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読書レビュー『VIVANT』


はじめに

こんにちは、Takaです。
今回は『VIVANT』を紹介します。
2023年にTBSの日曜劇場で放送されたオリジナルドラマの小説版ですね。年始の再放送で断片的に見てしまい、内容が気になって仕方なかったところ、本屋で見つけたので衝動買いしました。

概要

タイトル|日曜劇場 VIVANT(上)(下)
作者  |福澤 克雄、蒔田 陽平
出版社 |扶桑社
発売日 |2023/8/30

感想

やっぱりドラマを断片的でも見た上で小説を読むと、キャラクターが鮮明に映像として動きますね。テレビでは見ていないシーンでも、完全に堺雅人と阿部寛として、イメージしてしまいます。おかげですごく読みやすかったです。

これまで小説の映像化は数多くありましたが、逆のパターンは初めて体験しました。かなり忠実に小説化されており、ほぼそのまま文字に起こしたんじゃないかと思うレベルです。
そんな中、小説を映像化するといつも話題に上がるのが『原作破壊』ですが、今回この小説を読んで感じたのは、『原作改変』は必須です。小説とドラマは全く異なる娯楽なんだなとすごく実感しました。

その一つ目が、山場が多い点です。
ドラマは毎週放送されるため、その都度それなりの山場が用意されています。VIVANTの場合、全10話ですので、登場人物が活躍するシーンが最低10回は用意されています。小説で読むとあまりに多く感じます。ずっとクライマックスシーンばかりを読んでる感じだったので、メリハリを付けて魅せたいシーンを際立たせてほしかったですね。
でも小説の映像化で『原作改変』が必要な理由はここなんでしょうね。60分ごとに山場を作らなきゃいけないから、大変だと思います。

二つ目が、映像ありきのシーンです。
中盤のとあるシーンですが、監視カメラを搔い潜って潜入するシーンがあります。ドラマでは当然のハラハラドキドキする名場面なんですが、小説では全く伝わってこなかったですね。やっぱり映像だから映えるシーンと、小説だから盛り上がるシーンと言うのは明確に違うなと感じました。

いろいろ気になる点はありましたが、ドラマの小説化は原作そのままでもある程度読めると言うのが私の感想です。少し食傷気味ではあるものの、ストーリーが楽しければ、全然読むことが出来ます。でも逆は厳しいだろうなと思います。60分の放送が全部日常パートで淡々と終わられたら、普通に次週は見ないですからね。このあたり、脚本家や演出家と呼ばれる方々が苦労されているんだろうと察します。

おわりに

今回は『VIVANT』を紹介しました。
VIVANT』の紹介と言うより、小説作品と映像作品の違いについての感想になってしまいました。ちなみに今から『VIVANT』を楽しむなら、確実にドラマを推奨します。やっぱり原作が最も作者の表現したいことをストレートに受け取ることが出来るので一番です。
でもこの本を読んで、『原作改変』については少し寛容になれたと感じたので、敢えて両方楽しむというものおススメです。

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