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同人誌完成記念~出費一覧~

↑2008年8月末頃友人S撮影 昔のビラでびっしりな寮の壁、引かないでね・・

 これまで、熊野寮と周辺の歴史をまとめた記事を紙の本「熊野寮と鴨東地域の交わり~熊野寮五十周年記念誌発刊十周年~」として世に出す。この同人誌に関する費用を書き残す。

印刷所

 印刷は、2014年発刊の熊野寮五十周年記念誌と同じSTARBOOKS(明光社)に依頼した。

サイズはB5、製本方式は無線綴じオフセット、270p(表紙裏表紙含まず)、部数100部で以下のような金額になった。

・印刷費用
表紙印刷料金     ¥12,100
表紙PP加工料金 ¥3,300
本文印刷料金     ¥282,294
本文用紙代金     ¥44,186
製本料金            ¥169,326
早期入稿割引     ¥-194,259
金額合計            ¥316,947

 最初は100p程度と予想し、11万円程度の見積もりだった。しかし、書き進めるうちににれよあれよとページ数が増え、最終的に270pで費用は32万円に膨れ上がった。というか、当初の見積もりが甘すぎただけなのだが、一部あたり3000円はびっくりだ。予想される背幅(本の厚み)も8mmから22.2mmにアップした。
 考えれば、印刷の行程が増えるのだから、コストがページ数にだいたい比例するのは当たり前だ。世の中に流通しているプロの本を改めて見ると、画像は小さく、文字は読みやすい範囲で詰め、余白は可能な限り減らし、紙面の情報密度を高めている。画像も、限られた面積でわかりやすいものを厳選している。その構図も、白黒でも小さくてもはっきりさせるよう、撮影時から意識されているのが伝わってくる。私が適当に撮影したものと大違いだ。
 漫画週刊誌に関しても、どんな漫画家でも原稿のページ数には厳密な理由がわかった気がする。気ままに増減したら、印刷コストは毎週変わってしまう。いわゆる代原というシステムがある理由も納得だ。
 逆に、本誌では保存性を高めるため表紙はグロスPP加工を追加したが、そんなに金額は変わらなかった。今回は部数を最低注文ロットの100部にしたが、多いほど単価も低減できるはずだ。もし、これをお読みのあなたが同人誌や記念誌の作成をお考えなら、

・ページ数は少なく
・短い言葉で明瞭な文章に
・事前に宣伝してさばける部数を多く
・画像、写真は小さく
・かつ分かりやすい構図で
・無駄な余白は少なく
・どうせなら表紙は豪華に
・印刷会社の説明は事前にしっかり読む

を意識されると、安くいいものができるかもしれない。

国立国会図書館(即日複写)

 館内の複写ではpdfを入手できないので、電子化のためにはスキャンが必要になる。そういった、今回かかった金額を記載する。@は単価を意味する。

・複写費用(2024/1/6)
デジタルモノクロA4 52点@¥16 ¥839
デジタルカラーA4 11点@¥36  ¥396
合計 63点            ¥1,228
+税10%            ¥1,350

・コンビニでのスキャン費用(20241/7)
 ¥900(内消費税¥81)

 もちろん、細かい手続きは国会図書館公式サイトを参考にしていただきたい。手数料やルールなど時折変化するだろう。

国立国会図書館(後日複写)

 紙の資料の持ち帰りが大変なら、後日複写という送付サービスもある。ただし単価が高く送料や手数料もかかるので、出来たら通常の複写サービスを用いるほうが安い。しかも、申し込みから2~3週間かかる。
 今回は京都新聞の気になる記事をマイクロフィルムから見つけ、3点複写依頼した。

・後日複写費用(2024/1/10)
フィルム伸ばしA4 3点@¥100  ¥300
発送事務手数料        ¥250
送料             ¥200
小計             ¥750
+税10%            ¥825

・着払費用(2024/1/21)
 ¥220

 支払いは自宅到着後に資料を確認し、20日以内に払込取扱票もしくは銀行から振り込みとなる。振込手数料は自腹だ。あと着払いだ。う~ん、やはり複写資料が膨大になっても自分で持ち帰るほうがよさそう。資料がかさばりそうなら、出来るだけ大きいバッグやスーツケースを持って行こう。地下鉄永田町駅からほど近いので安心だ。

京大大学文書館

 細かい利用方法は公式サイトにある。直接訪問が一番良いのだが、事前予約が必要なので、今回は複写送付サービスを用いた。自宅への複写送付頂いた際の金額は以下になる。

・写しの交付依頼費用(2023/12/27)
B4 3枚@¥20  ¥60 

・現金書留費用(2023/12/25)
第一種定型 ¥84
現金書留  ¥480
小計    ¥564(内税 ¥51)

・着払費用(2024/1/8)
ゆうパック 80サイズ ¥1,190

 60円の資料を受け取るために1,754円使ったことになる。関東から関西への交通費よりはマシだが比率がアホすぎる。

短歌の短冊

 寮と同じ敷地に幕末頃住んでいた、歌人高畠式部の短歌の短冊を購入した。

・高畠式部の短冊購入費
        ¥6,190 (2024/1/27)
        ¥500 (2024/1/28)
合計 ¥6,690

短冊の額購入費(2024/1/27)
商品の小計        ¥1,523*2
配送料・手数料 ¥598*2
合計                   ¥4,241

 国立民族学博物館の、ある企画展の展示を担当された教授がセミナーで、「実物があることによる訴求力は文章と図で構成される論文とは全く異なる」といったことをおっしゃっていたので、本だけでなくぜひ実物資料を拝見し、またブース展示のため購入した。明治期まで長生きされた方なので、長寿の縁起物でもある。

ISDNシール

 今回、ISDN(ISBNの同人誌版)の割り付けを表紙の入稿後で思いついたので、印刷後の裏表紙にシールを張り付ける作業が発生してしまった。シールは印刷ネットドットコムで、ISBNと同じ形式を依頼した。

・ISDNシール印刷費(2024/1/27)
書籍バーコードシール 55×58 UV硬化ニス(10%) 100枚
商品合計  :¥6,776(税込)
送料    :¥550(税込)
お支払い合計:¥7,326

まとめ

 ここにまとめた内容だけで、合計約34万(正確には340,314)円かかった。交通費もあるので、正直もっとかかった。うむむ、利益度外視の趣味の世界だが、せっかくなら少ない金額に収めるほうが、次回作への意欲も高まる。ノウハウとして今後意識したい。ただ、夢中で調べまくる時間は何ものにも代えがたいよね。

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