シンガポールで理学療法士として働くためには?その1~免許書き換え~
シンガポールで働き始めて、約半年になります。ここ最近は、
「どうすれば、シンガポールでPTとして働けますか?」
といったご質問を多く受けるようになってきました。そのため、本記事では、PT免許をすでに持っている方向けに、免許書き換えの条件をお伝えします。
免許書き換えのための4つのステップ
は、こちらです。
①就職先を見つける
②免許書き換え試験 (Qualifying Examination) を受ける
③英語能力を証明する
④2年間、シンガポールPTの下で働く
1つ1つ、見ていきましょう!
①就職先を見つける
ここが最初のステップになります。シンガポールでは、免許書き換えの手続きは、Allied Health Professional Council (AHPC) が行っています。AHPCとは、理学療法士や作業療法士といった、いわゆるコメディカル専門職の資格発行をサポートしている機関です。
このサイト内に、登録のための基準(Criteria for Registration )が記載されています。
ここをチェックしますと、まず
1.理学療法士免許を持っていること
2.誠実であること
3.シンガポールで、雇用のオファーをもらっていること
4.良い評判や性格であること
とあり、申請者は、これらを必ず満たしておかなければなりません。注目すべきは、3です。つまり、「就職先を見つけていないと、免許書き換えの手続きに進めない」ということです。
2,4の判断基準はよくわかりませんw ただ、誠実でもなく、性格も良くないって判断されたら、そもそも就職先は見つからないかと思います。
②免許書き換え試験 (Qualifying Examination)
次に、書き換え試験です。実際のところ、ここが大きな壁になります。シンガポールPTの友人に聞いたところ、これは英語で筆記試験と実技試験を受ける、とのことでした。どうやら、かなり難しいようです。
「・・・ようです。」
って、僕は受けていないの?と思われた方もいるかもしれません。はい、僕は試験免除ですみました。
AHPCが、"List of recognized qualifications in physiotherapy"というリストを作成しています。ここに記載されている大学の学部を卒業した理学療法士は、書き換え試験が免除になります。
以下が、そのリストの一部です。
目を通してみると、日本では、京都大学と信州大学の2校がリストされています。幸い、僕は京都大学を卒業しているため、試験免除だったということです。正直、これは就職活動時にも有利に働いたと思います。
この他、オーストラリア、カナダ、香港、マレーシア、ニュージーランド、台湾、イギリス、アメリカの大学がリストされています。
※上記2校以外の方にもチャンスが開けるよう、書き換え試験についても情報収集していくつもりです!
③英語能力の証明
海外で働くにあたって、これは日本人のほぼ全員がぶちあたる壁ですね。こちら、AHPCが求めている英語レベル(English Language Proficiency)です。
職種によって変わりますが、PTは、
・IELTS 7.0以上(すべての項目において)
・TOEFL 250以上(コンピューターテストの場合)
・OET Grade B 以上
いずれかを満たしておく必要があります。
僕は、IELTSしか受けたことがありません。IELTSとは、イギリスやオーストラリア留学の際に、よく求められる英語スコアです。Reading, Listeningに加え、WritingとSpeakingの4つの能力を試されます。このIELTS 7.0を全ての項目でクリアすることは、並大抵の覚悟ではできません。
ただ、シンガポール就職には、メリットがあります。それは、「就職時には上記の英語能力を満たしておく必要がない」ということです。次の4ステップ目と関係しますが、働き始めて2年以内に上記スコアを満たせばよいのです。
そのため、僕のスコアは未だに
・Reading 6,5-7.0
・Listening 6.0
・Writing 5,5-6.5
・Speaking 5.5-6.0
あたりです(2020.5.31現在)。ここから、上げていくことが地獄のように難しいと言われています。頑張らないと。。。
④2年間、シンガポールPTの下で働く
バイザーシステムのようなものです。というのも、僕の理学療法士ライセンスは、Conditional Physiotherapist (条件付き)なんです。シンガポールPT 2人に2年間バイザーしてもらって、はれてFull Registration Physiotherapist として一人前になります。詳細が気になる方は、こちらをチェック。
そのため、働き始めて1か月、6か月、1年、2年といった区切りに、
・どういった患者さんをみたのか
・どういった指導を受けたのか
をAHPCに提出する必要があります。バイザー2人も僕の評価内容をAHPCに提出しています。この内容次第で、2年間のConditional期間が延長することもあるようです。
ただ、僕が今の職場を決めた一番の理由は、上司のBelindaのもとで働きながら、学びたかったからです。そのため、Belindaが忙しい合間を縫って指導をしてくれるので、僕としては、このシステムにむしろ感謝してますw
では、FullとConditionalでは何が違うのか?
一番の違いは「開業できるかできないか」です。
僕は「理学療法士として開業したい」という目標を持って、シンガポールにやってきました。そのため、2年後に開業できるよう、今はスキルアップ、マーケティング力などを高める期間と思っています。
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以上、シンガポールでの免許書き換え事情について、大まかに説明させてもらいました。
実際に働こうと思うと、
・就職先の見つけ方、アピール方法
・VISAの申請、必要書類の集め方
・書き換え試験について
なども必要になります。これらについては、おいおい書いていきます。次回記事の参考にしたいため、ご意見、ご質問あれば、お気軽にコメントください。よろしくお願いいたします!
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