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現存する唯一の関帝廟

函館山のふもとには
明治のころに建てられた
煉瓦造りの建物がある
金森赤レンガ倉庫、旧ロシア領事館
これらは洋式であるが
函館中華会館(現在・閉館)は
赤レンガでぐるりと囲まれ中を
うかがうことができない

函館中華会館                                                                             2023

国内にただひとつのこる
清朝様式の建築物

明治43年、函館在住の華僑により
三国志の英雄・関羽をまつる関帝廟
同郷の集会所として建てられた

釘一本使わない清朝様式の建築で
大工、彫刻師、漆工を中国からまねき
祭壇、什器なども本国からとりよせ
工期に3年かけた

関帝廟                          2023

内部は華麗で爛熟した
清朝末期の雰囲気がある

これらの資金は、中華料理で重宝される
昆布、貝柱、鮑などを中国に輸出する
華僑の海産商によってもたらされた

僕の友人で
不動産業をいとなむ陳有崎さんは
華僑の二代目

父・陳恩竹(ちん・おんちく)は
明治40年、中国は福建省に生れ
18才の時に日本にわたり
大阪で呉服商のもとで行商を始めた

やがて兄がいる函館に来て
衣料の行商をして
故郷の家族をむかえた

関帝廟                        2023

日中戦争のときは
特高の監視もあり
窮屈な日々であったが
戦後は
自由な生活を送れるようになった

華麗な関帝廟にたたずみ
華僑の歴史にも
光と影があると思った


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