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その機能、スマホに必要ですか?

先日、ふとAppleのHPを眺めていたら、iPhoneの値段に驚いた。

もちろん、円安でApple製品全体の値段が上昇しているのは知っていたが、iPhoneの価格については、MacやiPadほど興味がないのでまったく把握していなかった。
現在、一番安価なモデルであるSE3ですら6万円を超えている。

Apple公式サイトより。

私は、2022年にiPhone XRからSE3に機種変更をしたのだが、これほど高い値段ではなかった気がする(じっさいは、家電量販店の「一括〇〇円セール」を利用して購入したために、当時の定価は記憶していない)。

そして、円安以上に、スマホの金額を押し上げる要因になっていると私が考えているのは、より新しいもの、より高機能なものを求める、強迫観念に駆られたかのような技術開発・あるいはそれを求めるユーザーの声である。

もちろん、技術開発によって、私たちの生活がより豊かに、便利になることは確かであるし、開発に携わっている方々を否定するつもりは毛頭ない。

だが、スマートフォンに求めるものが「LINEと電子決済ができること」ていどである私にとって、近年のiPhone(もといスマホ全般)は明らかにオーバースペックなのである。

以下では、完全な主観になるが、私が「必要ない」と感じる、近年のスマートフォンに見られる特徴を列挙してみる。

容量

私には、ストレージ容量のおおきなスマホは必要ない。
2023年7月現在、64GBのモデルを使用しているが、半分以上が空いていることがわかる。


2023年7月現在の、iPhone SE3の中身。ほとんどが、iOSデータやシステムデータである、というのは、今回のNoteを執筆するにあたり私も始めて知ったことであり、かなり驚いている。

私は、ゲームもやらないし、音楽をスマホで聴くこともすくない。
撮影した写真は、その場でAmazon Photoにアップロードして、ローカルからは削除する。動画は、そもそもほとんど撮影しない。

自宅や大学の研究室にいるときは、PCやiPadをおもに使用するため、iPhoneの使い道は、本当に限られている。
じっさいに書き出してみると、iPnoneでおこなっているのは、英語やイタリア語の練習、PayPayやQuick Payなどでの支払い、LINE(家族とのやりとりがほとんど)、旅行先での、地図や鉄道の時刻表の検索、といったぐあいだ。

なお、ブラウジングにかんしては、ほとんど11インチiPad Proで済ませている。
テザリングなどの手間があるため、移動中は基本iPhoneをつかうが、そもそもブラウジングの機会自体はすくない。

画面サイズ

先の論点ともやや重複するが、iPadがあるために、それほどおおきな画面サイズは必要ない。
技術開発により、画面サイズがおおきくなっても、近年のスマホはかなり軽量になっている。

しかし、どれほど軽量になろうとも、現状、画面サイズがおおきくなるにつれ、必然的にかさばるようにもなっていく。
手でもつとき、カバンにしまうときなど、さまざまな場面において、おおきすぎる画面は、私にとって取り扱いが面倒になる要因になる。

XRからSE3に乗り換えたのも、上記の理由によるところがおおきい。
IPadとの棲み分けを図る目的でも、私には、画面サイズが小さいスマホがちょうどよい。

カメラの画質

フロントカメラ、リアカメラともに、私はほとんどつかっていない。
近年のスマホは、コンパクトデジカメを追い越す勢いで、高精細な画像・映像が撮影できるようになっている。

たとえば、iPhoneでは4Kのビデオ撮影、RAW形式での写真撮影、ポートレートモードをはじめとする多彩なフィルター/撮影モードなど、ありとあらゆる機能がそなわっている。

もはや、iPhoneだけで、クリエイターとして作品を作成・発表できるところまできているのだろう。
また、こうした、データ容量のおおきい画像・映像ファイルを扱えるように、必然的に本体容量もおおきく設定しているのだろう。

しかし、これらの機能をすべて使いこなせる/使いこなしているユーザーは、果たして世界にどれくらいいるだろうか?

個人が誰でも「消費者」から「生産者」・「発信者」になれる機会を提供する、という意味では重要な機能かもしれないが、私のような「超」ライトユーザーにとっては、まさに宝の持ち腐れなのである。


終わりに

スマートフォンは、どんどん「スマート」になりすぎていっているようにも感じられる。
それにともなって、ライトなつかいかたをする、私のような人間には必要ない機能ばかりが搭載されることになっている。

もちろん、これほどスマートフォンが普及し、また情報化が進んだ社会において、電子端末をもたないで生活していくことは、きわめて困難である。
ただ、自分の確固たる意思があれば、こうしたモノから距離をおき、さらには情報化社会から抜け出すことも可能なはずだ。

私は、大原扁理『年収90万円でハッピーライフ』に感銘を受け、大原氏のいう「隠居」を目指そうかと考えている。

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