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できることより、 「できないこと」を伝えよう

私の地元・北海道十勝郡浦幌町。2021年12月6日現在、人口4423人。
子供だった40年前には、1万人いた人口が、あっという間に半分になってしまいました。
この町に「十勝うらほろ楽舎」という、町づくりを担う一般社団法人があり、代表理事をつとめるのが近江正隆さんです。
近江さんが東京から浦幌町に移住して30年を迎えるにあたり、これまでお世話になった方々との交流食事会が開催され、参加させていただきました。

十勝うらほろ楽舎

近江さんはとってもユニークな経歴で(彼の経歴などはこちらに詳しください)、都立の進学校を卒業後18歳で単身北海道にやってきます。
漁師になると決めた彼は根室から函館まで港町を徒歩で歩きます。
漁師というのは世襲の世界ですから、普通に「今日から漁師になります!」と言ってなれるケースはほぼなく、農業より新規参入が難しいのです。
そんな中、あらゆる港で「雇ってほしい」と言って、唯一「函館まで行って、どこなかったら戻ってくれば?」といったのが浦幌だった…という縁でこの地に移り住みます。

近江正隆さん

そんな彼が地域づくりの仕事を本格的に始めたのが2006年。
地域に高校がなくなり、このままではますます人口流出が加速化すると心配したPTAのみなさんが中心となり、小中一貫のコミュニティスクールをスタートし、地域愛を育む教育が始まりました。
■小中一貫コミュニティスクールの資料はこちらのPDFを
https://www.urahoro.jp/iju_teiju/files/2016102.pdf

真剣な参加者

さて、ここからが本題。
この日はなんとも多様なキャリアの方々が「浦幌町のために」と集まり、様々な「自分にできること、自分がやりたいこと」についてお話しくださいました。

この日は30人ほどのメンバーだったでしょうか?
地元浦幌に生まれ、育った参加者は私を含め2人のみ。

これほどまでもの方々が熱い想いをもって集まり浦幌町のために力を貸してくれるのか…と感動すると同時に、ずっと「どうしてだろう?」と不思議に思って聞いていましたが、近江さんの発言を聞いて、しみじみ分かったことがあります。

私たちはとかく「自分は◎◎ができます」と、
自分のできることをプレゼンテーションしたり、人に伝えたりしがちです。

しかし、近江さんは「私には◎◎ができないので、誰か助けてください」とプレゼンテーションするのです。

すると誰かが自然と「僕◎◎ならできますよ」「私××ならできるかもしれない」と声を上げはじめます。

そうかこれだ!これなんだ!

地域活性化に大切なのは
・できること、できないことを整理すること
・できないことを発信して、この指とまれと手を高く挙げること
・サポートくださる方にしっかりゆだねること
・その方を全力サポートすること

「できないことを伝える」…これがとても重要なのです。

私の目標の1つに「敵を作らない愛される生き方」というのがあります(今は全くできてない)
どうすればそんな生き方ができるのか?とずっと考えていましたが、答えが1つ出た気がしました。

できることを伝えていると必ず反発されたり、「敵」ができやすい気がします。
また「あの人は、私とは違う人」と知らず知らずのうちに壁ができてしまいがちです。

では、できないことを伝えていけば…「敵」は生まれませんね。
もちろん、そのベースとなる実力、能力、経験、ジャッジメントできる力がなければだめなんです。
でもね、大切なのは「できないこと」を発信できる力なんじゃないかな?

もう目がパッカーンと開きました。
近江さん、本当にありがとう。

北海道・十勝浦幌の素晴らしい幸を料理でいただきながら
行者にんにくのピザ
シシャモ、サーモン、シカ肉、豆などを使った前菜



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