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「本屋という仕事」三砂慶明 編 を読んで。

本屋が氣になるこの頃。

先日、岡本太郎展を観に行った帰りに名古屋にある本屋に立ち寄った。プレゼントに本を贈ろうと思って立ち寄ったが、その書店の雰囲氣が心地よく、あたたかく(物理的に汗ばんだ)、なんとなく素敵だなと感じた。目当ての本も在庫1冊残っており購入できた。

この本は再度、店に行った時に購入した。


大学時代、地元の本屋でアルバイトをしていた。複数のバイトをしたが、1番長く勤めさせていただいたのは本屋であった。

もともと本や映画が好きで、接客も好きだったため、「出勤したくない、辞めたい」と思ったことは一度も無く、大学生卒業まで3年近く働いた。一緒に働いていた方達にもとても感謝している。


本の持つ魅力。本は誰かが書いたものである。誰かが想いを込めて創ったもので、魂込めて創ったものである。小説しかり、ビジネス書しかり、雑誌しかり、参考書しかり、エッチな本しかり。

一冊一冊に人の想いが込められて、ぬくもりが込められている。そんな想いが一つに集まった場所が本屋であり、本を書いた人と読者とを繋げる場所が本屋である。


バイトの時は、本屋という仕事についてあまり深く考えてこなかったが、今改めて考えると素敵な空間で、素敵な人達(いっしょに働いた方、来店されたお客様、本を書いた方、出版した方)と共に、幸せな時間を過ごしていたのだと感じる。

今はわざわざ本屋まで行かなくてもネットがあれば、自宅にいながら本が買える。電子書籍でも本を読むこともできる。本の要約サイトやYouTube動画もある。実際、僕もよく使っている。


それでも、本屋の価値・存在意義は残るだろう。本の肌触り。紙の感覚。匂い。重量。読み進める毎に変わりゆくページ。時が経つにつれて色褪せる本。本屋に並ぶ本。移りゆく本もあれば、ずっと存在し続ける本もある。

誰かの大切な想いを預かり、誰かにその想いを届ける。たまたま手に取った本が、その人の人生を大きく変えたり、心を和ませたり、ザワザワさせたり。新しい世界に連れていったり。

紀元前5世紀のギリシアにすでに本屋はあったらしい。これから先も、ずっとずっと先も、本屋は人々の生活と共に在り続けるだろう。


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