感じる場に出会えず一歩踏み出せずにいた。陶芸行こうよと誘って一緒に行けるフットワークの軽い友人がいるかも気がかりだった。 趣味で陶芸作品を作り、

        これが旅行でリフレッシュというやつかしら。

          ZINEフェスと選挙演説で、個人と社会の皮膜を思う。

          天気が悪くて出かけるのは気が引けたが、エッセイを寄稿させてもらったZINEの献本を受け取るべく、浅草で開かれたZINEフェスに行った。会場はなんかキラキラしていた。大きな会場であるほど出展者もお客も多様化し、それ自体はいいことだと思う。以前自分が出展した際は90ブース以上が参加する大規模な会で、吉祥寺PARCOという場所柄もあり色々な人に作品を手に取ってもらうことができた。出展する側としては嬉しいことだけど、作家と客の中間のような中途半端な立ち位置であの場に行くと、その大規模

          ZINEフェスと選挙演説で、個人と社会の皮膜を思う。

          リハビリ開始許可、おりず。

          夕方、月に一度の保健師との面談だった。面談はオンラインで実施しお互いカメラをオフにしているため顔を見たことはないが、ひと回りくらい年上の女性な気がする。ここ最近の1日の過ごし方や食事内容、睡眠のサイクルや気分の変化、飲んでいる薬の種類や量なんかを話す。診断書が出ている間はあくまで近況報告の時間なので取り止めのない雑談に広がることも多く、前回の面談では失恋の立ち直り方を話したことしか覚えていない。 現在もらっている診断書は今月末までのもので、そろそろ復職しようかなと思っていた

          リハビリ開始許可、おりず。

          父とボーリングに行き、爪が割れる。

          母を病院に迎えに行くまでの間、父に誘われてボーリングに行った。父は最近ボーリングにハマっており、マイボールやマイシューズを揃えて職場の人たちとよく行っているらしい。以前帰省した時は登山に人生観を変えられたと語っていたが、地面でボールを転がすことに方向転換したらしい。多趣味だが長続きはせず、形から入るところは自分と似たものを感じる。 ボーリングなんていつ以来かわからない。ティーンエイジャーが友達同士で来てストライクを出すとハイタッチを交わす様子が目に浮かぶが、自分の人生にその

          父とボーリングに行き、爪が割れる。

          親の日常、どんどん知らないものになってく。

          帰省してから10日ほど経ち、久々に帰ってきた「実家感」は薄れていつもの日常を送っている感覚になる。やたらと水圧の弱いシャワーや生温かい風が出るドライヤーにも慣れてきた。両親は相変わらずだ。年末に自分が男性と付き合っていたことを父に打ち明けたが、そのことについて詮索されないし、体調や仕事について聞いてくることもない。 こちらに聞かない代わりに父と母は日々の出来事をつらつらと話してくる。慣れないカタカナ用語が飛び交う職場で異文化に戸惑っていること、最近はボーリングにハマっている

          親の日常、どんどん知らないものになってく。

          ダサいマイバッグにグッとくる。

          実家の近くのスーパーに寄った。都会と違って店内はだだっ広く、通路の幅を気にせずにカートを押すことができる。地元のスーパーに行くたびに物価は都会とさほど変わらないと感じる。値段は変わらないが、デカい。芋もトマトもニンジンも、デカい。 店に入る時、ダサいマイバッグを引っ提げた30前半くらいの男性客が目に止まった。じっくり見たわけではないのでぼんやりとした記憶だが、デカい虹が描かれていた。そのダサさに大層グッときた。とても目につくが、何も主張しない虹。何者でもあろうとしてないただ

          ダサいマイバッグにグッとくる。

          湖でマッチングアプリ。

          雨が続いてジメジメし始めた気候と雑踏の不快感から逃げるべく半年ぶりに地元に帰省している。半年前の帰省がつい最近のことに感じ、なんならずっと地元で暮らしてきたようにすら思えてくるが、この半年の出来事を振り返ると東京での月日は紛れもない現実として自分に蓄積していることを実感する。 親の運転する車で2,3時間かけて湖に来た。住んでいた頃には興味のなかった場所に行きたくなる。海のように大きくて際限なく広がるように見える湖だが、海と違って周りではしゃぐ人はいない。簡単に手を出してはい

          湖でマッチングアプリ。

          唐突に備蓄ハイ、唐突に萎える。

          ここ数日備蓄にハマっている。刹那的なムーブメントとして行うものではないと思うが、ペットボトルの水を箱買いしたり、日持ちのしそうな食べ物を買ったり、簡易トイレを買ったり、やたらと備えている。東京都の防災アプリを入れて家の近所の避難所や給水所の場所を調べたり、今までほとんどしてこなかった防災対策に取り憑かれている。備蓄ハイだ。 きっかけは何だったろうか。最近やたらと地震が多いからだろうか。緊急地震速報は鳴何度聞いても気味が悪い。何がきっかけかはわからないが、百均やドンキで買った

          唐突に備蓄ハイ、唐突に萎える。

          初めて署名を出した。

          インスタを見ていると、今日はストーリーで「ALL EYES ON RAFAH」と書かれた画像がやたらと流れてくる。AIで生成された画像で、砂漠のような荒野にテントが「ALL EYES ON RAFAH」の形に立ち並んでいた。実際には存在しない光景だが、ガザでの襲撃に対する抗議のムーブメントであることはすぐにわかった。 ガザについてはニュースやSNSで連日目にするので、大変なことが遠い国で起こっているんだなとは思っていたのだが、正直「遠い国」くらいの認識だった。毎週のようにデ

          初めて署名を出した。

          鳩の交尾にやたらと出くわす。

          最近道を歩いていると鳩の交尾をよく見かける。ボーボー鳴いてるなと思ったらメスの鳩の上にオスがちょこんと乗っかり、2,3秒で事を済ませまた首を前後に振りながらボーボー言って飛んでいく。以前唐突に鳥の交尾の仕組みが気になって調べたことがあったが、詳しいことは忘れてしまった。流石に哺乳類とは違ったことだけ覚えている。 今日も散歩をしている時に求愛真っ盛りな鳩を見かけたのだが、随分いちゃついているように見えた。2羽は歩道橋の手すりに横並びになり、くちばしをくっつけたり頭をお互いに寄

          鳩の交尾にやたらと出くわす。

          おしゃれなカレーがまずかった。

          おしゃれなカタログギフトをもらった。インスタに部屋を載せていると時々取材を受けることがあり、その謝礼として頂いたものだった。おしゃれな瓶やおしゃれな袋、おしゃれなマカロンやおしゃれなレトルトカレーのセットなどいくつかの選択肢から好きなものを選ぶことができる。無駄な出費を抑えたい今の心境としては瓶や袋よりは実利に繋がるものがよく、マカロンは腹の足しにはならないのでカレーのセットを選んだ。 数日前に注文し今日届いたので早速食べてみると、驚くほどまずかった。レトルトカレーは期待値

          おしゃれなカレーがまずかった。

          人毛は重油の回収に使われるらしい。

          友人に連絡したりSNSに投稿するほどではないけれど、自分だけで処理するには惜しい話のネタになりそうな事が起こる時がある。最近はそんなことばかりである。 髪を切りに行った。自分が通っているのはフリーの美容師で、シェアオフィスのような空間にいくつもの小さな個室が並んでおり、それぞれ個人経営の美容師やらネイルサロンやらエステやらが店を構えている。そこで店を出しているカマダさんという美容師にここ4年ほど髪を切ってもらっている。自分はカマダさんの技術に絶対の信頼をおいており、別人のよ

          人毛は重油の回収に使われるらしい。

          わからないまま、違うまま愛する。

          アマプラでウェス・アンダーソンの「犬ヶ島」を観た。この前久しぶりに「グランド・ブダペスト・ホテル」を見直したら、こんなに面白かったっけとしばらく余韻に体が包まれるほど引き込まれた。初めて見た時は構図と色合いが計算されたおしゃれな映画だなーという印象で、それは即ち「面白くはない」を意味した。 あの頃から自分の感性が変わったのか、非現実的な色彩や構図の精巧さ、共感の余地を与えないほどテンポ良く進む会話、人形のように無機質な役者の表情と抑揚のない話し方など全てが小気味よく感じた。

          わからないまま、違うまま愛する。