見出し画像

CANON EFレンズをEOS R6 MarkⅡで使う

焦点距離100mmくらいまでのレンズが欲しいと思い検討中です。

理想を言うと RF24-105mm F2.8L IS USMという最近発売されたレンズになりますが、希望小売価格 495,000円と、とんでもなく高価です。

RF24-105mm F2.8L IS USM(キャノンフォトハウス大阪)

F2.8通しで広角から中望遠までカバーするレンズですので、これ一本あればほぼ何でも行けると思いますが、だからといっておいそれと買えるような価格ではありません。

そこで10万円以内で買える(それでも高いですが)中古のレンズを物色中です。


EFレンズという選択肢

キャノンは一眼レフ用に EF レンズというオートフォーカス対応のレンズを販売しており、今はこれが比較的安く手に入ります。

もう30年くらいの歴史があり種類も豊富で、アダプターを使えば私の持っているミラーレス機 R6 MarkⅡ にくっつけることができます。

ただ、アダプターを介してオートフォーカスがしっかり働くのかなど、分からないことがありましたので、レンタルして気になるところを確認しました。

お借りしたのは、

EF135mm F2.0L USM
EF70-200mm F4.0L IS USM

EF135mm F2L USM 機種仕様 (canon.jp)
EF70-200mm F4L IS USM - キヤノンカメラミュージアム (global.canon)

の二本とアダプターです。

キヤノン:コントロールリングマウントアダプター EF-EOS R|概要 (canon.jp)

焦点距離が長めですけど、たまたまあったので選びました。

どちらも Lレンズと言うプロが愛用する高性能レンズで、赤いラインが入っていることから赤ハチマキと呼ばれています。

EF135mm F2L USM

しかし近年一眼レフが使われなくなってきて赤ハチマキEFレンズの中古市場がだぶついているようで、高性能な割にお手頃価格でレンタル、購入できます。

これが最新の RF レンズと遜色ない写りと動作をしれくれるのなら使わない手はありません。

この二本のレンズがどういうものか簡単に触れておきます。

EF135mm F2L USM

このレンズは1996年発売で最近まで現役だったロングセラーレンズです。

UDガラスレンズを使用しているものの球面レンズだけで構成されていて設計の古さを感じます。

光学系

最新のRFレンズと比較すれば写りが違う可能性はありますが、レビューを見る限りなかなかのものです。

Canon(キヤノン) EF135mm F2L USM 実写レビュー | フォトヨドバシ (yodobashi.com)

EF70-200mm F4L IS USM

こちらも古い設計ですけど、今では使われなくなった蛍石(フローライト)レンズが使われています。

光学系

こちらも現役ではありませんが、光学的性能については後継レンズと大して違わないらしいです。

Canon(キヤノン) EF70-200mm F4L IS USM 実写レビュー | フォトヨドバシ (yodobashi.com)

【伊達淳一のレンズが欲しいッ!】キヤノン「EF 70-200mm F4 L IS USM」 (impress.co.jp)

マウントアダプター

こちらがEFレンズをミラーレス機(RFマウント)にくっ付けるためのアダプターです。

コントロールリング付きマウントアダプター

キャノン純正品で動作が保証されているものです。

RFレンズから導入されたコントロールリングが付いていて、絞りや露出補正を割り当てて使うと便利そうです。

動作確認

届いた二本のレンズとアダプターを R6 MarkⅡに取り付けて試してみました。

どちらのレンズもオートフォーカスは問題なく動作し、きびきび動きますので問題なさそうです。

絞り値の情報のやりとりもちゃんとできています

AFの合焦とトラッキングの速さや正確さはRFレンズを付けた時と変わらず、動作に関して問題は見当たりませんでした。

それと、ちょっと音は大きめでしたがズームレンズの方でしっかりレンズ内手振れ補正が効いているのを確認できました。

手振れ補正を切った状態で焦点距離100㎜前後になると、ボディ内手振れ補正だけではどうしても手振れを抑え切れず、動画では困ったことになりそうです。

ジンバルなしの手持ち撮影では望遠側でレンズ内手振れ補正が必須なようです。

問題なく使えそうだが...

もちろんEFレンズを使う場合のデメリットはあります。

アダプターの分だけレンズ先端までの距離が長くなりますし、アダプターの分だけ130g重くなります。

それにミラーレス機専用設計の RFレンズの方が、同じスペックであればレンズ自体が小さく軽いものが多いです。

ですので最新の RFレンズを利用するのが望ましいわけですが、RFレンズは円安の影響なのか、新品がとにかく高く、中古も高いです。

全体が大きく重くなるという弱点はあるものの、やはり中古市場でだぶついているEFレンズがおいしいです。

EFレンズは古い設計のものが多いですが、赤ハチマキのLレンズであれば写りは間違いないでしょう。

何せプロの現場での使用に耐える性能なわけですから。

当然と言えば当然

レンタルした2本のEFレンズをアダプターを介してミラーレス機に付けても動作は全く問題なしという結果でした。

よくよく考えてみれば、そりゃそうです。

EFレンズを何本も持っている人がカメラボディをミラーレスに変えた途端 EFレンズを全部やめてRFレンズに乗り換えないといけない、ということになれば、ユーザーは離れていってしまいます。

メーカーとしてそれは絶対に避けたいと思うはずで、メーカーは心血を注いでEFレンズがミラーレス機でもちゃんと使えるようにしてくれたのでしょう。

当然と言えば当然なのですが、それが今回確認できました。

余談ですが、昔、キャノンはオートフォーカス化に際してFDレンズ(マニュアルフォーカスレンズ)のユーザーを切り捨てたことがありました。

実は私も切り捨てられた一人です ( ´∀` )

今回はEFからRFへ基本的なところをそのまま持って行けたみたいで、EFシステムを作った当時のキャノンの先進性ということなのかもしれません。

二度と同じ轍を踏まないという意志を感じますね。

ズームと単焦点どっち?

この話は実は深いところまで行ってしまいがちですが、今回は単純に性能の比較を行いました。

「まずは単焦点を使いこなし、その画角を頭に入れるべき」

とかいうウンチク話はなしです。

個人的にはズームレンズの性能が上がっている昨今、便利なので積極的に使っていけばよいと考えております。

とはいえ、ズームレンズと単焦点レンズを比較すれば写りが違って当然です。

ズームレンズは焦点距離が変えられて便利ですけど単焦点と比べ 暗く解像感は低め、というのは仕方がないところ。

自分的にはズームで問題ないのか、やはり単焦点を選ぶべきなのか、その点を知りたいと思い同じ被写体で比較してみました。

シャッタースピードは共に1/1250秒、ISOは300前後(自動)です。

ボケ感比較

EF135mm F2L  焦点距離 135mm 絞り f4.0
EF70-200mm F4L  焦点距離 135mm 絞り f4.0

ボケ感に関しては、若干の違いはあるもののズームレンズだから汚いとか言うこともなく、どちらも普通にポートレートなどに使えそうな感じです。

解像感比較

EF135mm F2L  焦点距離 135mm 絞り f4.0
EF70-200mm F4L  焦点距離 135mm 絞り f4.0

予想通りというか、135mm単焦点は周辺部までシャープで、同じ焦点距離にしたときの70-135mmズームは周辺部で解像感が落ちるという結果でした。

画像をクリックして拡大してみると違いが良くわかります。

メーカーの公表しているデータを見てもそうなっていますので間違いないと思います。

周辺減光もズームレンズの方が大きいですが、気になるほどではありませんし、必要ならデジタル補正でカバーできる範囲内だと思います。

逆に、ズームレンズの方が若干抜けが良い(コントラストが高い)ように思います。

EF70-200mm F4L(ズーム)はEF135mm F2L(単焦点)より10年ほど設計が新しいですので、その辺りが関係しているのかもしれません。

135mm単焦点の絞り開放付近

こちらは単焦点のEF135mm F2Lだけのデータとなります。

EF135mm F2L  焦点距離 135mm 絞り f4.0
EF135mm F2L  焦点距離 135mm 絞り f2.8
EF135mm F2L  焦点距離 135mm 絞り f2.0(解放)

一番上の画像は既出の画像と同じf4.0のもので、真ん中がf2.8、一番下がf2.0(絞り開放)です。

絞り解放では手前の電線がかなりぼやけて後ろの建物がくっきりと浮かび上がっています。

焦点距離135mmでF2.0という明るさが得られればこのような芸当が出来てしまうのですね。

動物園でフェンス越しに動物を撮影するときなどは便利そうですし、大きなボケを活かした表現がしやすくなります。

これならズームが良いかな

四隅の解像感の差が一番気になるところですが、ズームレンズの方が便利ですし、建築物ばっかり撮るわけではありませんのであの程度の違いであればズームレンズでも良いと思います。

周辺までかっちりとした絵を撮りたい時は絞れば良いわけですしね。

ボケ量(解放f値の低さ)では単焦点に軍配が上がります。

しかし、暗いレンズでも工夫次第でボケ感の高い絵は作れますし、望遠側ではf4辺りでも結構ぼけますので、それほど気にすることではないかなと思います。

ズームレンズで明るいレンズとなると、これはもう化け物のように大きなレンズになります。

私はこんなレンズを持ち歩きたいとは思いません。

Canon EOS RP full-frame mirrorless camera launched in India with starting price of Rs. 1,10,495 | GizmoManiacs

あと、逆光耐性については私はあまり気にしない方で、むしろゴーストやフレアを好むタチですので、こちらは比較しておりません。

RFレンズ vs. EFレンズ

下の記事の中にRFとEFのズームレンズを比較した画像が載っていました。

Canon(キヤノン) EOS R 実写レビュー | フォトヨドバシ (yodobashi.com)

どちらがRFでどちらがEFか、分かりますでしょうか。

記事ではRFレンズを褒めてましたが、私には違いが分かりません。

焦点距離が違うもののボケ感は同じでどちらも美しいですし、解像感の比較もこの絵では無理です。

鳥のうんちが写っているか写ってないかの違いくらいしか分かりません。

どこかへ行ってしまいましたが、もっとがっつり比較した記事では周辺部での違いが出ていましたけど、それも僅かな違いです。

非球面を多用した現代のレンズの性能が向上しているといっても、2000年代で既にかなりのレベルにまで達しているように感じます。

大伸ばしや大胆なトリミングをしない限り、画質の違いを気にすることはなさそうに思います。

RFレンズを選ぶ理由があるとしたら、軽さや小ささ、それに僅かな画質の違いということになります。

画質の違いは無視するとしても、軽い、小さいというのは魅力ではあります。

私はEFレンズで十分

せっかくミラーレス専用の軽くてスマートなレンズがあるのにそれが使えないというのは残念です。

予算を考えれば仕方がありません。

とはいえ数年前まで第一線で活躍していたプロ仕様のレンズが格安で手に入るのですから、ここはEFレンズで納得するしかありません。

そして何よりEFレンズで最新のオートフォーカス機能が問題なく使えます。

24-70㎜ F2.8 くらいのズームと、できればその上をカバーする望遠単焦点または望遠ズームをEFレンズで揃えたいと思います。

おしまい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?