読書レビュー『ハサミ男』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回紹介する一冊は殊能将之の『ハサミ男』です。
この作品は、読書仲間からも「読んでないなら最優先で読んだ方がいいよ」と、かなりおススメされた作品です。実際に読んでみると、かなり楽しめたので、やっぱり口コミって大事なんだと実感する一冊です。

概要

タイトル｜ハサミ男
作者　　｜殊能将之
出版社　｜講談社
発売日　｜2002/8/9

ハサミ男 (講談社文庫)

感想

殊能将之のデビュー作である『ハサミ男』ですが、帯に「古典にして、大傑作」と書かれるほど、とても素晴らしい作品です。2002年発売ということで、言うほど古い作品ではありません。それでも古典と呼ばれるのは、ミステリー小説としての完成度が高く、教科書に相応しいと感じる作品だからではないでしょうか。私も見事にこの作品のトラップに引っかかった一人です。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作！

「ハサミ男」より

この作品は、ネタバレ無しに説明することがとても難しい作品です。各登場人物がそれぞれ別の顔を持っているため、物語がとても複雑に進行します。主な視点は、偽ハサミ男を探す「ハサミ男」と、事件を捜査する新米刑事の二つの視点で話は進みます。どちらの捜査も思うように進みませんが、実は推理に必要なヒントはドンドン開示されてます。そして最後のクライマックスで、一気に全容が分かるとともに、事件の様相が一変します。ある意味、ヒントに気づかない方がクライマックスの衝撃を楽しめるので、よりこの作品を楽しめるかもしれませんね。

ところでこの作品は、映画化もされているようです。個人的にはかなり映像化の難しい作品だと思うので、どのような形で実現したのか気になります。小説原作の映画を見るとガッカリすることが多いので、あまり好きではありませんが、本作品は探してみたいと思います。

おわりに

今回は『ハサミ男』を紹介しました。
これまでもイロイロなミステリー小説を紹介してきましたが、私はどんでん返しが大好きです。この作品のその例にもれず、気持ちいいクライマックスが待っていますので、是非楽しんでいただきたいです。